NHK連続テレビ小説「マッサン」第6週より。
ウイスキーづくりの夢が実現できないことが確定し、ついにお世話になった住吉酒造を退社したマッサン。とはいえ、次の行く当てがあるわけではなく、マッサンはしばらくの間「浪人生活」をおくることになります。
「人生はアドベンチャー!」と豪語し、先の見えない生活にも不安を見せなかったエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)でしたが、迷走するマッサンの卑小な「男のプライド」を前にして、少々困惑の日々が続きます。
長続きしない仕事 お金がない…!
マッサンはいくつかの仕事を始めて見るのですが、酒造り一筋に生きてきた男にとって、どれも長続きするようなものではありませんでした。ついには家の米櫃からお米が無くなり、家賃の支払いも滞り…。
そんな亀山家の様子を心配してキャサリン(濱田マリ)や梅子(飯島順子=近所の太ったおばさん)らが世話を焼いてくるのですが、それがマッサンの「男のプライド」をくすぐります。
「大丈夫ですからほっといてくんさい」。
そう言って近所の人々を追い返すマッサン。しかし、一向にマッサンは新しい仕事に就く気配がありません。しびれをきらせて自分が働く!と訴えかけるエリーに対しても、女は家のことだけやっていればいい!として受け付けません。
エリーも仕事を探す
エリーはそれでも内職をしてみたり、キャサリンに誘われた教会で歌声教室を手伝ったり、看護の仕事を探してみたり(エリーの父は医者だった)。家計を支えるために必死にもがくのですが、そんなエリーの行動も、「男が稼ぐべき」と考えるマッサンにとっては気に食わないものでした。
結局マッサンは行きつけの食堂「こいのぼり」に臨時で雇われることになるのですが、それだけでは到底お金が足りず…。
竹鶴政孝・リタ夫妻の浪人時代 教師をして稼ぐ
ドラマではすっかり「ダメ男」に描かれているマッサン。史実のモデル・竹鶴政孝とリタも、経営難の摂津酒造(住吉酒造のモデル)を退社して寿屋(現・サントリー。鴨居商店のモデル)に雇われるまで、しばしの浪人生活を送っています。
当時、竹鶴はリタのツテにより大阪・阿倍野の桃山中学で化学教師として働いていました。この桃山中学は英国伝道協会によって設立された学校で、リタが校長ローリングの夫人と仲良くなったことから巡って来た仕事でした。
一方、リタは自宅近くの帝塚山学院で英語、ピアノの教師として働き、他にも英語やピアノの家庭教師をして、家計を支えていました。
この浪人期間は、金銭的には恵まれない日々でしたが、将来の「夢」を描いていた若い二人にとっては何とも楽しい「モラトリアム期間」だったのでしょう。
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