NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」に登場する電化製品メーカー「アカバネ電器製造」。古田新太が演じる叩き上げ社長・赤羽根憲宗役が経営する同社についてまとめます。
「アカバネ電器製造」が関わる一連のストーリーは、「暮しの手帖」の名物企画「商品テスト」がモチーフになっていると思われます。
自社製品の低評価に激怒
戦後、赤羽根憲宗(古田新太)によって立ち上げられた電化製品メーカー「アカバネ電器製造」。事業を拡大することが生き甲斐の叩き上げ社長・赤羽根のもと、従業員250人を抱えるまでに成長した勢いのある企業です。
「アカバネ電器製造」が常子らと関わることになるのは、「あなたの暮し」の名物企画に成長した “商品試験” 絡み。赤羽根は、「あなたの暮し」において自社製品(アイロン・電気釜)の評価が低かったこと、裏金を受け取らなかったことに憤慨し(※アカバネ電器製造は製品を安価に売ることを第一と考える社風)、甥っ子で社員の酒井秀樹(矢野聖人)を使い、常子たちに嫌がらせを仕掛けてきます。
どうやら、あなたの暮し出版に対し投石を行なうなどかなり過激な内容の嫌がらせとなりそうです。
アカバネのモデルは存在する?
この一連のストーリーは、「あなたの暮し」のモデル雑誌である「暮しの手帖」の名物企画「商品テスト」がモチーフになっています。
「商品テスト」はソックス、電球、フライパンなどの日用品から洗濯機、石油ストーブといった家電製品まで、テーマごとに各社の製品を長期に渡り徹底的にテストし、誌上で公平な評価をレポートするというもの。企業からの広告掲載や商品提供などを一切受けず、公正なテストを続けたことで読者からは大きな信頼を獲得しました。
一方でその影響力の大きさから、低い評価を受けた製品は売り上げが落ち込み、メーカー側から「商売の邪魔をするな!」といった怒りの声も寄せられたとされます。
「アカバネ電器製造」は実在の企業ではなく、暮しの手帖社が「商品テスト」の企画を進めて行く中で生じた諸企業との間の軋轢をモチーフにして、ドラマオリジナルのフィクションの団体として創作されています。
アカバネ電器製造・登場人物
・古田新太=アカバネ電器製造社長・赤羽根憲宗役
従業員250人の電化製品メーカー「アカバネ電器製造」のたたき上げ社長・赤羽根憲宗役。安価で製品を提供することを第一と考える。「あなたの暮し」の誌上で自社製品の評価が低かったことに激怒する。
古田新太といえば、朝ドラ「あまちゃん」で「太巻」こと荒巻太一を演じたことが記憶に新しい。
・野間口徹=赤羽根の部下・村山健太郎役
叩き上げの社長・赤羽根の下で働く部下で、技術、営業部門を統括する。社の立ち上げから赤羽根に従う側近。
野間口徹は、朝ドラ「ゲゲゲの女房」「おひさま」「梅ちゃん先生」「あまちゃん」などに出演。脇役としてお馴染みの顔。
・矢野聖人=赤羽根のおい・酒井秀樹役
アカバネ電器製造社長・赤羽根憲宗の甥っ子であり、部下の酒井秀樹役。赤羽根社長からの指示で、「あなたの暮し」に嫌がらせをしてくる。
矢野聖人(やの・まさと)は朝ドラ初出演。フジテレビドラマ「リーガルハイ」や映画「エイプリスフールズ」「最後の命」などで話題になった24歳の俳優。蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」主演オーディションでグランプリを受賞。