NHK大河ドラマ「花燃ゆ」第7話より。
吉田寅次郎(松蔭)が「夢のお告げ」により得た「二十一回猛士」という言葉。松蔭はこれを自身への啓示と受け止め、「号」として使用するようになります。「花燃ゆ」でも描かれるこのエピソードを、補足を交えてまとめます。
獄中で見た「二十一回猛士」の夢
「二十一回猛士」は、寅次郎が野山獄に入獄していた当時に見た夢が発端との説があります。
夢の中に「二十一回猛士」の札を持った神が現われたという逸話、それに「花燃ゆ」で描かれるようにまばゆい光が「二十一」という文字になって手の平に舞い降りたという夢…。
どれが本当なのかはわかりませんが、寅次郎は夢から目覚めた後にこのナゾの「メッセージ」の謎解きを行い、自分なりにこの文字列に意味を見出しています。
「二十一」のナゾ掛け
それによれば、
自身の生家の姓である「杉」を分解すると、左から「十」「八」「三」。これらを足すと、合計で「二十一」になります。
さらに、現在の姓である「吉田」も分解してみると左から、
「十」「一」「ロ」「ロ」「十」となり、「ロ」をゼロと考えれば、これまた足して「二十一」になります。「これは偶然ではない!」「二十一は自分の数字だ」と寅次郎は考えたのでしょう。
「猛士」の由来 寅=猛
続く「猛士」という言葉ですが、こちらも「連想ゲーム」のような由来によって導き出されたようです。自身の寅次郎という愛称から、寅=虎=猛獣であり、猛獣が暴れ回る姿を自身の行く末に重ねたのでしょう。
寅次郎は前述した二十一という数字と自らの名前から沸き出した「猛士」という言葉を合わせ、自分は人生のうちで二十一回「猛」を奮うとの予感と決意を込め、自らの号を「二十一回猛士」と定め、これを用いるようになります。
すでに三回「猛」を奮っている!
寅次郎は「花燃ゆ」第7話の時点で、すでに①脱藩する②藩主に意見書を送り楯突く③密航を企てる、という三つの「猛」を奮っていますので、残るは十八猛。
野山獄を出獄した寅次郎は「すでに(猛)三つをなしたから、残るは十八回じゃ!」と血気盛んに意気込みます。それを聞いた兄・梅太郎(原田泰造)には「あと十八回とは、勘弁願いたい」と苦笑されてしまいますが、寅次郎の猪突猛進ぶりは野山獄時代を経ても変わらないようです。
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