【天皇の料理番】秋山篤蔵が修行する「華族会館」とは?旧・鹿鳴館の建物を使用していた

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TBSドラマ「天皇の料理番」で、主人公・秋山篤蔵(佐藤健)が働くことになる「華族会館」は、明治から昭和にかけて実在した「華族の研学討論機関」です。

この記事では、「華族会館」とはどのようなものだったのか、そして「華族会館」の建築についてまとめます。

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目次

桐塚教授から紹介された修業先「華族会館」

「天皇の料理番」第一回では、「カツレツ」の旨さに感動して上京した「のくぞう」こと秋山篤蔵が、東京でコック修行先を探す場面が描かれました。

当時東京でも一流の洋食店として知られた「泰西軒」(銀座の煉瓦亭あたりがモデルか?)から門前払いを食らった篤蔵は、兄・周太郎(鈴木亮平)の師事する教授・桐塚尚吾(武田鉄矢)から「華族会館」を紹介され、厨房で働き始めることになります。

1874年設立「華族会館」とは?

この「華族会館」は、1874年(明治7年)に「華族通款社」と「麝香間祇候会議」が合同し、「華族の研学討論機関」として設立されました。

「華族会館」は単なる華族のコミュニティではなく、書籍局、講義局、勉強局、翻訳局の設置が規約に設けられました。英国の貴族が政界で果たしていた役割を参考にして、「第十五国立銀行」「学習院」「日本鉄道会社」を設立するなど、様々な活動、事業を行う場として存在しました。

華族の活動や社交の場として、「華族会館」の食事の場は重要な役割を担うわけですが、福井から突然上京してきてナイフとフォークの使い方さえわからない「田舎者」の篤蔵にとって、「華族会館」での修行の日々は驚きの連続。大変辛く厳しいものとなります。

参考記事
「華族」「伯爵」とは?【花子とアン】葉山家を例に地位・身分解説

建物はあの「鹿鳴館」を使用


▲教科書でもお馴染み明治の社交場・鹿鳴館。「華族会館」はこの建物を使用していた。
(画像はWikipediaより転載。パブリックドメイン。)

さて。この実在した「華族会館」ですが、浅草で設立後、神田や上野などに移り、1890年(明治23年)には「鹿鳴館」(現在の千代田区内幸町)の一部を借り受け、移転させています。4年後の1894年(明治27年)には、「鹿鳴館」の土地と建物は「華族会館」に払い下げられています。

明治の外交・社交場「鹿鳴館」の建築

▼(写真)「鹿鳴館正門」は「旧薩摩藩装束屋敷跡」の通称・黒門が使用されていた。国宝に指定されていたが、残念ながら戦時の空襲で焼失。「天皇の料理番」第一回で桐塚教授が秋山篤蔵を大きな門の前で出迎える場面は、この黒門をイメージしたもの。
(画像はWikipediaより転載。パブリックドメイン。)

「鹿鳴館(ろくめいかん)」といえばご存知、1883年(明治16年)に明治政府によって建てられた、当時最先端の外交のための社交場。当時の日本には現在の「迎賓館」のような施設は無く、諸外国に「文明国」であることを示すために欧米風の社交施設が必要とされたのです。

「鹿鳴館」は二階建てレンガ造りの洋館で、一階には大食堂や談話室などが、二階には有名な広い「舞踏室」がありました。「華族会館」はこの豪華な「鹿鳴館」の一部を転用し、やがて買い取る(1894年)わけです。

「天皇の料理番」で秋山篤蔵が「華族会館」に雇われたのは、1904年(明治37年)前後のこと。「華族会館」は1927年(昭和2年)までこの「旧・鹿鳴館」の建物を使用しておりましたので、篤蔵も歴史ある「鹿鳴館」の建物で修行をしたことになります。

※「鹿鳴館」は1940年(昭和15年)に取り壊され、「鹿鳴館正門(黒門)」は1945年(昭和20年)に空襲により消失しています。
※「華族会館」は現在は「一般社団法人・霞会館(かすみかいかん)」と名を変え、旧華族の親睦の場になっています。

ドラマでの「華族会館」ロケ地(建築)は「綱町三井倶楽部 」

「天皇の料理番」で登場している華族会館の豪奢な洋館の撮影には、「綱町三井倶楽部」(東京都港区三田2丁目3−7)が使用されています。

「華族会館」としてたびたびドラマに登場しているこの洋館は「綱町三井倶楽部」の本館で、竣工100年を超える歴史ある建築。建築家ジョサイア・コンドルが設計した名建築で、明治・大正期を代表する西洋建築として知られます。

▼ロケ地について詳しくは…
天皇の料理番「華族会館」ロケ地は「綱町三井倶楽部本館」

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