「軍師官兵衛」荒木村重・だしの息子(有岡城から救出)は後の絵師・岩佐又兵衛

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NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第23回放送より。この記事では荒木村重とだしとの間に生まれた幼子のその後についてまとめます。

悲運の最期を迎えた荒木村重とだし。死の間際、乳母に託された息子・岩佐又兵衛がどのような人生を送ったのか、まとめておきます。

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目次

処刑された荒木だし 乳母に託された乳飲み児

突然織田信長に反旗を翻し、迷走に次ぐ迷走で有岡城を破滅へと向かわせた荒木村重(田中哲司)。自身は有岡城落城の少し前に「毛利に援軍を頼みに行く」との名目で有岡城を抜け出しますが、結局辿り着けず、落城後は尼崎城に籠ったままという有様です。

落城時に有岡城に残っていた者たちは全員捕らえられ、信長の逆鱗に触れたとして一族郎党皆殺しの命が出されます。村重の妻・だし(桐谷美玲)もこの運命に逆らう事は出来ず、京都市中を引き回された後に、京都の六条河原にて斬首されます。

毅然と運命を受け入れたという若きだしの最期を思うと悲しい気持ちになってしまうのですが、少しだけ希望のある明るいお話があります。劇中で、だしが乳母に預けた幼い息子(のちの岩佐又兵衛?)のその後についてです。

(※注:「岩佐又兵衛」がだしの実の息子とする説と、だしは側室の一人であり、又兵衛は他の母と村重との子である説があるようです。「軍師官兵衛」では岩佐又兵衛がだしの息子であるという仮定で描かれるようなので、この記事もその前提で書いています。)

▲絵師・岩佐又兵衛自画像(画像はWikipediaより転載)

有岡落城から救出された又兵衛 その後の人生

乳母の機転により有岡落城の際に救出された幼い又兵衛は、石山本願寺に保護されます。「軍師官兵衛」第23回放送でも赤子(又兵衛)が乳母の機転で助かったシーンが出てきます。

又兵衛は成人すると、母方の姓(乳母の姓との説も)である「岩佐」を名乗り、信長の息子・信雄に「御伽衆」(おとぎしゅう)として仕えます。

【※御伽衆とは、もともとは主君の側で政治・軍事の相談役で、戦乱の世が治まってからは主君を文化的な面(読み書きの補助や文芸、画業などで主君の無聊=ぶりょう。退屈な事、心が晴れない事=を慰める等)からサポートした側近。秀吉の御伽衆が壮麗な桃山文化を生み出すなど、文化の担い手として芸術の発展に貢献した。】

信長により処刑された荒木だし(桐谷美玲)の生まれたばかりの息子は、後に「浮世絵をつくった男」と呼ばれる絵師・岩佐又兵衛だった?というお話。

(※注:「岩佐又兵衛」がだしの実の息子とする説と、だしは側室の一人であり、又兵衛は他の母と村重との子である説があるようです。「軍師官兵衛」では岩佐又兵衛がだしの息子であるという仮定で描かれるようなので、この記事もその前提で書いています。)

「浮世絵をつくった男」岩佐又兵衛

有岡落城の際に乳母の機転により救出された岩佐又兵衛。信長への反逆により荒木一族が子供たちも含めて処刑・皆殺しとなる中、又兵衛は生き延び、その後意外な人生を歩む事になります。成人した又兵衛は、著名な「絵師」として歴史に名を残す事になるのです。

織田信長の息子・信雄に「御伽衆」(おとぎしゅう)として仕えるなどした後、又兵衛は京都で絵師としての活動を始め、芸術の道を歩む事になります。

又兵衛は江戸初期を代表する大和絵の絵師と言われています。狩野派、土佐派、それに水墨画などのさまざまな絵を吸収し、独自の画風を確立していきました。

洛中洛外図屏風、山中常盤、三十六歌仙図額(川越・仙波東照宮)など

代表作には「洛中洛外図屏風(舟木本)」(重要文化財、東京国立博物館蔵)、「豊国祭礼図屏風」(重要文化財、徳川美術館蔵)、「虎図」「伊勢物語・梓弓図」などの「旧金谷屏風」、(東京国立博物館、文化庁など蔵)、川越・仙波東照宮の「三十六歌仙図額」額絵、牛若丸伝説を主題とした御伽草子の物語「山中常盤」などがあります。

又兵衛の絵はエネルギッシュかつ、時にはバランスを放棄するほどのダイナミックな動きを見せる人物描写などが特徴。その妖しい魅力に満ちた絵画群は、しばしば「浮世絵」の源流となったともいわれ、「浮世絵をつくった男」なんていうカッコいいキャッチフレーズも存在します。

父である荒木村重は有岡城落城後に毛利に亡命しますが、信長の死後、堺に戻ります。そこで茶人として復帰して活躍したことなどからも、又兵衛にも武将というよりは芸術家としての血筋が受け継がれていたのかも知れません。

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