2015年放送の日本テレビ系ドラマ・実写版「ど根性ガエル」は、原作で描かれた時代から「16年後」という設定。かつては中学生だったひろしらも「アラサー」となり、時の流れを感じるストーリーになっています。
この記事では、第一回放送で描かれた「16年の時の流れ」についてまとめます。ドラマ版で付け加えられたこれらの新たな「設定」をおさえておけば、初回を見逃しても話は大筋理解できると思います。
ひろし(松山ケンイチ)、30歳、無職
「ど根性ガエル」原作漫画は、1970年代に週刊少年ジャンプで連載されていました。主人公ひろしは当時中学2年生。
ドラマでは16年の時が流れ、ひろしは30歳になっています。背景に「東京スカイツリー」が描かれていることからも、ドラマの時代設定は現在(平成)と考えていいでしょう。ひろしはコミュニケーション能力に長け、相変わらず明るい性格なのですが、不況のアオリを受けて(本人の問題もあり?)無職になっています。
ピョン吉(満島ひかり)、死の予感
あれから16年が経ち、ピョン吉にも経年劣化の恐怖が襲いかかります。
ひろしに踏みつぶされて「平面ガエル」となったピョン吉。持ち前の「ど根性」によって力強く生き延びてきましたが、さすがに16年間着用・洗濯をされ続けただけあって、たびたびTシャツから剥がれ落ちそうになっています。
ピョン吉も自身の「肉体的劣化」に気が付いており、死期が近いことをうすうす感じる日々。第一回放送のエンディングでは、ピョン吉がシャツから剥がれて消失した場面が描かれており、ピョン吉の行く末を暗示していました。
京子ちゃん(前田敦子)、バツイチ
29歳になったヒロイン、京子ちゃん。結婚して一度は町を出たものの、離婚して「出戻り」をしています。かつては「裕福な家の娘」だった京子ちゃんですが、ドラマでは両親が亡くなったことが示唆され、現在は祖母と二人で質素なマンション暮らし。
活発でオテンバだったイメージのある京子ちゃんですが、さすがに人生経験を積んだのか、時折寂しげで物悲しい表情を見せ、「影」を感じさせます。
梅さん(光石研)、中年に
原作では30歳前後で若手寿司職人だった梅さん。ドラマでは52歳になり、相変わらず独り身のまま、ヨシ子先生に恋をしています。
自転車で町をブラブラし、梯子でヨシ子先生の授業を眺める生活はあの頃と変わりませんが、どことなく背中には中年の悲哀も。
ゴリライモ(新井浩文)、青年実業家に
一学年上のガキ大将であり、ひろしのライバルとして君臨していたゴリライモ。ドラマでは31歳になり、「ゴリラパン」の社長として成功。さらには区長選挙に立候補するなど、着々と出世街道を歩み始めています。
第一回放送では、ひろしの母ちゃんが「ゴリラパン」の製造工場に雇われており、ひろしは工場敷地に入りたがらない、という妙に生々しいシーンもありました。
町田先生(でんでん)、「教師生活41年」に
「教師生活25年」が口癖だった町田先生。16年の時を経て校長に出世し、口癖も「教師生活41年」に変わっています。
かつては「壮年ベテラン教師」といった存在だった町田先生ですが、さすがに定年間近であり、老いは隠せません。