NHKドラマ10「透明のゆりかご」第2話の撮影ロケ地として画面に登場する、神奈川県横浜市の「大口1番街」についてまとめます。
「大口1番街」は昭和の風情が残り、なぜか浦島太郎伝説がささやかれる、味わい深い商店街です。
小田原市がロケ地の中心
ドラマ版「透明のゆりかご」は、「海辺の町の小さな産婦人科」を舞台にした物語です。
屋外での撮影は神奈川県小田原市内などを中心に行われており、ヒロイン・アオイ(清原果耶)が働くことになる「由比産婦人科」も、小田原市にある「前羽福祉館」がロケ地になっています。
・NHKドラマ10「透明なゆりかご」由比産婦人科 撮影ロケ地は小田原市・前羽福祉館
横浜の「大口1番街」も登場
第2話では、神奈川県横浜市神奈川区七島町付近の商店街「大口1番街」もロケ地として登場しています。
病気を持ちながら出産を決意した妊婦・菊田(平岩紙)の決意を聞いたアオイが医院を飛び出し、赤ちゃんを捨てた女子高生・千絵(蒔田彩珠)に自転車で会いに行く道中で、大口1番街の風景が登場しています。
「大口1番街」は、海にも程近い京急本線「子安駅」からJR横浜線「大口駅」方面へと伸びる、緩やかなカーブが心地よい商店街です(「大口1番街」は国道一号線にぶつかる所までで、その先は「大口通商店街」というらしい)。
浦島太郎がここで何かをしたらしい
僕もこの商店街は何度か歩いたことがありますが、横浜港をイメージしたというスカイブルーのアーケードが可愛らしいし、商店街の入り口付近にある「相應寺」(子安厄除子育地蔵で有名)の境内ではネコたちがゴロゴロとひなたぼっこをしているし、何だかピースフルな場所です。※少し先にはあの「大口病院(現・横浜はじめ病院)」がありますが…。
また、「大口1番街」の商店街にはなぜか「数々の浦島太郎伝説」が残されており、商店街の中程には「浦島太郎が足を洗ったと伝えられる足洗川(あしあらいがわ)の碑」という謎すぎるスポットも存在します。浦島太郎って浜っ子でしたっけ…。
▼ヒロイン・アオイは泣きながら(?)全力でママチャリを漕ぎ、この「大口1番街」を大口駅方面へと疾走していきます。
昭和天皇の行幸地
「商連かながわ」によるサイト「商店街に行こう!in 神奈川」から、大口1番街の来歴を引用してみます。
横浜大空襲の焼け跡からいち早く復興した商店街で、昭和21年2月全国最初の巡幸地として昭和天皇が訪れた。元々子安浜、漁師町の御用達として生鮮三品、生活雑貨の店が多く営業しておりましたが、次第にサービス、医療、飲食等物販以外の業種の店に変化しつつあります。
うーん、いいじゃないいか、いいじゃないか、と思わず「孤独のグルメ」の五郎さんがニヤニヤしそうな説明文です。
ドラマ版「透明なゆりかご」は時代設定が1997年(平成9年)であり、まだまだ昭和の残り香があちこちに残っていた頃のお話です。「大口1番街」はそうしたドラマの世界観と合致するという理由もあり、ロケ地として選定されたのでしょう。
この子安駅付近のほか、鶴見駅、白楽駅など横浜沿岸部には昔ながらの商店街が残っており、「おしゃれな港町・ヨコハマ」のイメージとは違う、生活臭さや人間臭さにあふれた街・横浜のリアルな姿を見せてくれます。
▼商店街の入り口に、文明年間 (1469-1487)創建とされる歴史あるお寺(相應寺)がそびえ立つ。絵的にも素晴らしい大口1番街。