【なつぞら】開拓結社・晩成社と「マルセイバタ」

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NHK連続テレビ小説「なつぞら」4月10日(木)第10回に登場した「晩成社」についてまとめます。

「晩成社」は十勝開拓の祖と言われる依田勉三が結成した実在の結社で、北海道で初めて商品化されたバター「マルセイバタ」を作り出したことでも知られます。

泰樹の夢 バター作り

4月10日の放送では、泰樹(草刈正雄)が自らのバター作りの夢をなつ(粟野咲莉)に語る場面が描かれました。

泰樹は18歳の時に富山から十勝に入植しましたが、入植地には火山灰地が広がって作物が育たず、開墾には大変な苦労を伴ったそうです。そこで泰樹は先に入植していた開拓団「晩成社」を訪ねて教えを請うと、そこで牛飼いを勧められ、これが現在の「柴田牧場」誕生へとつながったわけです。

こうした縁もあり、いつしか泰樹は晩成社が作り出したようなバターを自分も作りたいという夢を描くようになっていました。

士族有志による開拓結社

「晩成社(ばんせいしゃ)」は明治15年(1882年)、原野が広がっていた十勝に最初期に入植した、実在の開拓団です。

明治9年(1876年)の秩禄処分(華族や士族に与えられていた秩禄給与の全廃政策)により既得権を失った士族たちに対し、政府は農・工・商業への転職を推進し、北海道への移住も奨励されました。

こうした流れの中で、明治10年代には有志士族を中心とした北海道入植のための結社「開進社」(明治12年創立・亀田郡湯川などに入植。和歌山県士族)、「赤心社」(明治13年創立・浦河郡に入植。兵庫県士族)、「北越植民社」(明治19年創立・札幌郡江別太に入植。新潟県士族)などが立ち上がり、北海道各地に入植しています。

大器晩成!晩成社

「晩成社」もこうした結社のひとつでした。伊豆の豪農・依田勉三(よだ・べんぞう)、旧上田藩士族・鈴木銃太郎らが中心となって明治15年に結成され、翌明治16年に、27名で帯広に入植しています。

晩成社という名前は「たとえ長い年月がかかろうとも、かならず入植を成功させる」という強い意気込み(大器晩成)から命名されています。

さて、十勝川上流の入植地(現在の帯広市)にたどり着いた依田勉三ら一行ですが、干ばつや長雨、蝗害(蝗=イナゴ)などの困難にぶち当たり、長年の開拓作業は苦難の連続となります。

▼晩成社の生みの親・依田勉三は間宮林蔵、松浦武四郎、伊能忠敬といった北海道開拓の英雄たちとともに、北海道神宮境内末社・開拓神社に北海道開拓功労者37柱として合祀されています。

晩成社「マルセイバタ」の商品化

それでも依田勉三ら晩成社の人々は穀物や甜菜、リンゴの栽培、植林、製綿や缶詰工場の建設など、あらゆる事業にチャレンジしていきます。

明治38年(1905年)にはバターの生産を開始し、晩成社の「成」の字から取った「マルセイバタ」のブランド名で商品化し、東京などに売り出しています。

残念ながら「マルセイバタ」は大正7年(1918年)を最後に、採算が取れなくなったなどの理由で販売が停止となっています。また、晩成社の生みの親・依田勉三は大正11年(1922年)に72歳で亡くなり、昭和7年(1932年)には大きな赤字を抱えた晩成社も解散してしまいます。

晩成社の諸事業は決して順風満帆だったとは言えず、依田勉三も苦労を重ねた末に亡くなったようですが、こんにちの帯広ならびに十勝平野の繁栄は間違いなく依田勉三や晩成社(もちろん、名もなき多くの開拓者たちの苦労も)の礎の上に立っています。

六花亭の「マルセイバターサンド」

ドラマ「なつぞら」に登場する帯広の菓子店「雪月」は、北海道の代表的な製菓メーカー「六花亭」あるいは「柳月」がモデルとも噂されます。

北海道の代表的銘菓となっている六花亭の「マルセイバターサンド」(1977年販売開始)は、晩成社の歴史を記念して「マルセイバタ」の名から命名されており、「マルセイバターサンド」のあのレトロな包装も、発売当時の「マルセイバタ」のラベルを復刻、再デザインしたもの。

「なつぞら」でも、雪之助が創り出した「十勝バター煎餅」の缶に「マルセイバタ」の外観を受け継いだデザインが採用されています。

▼8月8日の放送では、六花亭と並ぶ帯広の雄「柳月」の「あんバタサン」を思わせる雪次郎の菓子が登場。
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