2018年9月からNHK総合テレビで放送される土曜時代ドラマ「赤ひげ」の、主要登場人物、キャスト(出演者)をまとめます。
後に朝ドラで活躍する若手俳優・中村蒼(エール)や前田公輝(ちむどんどん)らも主要キャストとして出演するなど、実力派俳優が揃った名作ドラマです。
「小石川養生所」医療関係者
赤ひげ・新出去定(船越英一郎)
幕府が作った無料の医療所「小石川養生所」の責任者。名前の読み方は「にいで・きょじょう」。
無骨でぶっきらぼうなところがあり、時に怒りのあまり大声で喚き散らすなど、理不尽な人物と誤解されがちだが、心の内に確かな優しさを秘めている医師。貧しい者には無償で治療を施し、金持ちには薬を高く売りつける、清濁併せ持った人間臭い男。
病に苦しむ貧しい人たちのため、優秀で気骨のある医師を求めている。薬品の影響で茶色く見える「赤ひげ」がトレードマーク。
・NHKドラマ「赤ひげ」新出去定 モデルは実在の医師・小川笙船
医師・保本登(中村蒼)
長崎で3年間オランダ医学を学び、幕府の「御番医」になるという希望を持って江戸へと帰ってきたエリート青年医師。とはいえ、手術現場で失神してしまうなど、医者としてはまだまだ知識が先行している状態。
3年の遊学の間に婚約者・ちぐさが他の男と駆け落ちをしてしまい、さらには「御番医」になるという約束を反故にされ場末の粗末な「小石川養生所」に行くように命じられるなど、散々な目にあって不貞腐れている。
当初は赤ひげに反発を覚え、早く養生所から脱出したいと目論んでいたが、次第に信念を持って医療に携わる赤ひげの姿に惹かれていく。
医師・森半太夫(古舘佑太郎)
「小石川養生所」で働く、丸メガネの青年医師。父の反対を押し切って医者となった。赤ひげに心酔しており、赤ひげの傍らで日夜医術を学んでいる努力家。
誠実で真面目な男だが、少々堅物で面白みにかけるところがあり、交渉ごとなどは苦手。女性の気持ちも読めない。
医師・津川玄三(前田公輝)
赤ひげを「暴君」と表現し、給金が安いことをぼやくなど、養生所に対して不満を持っていた医師。保本が小石川養生所にやってきたことで入れ替わりで出て行くが、すぐに戻ってきてしまう。
面倒くさがりでウワサ話が大好き。少々軽いところもあるが、病人を救いたいと心の内では思っているらしい。医術に関しては赤ひげからそれほど評価を得ていないようだが、もめ事の際に上手く立ち回るスキルがあり、その面では認められている。
養生所の使用人、世話人など
おゆみの世話人・お杉(大後寿々花)
貧しい家から大店・伊勢屋に奉公に出されている娘。気うつ症で養生所内の座敷牢に入れられている伊勢屋の娘・おゆみの世話を伊勢屋の主から任されている。
幼い頃から分け隔てなく接してくれたお嬢様・おゆみに恩義を感じており、献身的におゆみの世話をしている。その健気で凛とした姿が、周囲の人々を勇気付けることに。悩み多き保本にとっても良き話し相手となる。
使用人・お常(山野海)
養生所の使用人。明るくおしゃべりで、養生所内のムードメーカ的なおばさん。
不貞腐れて仕事をしようとしない保本に対し「クソの役にも立ちやしない!」と吐き捨てるなど厳しい言葉も使うが、裏表のないあっけらんとした性格の持ち主。保本のもとにまさをが訪ねてくるのをワイドショー的感覚で楽しんでいる。
使用人・お光(久保田磨希)
無口で無表情な、養生所の使用人。
お常やお雪がウワサ話で盛り上がる中、たんたんと仕事をこなすなどなかなか表立って感情を見せないが、実は情が深いらしい。保本がお仕着せを着るかどうかの賭け事に参加するなど、なんだかんだ使用人生活を楽しんでいる。
使用人・お雪(真凛)
養生所の若手使用人。
ウワサ話が大好きで、保本とまさをの会話を盗み聞きするなど情報収拾に余念がない。茶目っ気があるお年頃の女の子で、イケメンが大好き。女心をまったく読めない森に対してしばしば怒りを見せる。
使用人・竹造(前原実)
保本が養生所にやってきた際に、門の前で最初に出迎えることになる強面の使用人。赤ひげの通い治療に同行する。
無口で何を考えているのかわからないところがあるが、たまに笑う。雨が近づくと井戸の水で顔を洗う。
天野家の人々
医師・天野源伯(麿赤兒)
公儀表御番医で、安本の婚約者だったちぐさの父。ちぐさが他の男と駆け落ちしてしまったことを恥じており、ちぐさを勘当している。赤ひげとは旧知の仲。
保本は、自分が小石川養生所に送られたのは源伯の画策によるものだと疑っている。
長女・天野ちぐさ(MAYUMI)
天野源伯の長女で、才色兼備の女性。安本の婚約者だった。
安本が三年間の遊学に出ている間に他の男と駆け落ちをしてしまい、天野家からは勘当されている。保本はちぐさの裏切りが許せずにおり…。
次女・天野まさを(奈緒)
天野源伯の次女で、ちぐさの妹。利発でハキハキとしたちぐさとは対照的に、おっとりと思慮深い女性。
姉の勘当を解く手助けを願い出るために、保本の前に姿を現す。今後、保本と親密になっていくか可能性が…?
