NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」に登場する出版社「甲東出版」についてまとめます。
「甲東出版」は常子(高畑充希)が「鳥巣商事」を退社後、二番目に就職する会社で、第11週(6月13日~)の後半あたりから登場します。
給仕・坂田の置き土産
最初の就職先である商社「鳥巣商事」に勤務すること三年余り。仕事にも慣れ、周囲からの信頼も得ていた常子でしたが、とあるトラブルにより会社を解雇されてしまいます。
お世話になった仕出し屋・森田屋の高崎移転も決まり(小橋一家は青柳に戻る)、危機感を持って職探しに奔走する常子でしたが、戦争不況のご時世、なかなか雇ってもらえません。
そんな常子の目に飛び込んで来たのが、「鳥巣商事」の優しい給仕・坂田(斉藤暁)が退職時にくれたキャラメルの包み紙(新聞紙)でした。そこには求人広告が載せられており「事務員急募 男女問わず 甲東出版 二十五円(※)」の文字が。常子は猪突猛進、すぐに甲東出版を訪ねます。※「鳥巣商事」のタイピスト職は月給四十円でした。
甲東出版はどんな会社?
甲東出版は「文芸誌」を扱う出版社。求人を出して雇ってもすぐに辞めてしまう事態が続き猫の手も借りたい忙しさですが、社長・谷誠治(山口智充)、編集部員の五反田一郎(及川光博)らが中心となり、男女が対等に働く自由な気風を持ちます。
「事務員」の名目だったはずの常子も、早い段階で編集会議に駆り出され企画について意見を求められるなど編集部員としての仕事を与えられ、ここで出版業のイロハを学んでいくことになります。
内務省宣伝部所属・花山伊佐次との出会い
この「甲東出版」で運命の仕事である出版業と出会う常子ですが、ここでもう一つ、運命の出会いを果たすことになります。
常子は自らが提案した新しい雑誌企画が採用されると、「内務省宣伝部」に挿絵原稿の依頼に行くように命じられるのですが、そこで待っていたのが偏屈で気難しい花山伊佐次(唐沢寿明)でした。
少々面倒くさい性格ながらも素晴らしい挿絵、文章を書く花山伊佐次は、後に起業する常子にとってかけがえのない仕事のパートナーになっていきます(それは少し先のお話)。
次の記事「【とと姉ちゃん】「甲東出版」モデルは「日本読書新聞社」か ドラマとの相違点も」では、甲東出版のモデルとなっていると考えられる「日本読書新聞社」についてまとめます。