NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第23話「半兵衛の遺言」の予告スポットで、織田信長(江口洋介)はこう言い放ちます。
「半兵衛め!死してなお、この信長を手玉にとったな!」
竹中半兵衛は最後の置き土産に一体何をしでかしてしまったのか?信長は怒っているのか?…についての記事です。
竹中半兵衛の素晴らしい置き土産
第22話において、平井山秀吉本陣で肺の病気により死去した竹中半兵衛(谷原章介)。その死は羽柴秀吉(竹中直人)や、有岡城牢獄からようやく脱出した黒田官兵衛(岡田准一)らを大いに悲しませます。
織田信長にとっても半兵衛を失ったことは大きな痛手でしたが、半兵衛は織田信長に素晴らしい置き土産を残し、この世を去っていきました。
▲竹中半兵衛肖像画。禅幢寺所蔵。(画像はWikipediaより転載)
松寿丸の処刑命令に深く後悔する信長
官兵衛が寝返ったのではなく有岡城に囚われていたことを知った信長は、人質として預かっていた官兵衛の嫡男・松寿丸(若山耀人)殺害の命を出したことを「後悔の至り」「官兵衛に合わせる顔が無い」として大変に後悔します。
しかし、半兵衛が美濃・菩提山に松寿丸を匿っていたことを知ると、信長は半兵衛の機転に深く感謝します。冒頭の「半兵衛め!死してなお、この信長を手玉にとったな」はこれを受けての信長のセリフだと思われます。
半兵衛の機転で事態を丸く収めた
しかも、半兵衛は松寿丸を匿ったことを秀吉にも知らせず「信長の命に背いたのは自分のみ」という状況を仕立て上げていました。もう先は長くない半兵衛が全ての責任を一人で背負ってあの世へ旅立つ、という粋な計らいでもありました。
(※とはいえ、「松寿丸の首」だとして差し出された「偽の首」が存在したわけで、どこから調達して来たのか等、その辺りは触れてはいけないのかな…笑?)
自らの軍配を官兵衛に託す
半兵衛はもう一つ、大きな置き土産を残していきました。半兵衛は長年使って来た自らの軍配を松寿丸に託し、「おぬしの手で父上に渡すのだ わしの最後の頼みだ」と伝えます。半兵衛亡き後、その跡を継ぐのは官兵衛しか居ない、という半兵衛の考えを軍配に託したのです。
半兵衛の最後の意志は官兵衛にも伝わり、官兵衛は軍師としてさらなる飛躍を遂げます。幽閉後の官兵衛は鬼気迫る軍師となり、秀吉、信長の天下取りに貢献していくことになります。
恩を忘れなかった松寿丸
半兵衛によって助けられた松寿丸は、後年まで半兵衛に対する恩義を大切に守りました。
松寿丸(のちの黒田長政)はこの時の恩を忘れず、後に筑前(福岡県)の大名になると、半兵衛の次男・竹中主善を貰い受け、大切に養育したと伝えられます。