NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」の西門家。長男・泰介(菅田将暉)が野球で甲子園を目指し、長女・ふ久は物理の勉学に励みながら諸岡(中山義紘)と結婚。
兄弟が好きな道へ進む中、末っ子の活男(西畑大吾)だけは軍需工場での勤労奉仕の日々を送っています。
以前から料理が大好きで東京の祖父・大五(原田泰造)の元へ料理の勉強へ行きたいと願っていた活男ですがそれもかなわず、「喫茶うま介」で中途半端に料理を手伝う日々。おまけにここのところ、工場勤務での疲れもあり、め以子(杏)とともに台所へ立つ機会もめっきり減っています。
ある日、先行きが見えず元気をなくしている活男に、かすかな希望の光が差し込みます。軍需工場に持参した弁当の「肉モドキ」を上官に見初められ、料理の話に花が咲きます。
海軍へ志願すれば料理が…
実はこの上官。料理には少々精通した人物のようで、これをきっかけに海軍で本格的な料理が出されていることを知り、活男は海軍に志願したいと考えるようになります。
そんな活男の思いを聞いため以子は「入隊したからと言って料理人に必ずなれるわけではない」と当然のごとく反対。いつ戦地へ行かされるのかわからない海軍への入隊を、親として簡単に認めるわけにはいかないのでしょう。
そんな折、活男が働く軍需工場で事故が発生します。この事故により友人が犠牲になり、活男は大きなショックを受けます。どうせ死ぬのなら好きな料理をして死んだ方がマシだと、この事故によりますます活男の海軍入りへの気持ちは強くなっていきます。
兵隊さんのごちそうさんになりたい
ふ久と諸岡の結婚内祝いの日に、活男は盛大な料理を振る舞うことになりました。好きな料理が思う存分出来れば活男も翻意するだろう、というめ以子の企みもあったこの料理の機会でしたが、出された料理に感涙する出征前の諸岡の姿を見て「兵隊さんのごちそうさんになりたい」と活男の決意は固まります。それを見ため以子も、ついに海軍入隊を認めざるを得ませんでした。
活男の熱意に折れため以子が親として出来ることは、なるべく活男が戦場へ行かないで済むような技術を身につけさせてやること。さっそく料理のプロである大五の協力を得て、大人数向けの大量調理の手法を活男に訓練させ、海軍で料理人としてやっていけるように鍛え上げます。
め以子の親としての愛情を受け取った活男は「ごちそうさん!」との言葉を残し、海軍へと入隊していったのでした。