【麒麟がくる】第1話を見ての感想、良かった点 とりあえず褒めてみた
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の第1話(1月20日)放送を見た感想を、良かった点を中心に挙げてみます。
あくまで個人的、主観的な感想ですので、ツッコミを入れつつお気軽にお読みください。
◎オープニングがカッコいい
ドラマ冒頭でまず好印象を持ったのが、オープニング映像、音楽のかっこよさでした。「アバター」「ファイナルファンタジーXV」などを手掛けてきた米国の音楽家・ジョン・グラムによる音楽と、重厚で壮大な映像は出色の出来。
役名やスタッフ紹介(クレジット)のフォントの無骨さが往年の黒澤映画を思わせ、エンタメ時代劇の王道を予感させます。ただし、この渋いOP映像と本編の彩度の高い派手な映像とのギャップは感じましたが…。
◎幼少期を描かなかった
「麒麟がくる」は主人公の幼少期を描かず、いきなり青年期から物語がスタートしています。これは、明智光秀の前半生がほぼ不明であるという事情によると思われます。
「大河ドラマあるある」として、幼少期を丁寧に描きすぎた結果大した事件も起こらず、物語序盤のツカミが弱くなってしまうという例があります。個人的好みもあるかと思いますが、「麒麟がくる」では初回から野盗やら武将やら生臭坊主(比叡山)やら医者やらがワチャワチャと登場して物語を駆動させており、退屈せずに見られました。
◎長谷川博己の滑舌良し 萬平さんに見える
これは朝ドラ「まんぷく」の時にも思ったのですが、主演・長谷川博己の声の通り、滑舌の良さを感じました。長谷川博己の声はドスが利かず、むしろ高く軽い声かとも思いますが、セリフが聞き取りやすく聞き心地のよい声質に感じます(重厚な大河ドラマ向きではないとも言える?)。
青年期の十兵衛はまだまだ世間知らずのお坊ちゃま(インテリ好青年)であり、武将としての苦悩を味わう前の段階。比叡山の生臭坊主たちが関所で暴力を用いて民衆から通行料を搾取する姿を横目に、十兵衛はお金を払ってしれっと通過してしまうなど、まだまだ呑気(?)なところも見られます。今後、理不尽な世の中を渡り歩く中で、若々しい十兵衛の声質、顔立ちがどう変化していくのかが注目されます。
また、十兵衛がラーメン発明家・立花萬平(まんぷく)と同一人物に見えてしまう問題が発生しましたが、萬平さんは愛されキャラだったので十兵衛にも愛着が持てそうです。
◎吉田鋼太郎の松永久秀がいい
第1話で最も輝いた人物が、堺で十兵衛と出会い呑み明かし、そっと枕元に鉄砲をプレゼントして立ち去る(しっかりと懐の金は奪う)というサンタクロースのような役割を演じた松永久秀(吉田鋼太郎)ではないでしょうか。
吉田鋼太郎は「花子とアン」「おっさんずラブ」をはじめ個性的な当たり役が続き、熱心なファンが多い俳優。名器・平蜘蛛を手に「日本初の大爆死」をする未来が待ち構えているかも知れない松永久秀を、期待通りに演じてくれました。爆死の暁にはネット上で「久秀ロス」が巻き起こりそうです。
「撮影に入ってからの緊張感はすごいです。吉田鋼太郎の“松永”と長谷川博己の“光秀”。長ゼリフの応酬もあり、過酷な状況の中で、その一瞬でしか生まれない何かを生み出そうと頑張っています」(吉田鋼太郎)#麒麟がくる pic.twitter.com/hVMhFIkVlJ
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) January 16, 2020
◎芸達者な俳優が揃う 川口春奈もいい感じ
脇役も楽しみな俳優が揃い、期待通りの演技を見せてくれました。
ひとクセありそうな叔父・明智光安役の西村まさ彦、ケチくさい成り上がりの主君・斎藤利政役の本木雅弘、クールな将軍奉公衆・三淵藤英役の谷原章介、そして沢尻エリカの代役という火中の栗を拾った、帰蝶役の川口春奈。早くも各キャラクターが存在感を見せており、今後が楽しみです。
急遽代役となった川口春奈に対しては心配の声も聞かれましたが、美少年のような跳ねっ返り娘・帰蝶役が思いのほか川口春奈のキャラクターにマッチしているように感じました。
◎全体としては今後に期待が持てそう
世間が「戦国大河」を待ち望む中でスタートした「麒麟がくる」。第1話を見た限り、今後も継続して見たいと思わせてくれる良いスタートを切ったように思います。
清廉で真面目ながらどこか鈍感(?)で飄々とした十兵衛も魅力がありますし、野盗との殺陣シーンもアクション要素、空中要素を入れつつカッコよく撮影されており、エンタメ作品としても期待が持てます。
第2週以降、重要人物である織田信長(染谷将太)、今川義元(片岡愛之助)らのキャラクター次第では、さらに面白いドラマとして加速していきそうに思います。
▼のちの「本能寺の変」を予感させるかのような、激烈な火事のシーン。
「京都の町で、火をつけられ火事になった家から光秀がウメちゃんを助けるシーンは、セットで建てられた家を本当に燃やして撮影しました。火も熱かったのですが、それよりも煙がすごくて、そういう意味では苦しそうな芝居をする必要がないくらいでした」(長谷川博己)#麒麟がくる pic.twitter.com/ZbPmG6HDbj
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) January 19, 2020
▼批判の声、今後の懸念点は?
個人的には楽しく見られた「麒麟がくる」の第1話。ネット上でも概ね好評かと思いますが、ネガティブな感想、今後を懸念する声も見られます。以下、箇条書きでざっと書き出し。
・画面の色彩が派手すぎてチカチカする
・衣装、武具が綺麗すぎる、派手すぎる
・長谷川博己はカラフルな衣装がまったく似合わない
・時代考証が…
・主人公が「平和主義者」の大河ドラマは見飽きた
・織田信長役の染谷将太が不安、なんか違う
・当時の京都=荒廃というステレオタイプなイメージはいかがなものか
・望月東庵と駒のエピソードが冗長
などなど。
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