官兵衛の傷心を癒した自由交易都市・堺とは【鉄砲・茶の湯】

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NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の第三回。かつて「東洋のベニス」と謳われた自治都市・堺の様子が生き生きと描写されていました。

赤松氏の室津城急襲により初恋の人・おたつ(南沢奈央)を失った黒田官兵衛(岡田准一)。おたつの死から二年が過ぎてもなお赤松氏への敵討ちに固執し、職務に身が入らない官兵衛に対し、父・職隆(柴田恭兵)は「今のお前は黒田家の恥だ」と叱責します。

しかし、そこは真面目な父・職隆のこと。官兵衛の身を案じ、小寺政職(片岡鶴太郎)に願い出て官兵衛を堺まで鉄砲の買いつけに行かせるよう取り計らいます。

母里武兵衛(永井大)、栗山善助(濱田岳)をお供に訪れた堺の地で、官兵衛は見たことのない世界に触れ、少しずつ閉ざしていた心を開いていきます。

自治都市・堺で官兵衛が見た世界

当時の堺は「会合衆(えごうしゅう)」と呼ばれる豪商が町を治める、自治都市でした。対明貿易や南蛮貿易など海外との交易拠点として発展し、最新の文化や技術が行き交う先進の地。鉄砲が盛んに生産され、茶の湯が発展するなど戦国時代の人々にとっては憧れの町でした。

▲堺市堺区宿院町西1丁に残る、千利休屋敷跡。Photo by KENPEI (Wikipediaより転載)

劇中でも描かれていましたが、町を歩けば出くわす大道芸人、南蛮人、そして市場で繰り返される雑多な営み。それは播磨の片田舎の武家社会しか知らなかった官兵衛にとって、何もかもが新鮮なものでした。

旅の道中に知り合った荒木村重(田中哲司)に紹介され鉄砲商人・今井宗久(いまいそうきゅう)の元を訪ねた官兵衛は、堺の栄華が戦の道具の交易によって支えられていることを知ります。

「どんなに腕に覚えがあろうと、堺の金の力には勝てん。この町で一番えらいのは将軍でも大名でもなく、会合衆(えごうしゅう)と呼ばれる豪商たちだ。」

荒木村重がこう言うように、官兵衛がこれまで播磨で見てきた常識とは全く違う世界が堺にはありました。

キリスト教とも出会う

官兵衛はまた、堺の路地裏にてキリスト教とも出会いました。宣教師・ルイス=フロイスが説教を行っていた南蛮寺の鐘の音に吸い寄せられ、官兵衛はキリスト教布教の地へと足を踏み入れます。そこで目にしたのは武士や商人、農民がキリスト像を前に一心に祈りを捧げる光景。

「我が身を思うがごとく、隣人を大切に思うのです 隣人を許し、自分のように慈しむのです そうすればこの世から争いはなくなるでしょう」

そう説くフロイスに引き込まれる官兵衛。やがて流れる賛美歌を聞くと、様々な思いがこみ上げてきた官兵衛の目からは、涙があふれます。

父の計らいによって実現した堺への旅は、おたつを失い閉ざされてしまった官兵衛の心に新しい風を送り込むとともに、官兵衛の今後の人生に大きな影響を与えるものとなります。堺に現在も残る自由都市としての名残については、次の記事でまとめます。

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