第1回ゲスト出演者
入所患者・おゆみ(宮澤美保)
大店・伊勢屋の美しいお嬢様。気うつ症により養生所内の座敷牢に閉じ込められている。
津川玄三によれば、おゆみは店の男を立て続けに誘惑しては襲い、二人を殺してしまったという。しかし世話人のお杉はこれを「いい加減な話」だとしてかばい…。
※宮澤美保は現在「ホーチャンミ」という名前で芸能活動を行っています。
おゆみの父・伊勢屋(林与一)
おゆみの父で、大店・伊勢屋の主人。金にモノを言わせて養生所内に座敷牢を建設し、扱いが難しい娘のおゆみを閉じ込めている。おゆみの世話はお杉に任せっきり。
第2回ゲスト出演者
おくに(田畑智子)
長屋に住む、三人の子供を持つ女性。盗みをはたらいた夫・富三郎を更生させようと奉行所に訴え出るが、逆に「不届き者」とされて収監されてしまう。夫・富三郎との結婚は実母がすすめたものだが、そこには深い闇があり…。
喜助=六助(山本學)
養生所に運び込まれ、「喜助」と呼ばれている素性のわからない老人。すい臓がんを患っている。もとは蒔絵師だったらしく、赤ひげが止めても蒔絵の仕事をしようとする職人気質を持つ。
松造(松田洋治)
おくにたちが住む長屋の大家。おくにから富三郎の盗みの件を相談されると、良かれと思って奉行所へ行くようにすすめるが…。
金兵衛(村松利史)
小石川伝通院裏の宿屋「柏屋」の主人。松造から「六助」という男が泊まっているだろうと問い詰められ、頑なに否定する。何かを隠しているような…。
第3回ゲスト出演者
佐八(鶴見辰吾)
長屋に住む大工で、労咳を患った病人。誰に頼まれたわけでもないのに長屋の修理をするなど周囲の人々のために働き、仏様のようだと言われている。恋女房・おなかを火事で失って以来、人が変わったように人助けを繰り返しているが、そこには悲しい理由が…。
おなか(宮本真希)
佐八の妻。佐八から何度も口説かれた末に結婚をした。二人は幸せな結婚生活を送っていたが、大火事の日におなかの行方が分からなくなってしまう。佐八は、おなかが死んだものと考えて諦めている。
松吉(おかやまはじめ)
佐八が住むムジナ長屋の住人で大工仲間。佐八がおなかと結婚するまでを身近で見ており、保本らにその経緯を語る。佐八に恩を感じており、佐八の病気がいよいよ危ないとなると養生所へと医者を呼びに来る。
梅造(吉満寛人)
佐八が住むムジナ長屋の住人。松吉とともに、佐八とおなかの恋物語を知る人物。
平吉(神戸浩)
佐八を見舞いに来る長屋の酔いどれ。九つの頃から酒を切らしたことがない。女房子供を食わせていく心配があって呑んだくれているというが、赤ひげはその酔っ払いぶりに呆れ気味。
第4回ゲスト出演者
藤吉(駿河太郎)
腕利きの大工で、猪之助の兄貴分。早くに母を亡くして自分に甘えてくる猪之助を本当の弟のように可愛がってきた。猪之助のためを思い女性との仲を取り持つなど世話を焼き続けるが…。
猪之助(木村了)
藤吉を兄のように慕う腕利きの大工。いつの頃からか、女を好きになっては飽きて捨ててしまうという行動を繰り返すようになり、ついには仕事が手につかなくなってしまう。治療のために養生所へ預けられているが、本人は病気ではないと主張する。
おちよ(友利恵)
藤吉の妻。藤吉を愛しているらしく、何かと人騒がせな猪之助にかかりっきりの藤吉を支えているが…。
第5回ゲスト出演者
八重(丘みつ子)
保本の母。痛風が痛んで寝込みがちで、最近は天野まさをが世話をしに来ている。保本が不本意ながら小石川療養所に送られたことに心を痛めていた。第6回、最終回にも登場。
栄二(小柳友)
「みくみ町」の岡場所(非公認の私娼屋が集まった遊郭)で使いっ走りとして働かされている青年。ある人物に頼まれて街中で赤ひげに因縁をつけて襲うことになるが、それには理由があり…。
