TBS系日曜劇場「この世界の片隅に」に登場するご近所さん・堂本志野についてまとめます。
堂本志野を演じているのは、朝ドラ「べっぴんさん」にも出演した岩手県出身の女優・土村芳(つちむら・かほ)です。
堂本家のお嫁さん すず、幸子と女子仲良し三人組に
堂本志野(どうもと・しの)は、北條家のご近所・堂本家のお嫁さん。北條家に嫁いできたすず(松本穂香)は年齢が近い志野や北條家の隣の娘・刈谷幸子(伊藤沙莉)と次第に打ち解け、ワイワイガヤガヤと世間話を弾ませていきます。
周作のことが好きだった幸子がすずに対してしばしばちょっかいを出していくのに対し、「同じお嫁さん同士」の志野は集落にすずが来てくれたことが嬉しくてたまらないらしい様子。
現在、志野の夫は出征中とのことで、志野は義母・美津とともに堂本家を守っています。また、堂本家にはいつも井戸端にいる偏屈で気難しい爺さん・安次郎(塩見三省)がおり、お嫁さんの志野との関係性も気になるところです。
ちなみに、原作漫画「この世界の片隅に」にも「堂本さん」という北條家と同じ隣組の老婦人(端役)が登場していますが、ドラマ版では少し設定を膨らませて堂本志野、安次郎という人物を登場させるようです。
昭和顔女優?土村芳 インターハイ出場も
堂本志野を演じているのは、ヒラタオフィスに所属する27歳の女優・土村芳(つちむら・かほ)です。一部ではその落ち着いた顔立ちから「昭和顔女優」などと言われています。
岩手県盛岡市に生まれた土村芳は、3歳の頃から地元の子供劇団に所属し、早くから演劇の世界に触れています。また、小学生の頃に始めた新体操にものめり込み、高校にスポーツ推薦で進学。インターハイに出場するなど目覚ましい活躍を見せています。
京都造形芸術大学では先輩・黒木華に刺激を受ける
高校卒業後は、地元を飛び出して京都造形芸術大学映画学科俳優コースに進学。本格的に芝居の道を志すことになります。
当時の京都造形芸術大学の同コースには一学年上に女優・黒木華も在籍しており、土村芳は良い環境で大きな刺激を受けながら学生時代を過ごしています。
朝ドラ「べっぴんさん」に大抜擢
大学卒業後、「ヒラタオフィス」に所属し舞台、映画作品、ドラマなどに出演していた土村芳にやがて大きな転機が訪れます。
NHK朝ドラ「べっぴんさん」(2016年)の最終オーディションに残ると、ヒロインの親友・村田君枝役に大抜擢。ドラマの序盤から終盤までほぼ半年間継続的にレギュラー出演をし、女優としての可能性を大きく開いています。
「恋がヘタでも生きてます」「GO!GO!フィルムタウン」
翌2017年には読売テレビドラマ「恋がヘタでも生きてます」で民放連続ドラマ初出演(それまでも単発出演はあった)、同年のBSプレミアムドラマ(北九州発地域ドラマ)「GO!GO!フィルムタウン」ではテレビドラマ初の主演を果たすなど、着実に女優としての存在感を増していっています。
先輩女優の黒木華が「昭和顔」(もちろんいい意味ですよ)を武器に女優として唯一無二の存在感、居場所を獲得していったように、土村芳もまた、若い女優には珍しく柔らかな雰囲気、落ち着きを持っており、安定感のある「昭和テイスト」が武器といえます。
今回の堂本志野役も「べっぴんさん」で演じた村田君枝役と同じく、温和で周囲に落ち着きを与える癒し系キャラクターになりそう。厳しい戦争の時代を健気に生きた、どこにでもいたであろう日本女性を好演してくれそうです。
▼2018年公開の映画「去年の冬、きみと別れ」にも出演。