NHK連続テレビ小説「あんぱん」第103回にテレビ番組「まんが教室」の司会者として登場した落語家・立川談楽(たてかわ・だんらく)。
立川談楽役を演じた落語家・立川談慶(たてかわ・だんけい)は、やなせたかしとともに「まんが学校」というNHKの子供向け番組に出演していた伝説の落語家・七代目立川談志の弟子にあたります。
NHK番組「まんが教室」司会・立川談楽 モデルは七代目立川談志

NHKで働く親友・辛島健太郎(高橋文哉)からのオファーにより、「まんが教室」という子供向けのバラエティ番組にレギュラー出演することになった柳井嵩(北村匠海)。
慣れないテレビ出演に戸惑いを見せる嵩でしたが、相棒となる司会者・立川談楽(立川談慶)の軽妙な司会ぶりに引っ張られる形で番組に馴染んでいき、次第に「まんが先生」として子どもたちの人気者になっていきます。
嵩が出演する「まんが教室」はドラマ内のフィクションの番組ですが、嵩のモデルである漫画家・やなせたかしが実際に出演したNHKの児童向け番組「まんが学校」(1964年〜1967年)がモデルになっています。
この「まんが学校」で司会者としてやなせたかしと共演していたのが、伝説の落語家・七代目立川談志(たてかわ・だんし)であり、「あんぱん」に登場した立川談楽なる落語家は七代目立川談志をモデルにしたキャラクターと考えられます。

演じた落語家・立川談慶は立川談志の直弟子 「本格派(本書く派)落語家」
▼著述家としても知られる立川談慶。師匠の七代目立川談志に関する著書も多数。


「あんぱん」に登場した落語家・立川談楽を演じたのは、長野県上田市出身の59歳の落語家・立川談慶(たてかわ・だんけい)です。
立川談慶の師匠は七代目立川談志であり、師匠のかつての活躍ぶりをモチーフにした落語家役を自らが演じたということになります。
立川談慶は、慶應義塾大学経済学部経済学時代に落語研究会に所属していたものの、卒業後は大手企業である「ワコール」に就職し営業マンとして働いていた(福岡支社に配属)という経歴を持つ落語家です。
その後、夢である落語家を諦めきれずに本気で志すようになると、その足がかりとして1990年に吉本興行福岡1期生オーデションに合格し、芸人活動を開始。
「ワコール青木」という芸名で、吉本福岡の同期だったカンニング竹山、博多華丸・大吉らから刺激を受けつつ、サラリーマンと芸人という二足の草鞋を履く生活をしています。
翌1991年にはワコールを退社し、吉本興業も退所。立川流Aコースに入門して前座名「立川ワコール」を名乗ると、2000年には二つ目に昇進。師匠の立川談志の命名により「立川談慶」に改名し、2005年には真打に昇進しています。慶応大学出身者としては初の真打昇進だったそうです。
立川談慶といえば、「本格派(本書く派)落語家」と自ら名乗り、多くの著作を出版し続けている著述家としても知られます。
「大事なことは立川談志(ししょう)に教わった」「この一冊で仕事術が面白いほど身につく落語力」「人生、オチがよければすべてよし!」「教養としての落語 -ビジネスエリートがなぜか身につけている」「天才論 立川談志の凄み」などなど、立川談志の弟子でありサラリーマンを経験した落語家である立川談慶ならではの経験と文才を活かした落語論、ビジネス論が好評です。
これまでテレビ出演は決して多くはなく、ドラマは「あんぱん」が初出演。今後、俳優業としての活躍が増えていくかもしれません。