おとよ(大出菜々子)
「みくみ町」の私娼屋「かめや」で働く15歳の女の子。貧困を極めた末に親戚である女将・お勝に拾われた経緯もあり、女将にいいように使われてしまっている。
お勝(栗田よう子)
岡場所で「かめや」という私娼屋を経営する横柄な女将。病気が蔓延していると疑ってやって来た赤ひげらを追い返すなど、何かを隠している様子。
石庵(団時朗)
「みくみ町」で医療に携わっているとされる医者で、赤ひげとは旧知の仲。石庵が居るにも関わらず、「みくみ町」では病気が蔓延、放置されているようだが…。
和泉屋徳兵衛(大谷亮介)
裕福な商家の旦那。体調を崩した娘を赤ひげに診てもらう。快方に向かった後に治療費の50両を払うのが惜しくなり、医者は本当に病気を治しているのか、治癒は神仏のおかげではないのかなどと嫌味を言う。
第6回ゲスト出演者
おふみ(星野真里)
十兵衛の妻で、四人の子供を抱えて極貧生活を送っている。一家の苦しみを抱え込み、絶望をしている。
十兵衛(荒井志郎)
おふみの夫。昔、薬種問屋に奉公中に頭を強く打ち大した治療も受けなかったことで、前触れもなく我を失い物事の判断がつかなくなるという発作持ちに。一家の大黒柱として稼ぐことが出来ずにいる。
長次(二宮慶多)
おふみ、十兵衛の長男。伊豆守のお屋敷の外で銀杏拾いをして家計を支えている。お腹をすかせている母を気遣い、自分のなけなしのご飯を譲るなど、母思いの優しい少年。保本に銀杏を食べさせる約束をしている。
おきぬ(青山倫子)
十兵衛一家が住む長屋の住人。千住の女郎屋を勤め上げ、客だった男にくっついて長屋へとやってきた。男の目を盗んでは別の男を部屋に引き入れ、長屋の亭主連中にも色目を使うなど長屋界隈を混乱に陥れている。他人が不幸になるのを見ると胸がすく思いがするらしい。
おたつ(濱田万葉)
長屋の大家。長屋の秩序を乱し続けるおきぬに対し激しく怒っている。
第7回ゲスト出演者
角三(内田朝陽)
長屋でようやく一膳飯屋を開いたものの、突然大家(松次郎)から立ち退きを求められてしまう。店賃を一切とらないという先代の大家・与七の時代からの約束を反故にされ、激怒して大家を襲ってしまう。幼少期には父がいつも大工仕事で遠方へと出ていたため、寂しい思いをしたらしい。
高田屋松次郎(石垣佑磨)
与七の一人息子で、現在は長屋を引き継いで大家をやっている「若旦那」。父が作った財産をもっと大きくしようと考え、先代から続く店賃免除の約束を破棄。古くからの住人を追い出して「新地」を作ろうと考えているが…。
多助(綾田俊樹)
角三の父で元大工。先代・与七の時代に店賃をタダにしてもらった経緯を知っている唯一の人物だが、痴呆が進んで昔のことを覚えていない。思い出そうとして唯一頭に浮かんだのが、「おくめごろし…」という単語だった。
おたね(入来茉里)
角三の妻。義父・多助を甲斐甲斐しく世話する。夫と苦労してようやく開店させた一膳長屋を、松次郎の身勝手な言い分により潰されそうになり、悲嘆している。
住職(六平直政)
お杉の助言により、森が「おくめごろし」の秘密を聞きに行くことになる住職。「おくめ殺しの井戸」について教えてくれるが、核心部分については「よーく考えることだな、わっはっは」と教えてくれない。
高田屋与七(佐藤銀平)
松次郎の父で長屋の大家をしていたが、既に亡くなっている。遠い昔に長屋の店子たちとの間で店賃をタダにする約束を交わしたが、なぜかその理由を与七以外誰も知らない。
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