「ばけばけ」小泉八雲 熊本時代の月給200円 現在の貨幣価値、物価だといくらくらい?

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NHK連続テレビ小説「ばけばけ」では、ヘブンが高待遇のオファーを受けて松江から熊本の学校に転任することが予想されます。

史実上のモデル・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は松江から熊本の第五高等中学校に英語教師として赴任していますが、この熊本時代の八雲の月給は200円という破格のものでした。

この記事では、八雲が当時もらっていた月給200円がいかに当時高給だったのか、そして現在の貨幣価値でいくらくらいに換算されるのかをざっと考えてみます。
※「ばけばけ」第13週では、東京で事業に成功した銀二郎の月の稼ぎが200円であることも語られています。

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目次

八雲、熊本の第五高等中学校へ転任 給料は倍増の200円

1890年(明治23年)、40歳で松江の島根県尋常中学校の英語教師となった小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。松江時代の八雲の月給は100円であり、当時としては破格でした。

「ばけばけ」でもヘブン(トミー・バストウ)がもらう月給100円が島根県知事に次ぐものだという言及がありましたね。また、トキ(髙石あかり)は「ラシャメン(洋妾)」になることを覚悟してヘブンの女中となり、こちらも当時の女性としては破格の月給20円をもらっています。

【追記】第13週では、東京で事業を興した銀二郎(寛一郎)が月200円を稼ぐほどの大成功を収め、トキとの復縁を目指して松江にやって来ています。

1891年(明治24年)、小泉八雲は松江の冬の寒さに耐えられなかったことなどを理由に、熊本の第五高等中学校に転任しています。

熊本の第五高等中学校での八雲の月給は、松江時代からさらに倍となる200円でした。八雲は、内縁の妻となっていたセツ(トキのモデル人物)だけでなくセツの両親も熊本に呼び寄せて一家を養っています。

「ばけばけ」でも今後、ヘブンが松江の冬の寒さに耐えきれず、トキを連れて熊本に移住する展開が予想されます。おそらく、史実通りにヘブンも熊本県から月給200円の条件を提示されるのではないかと思います。200円は銀二郎の稼ぎと同じですね。

この「200円」という数字は「ばけばけ」第1週でも登場しています。トキが7歳だった1875年(明治8年)、父の司之介(岡部たかし)は貧困脱出のためにウサギの転売業に手を出していますが、この時に司之介はいきなり200円の儲けを出して大はしゃぎをしています(その後調子に乗って事業拡大を目論み莫大な借金を抱えてしまう)。

八雲の月給200円 小学校教師初任給の40倍 現在のいくらくらい?

小泉八雲が熊本時代にもらっていた月給200円がいかに高給だったかを考えてみます。

参考までに、八雲が熊本に転任した1891年(明治24年)前後の各職種ごとの給料をいくつかピックアップしてみます。

【小泉八雲、ヘブン、銀二郎の月給200円は高給取り?他業種と比較】

東京都知事…年俸4,000円=月額換算333.3円(1891年・明治24年)
総理大臣…年俸9,600円=月額換算800円(1886年・明治19年)
小学校教員の初任給(東京・公立)…月給5円(1890年・明治23年)
・機械織職(女性・東京)…月給2円60銭(1890年・明治23年)
・和菓子製造職(東京)…月給5円4銭(1890年・明治23年)
・大工(日雇い・東京)…日給42銭=25日働いて月給10.5円(1890年・明治23年)

(参考)「物価の文化史事典」

★「ばけばけ」の給料事情
・ヘブンが県からもらう支給額…(島根)月給100円→(熊本)200円にアップ?
・トキ(ヘブンの女中)の給金…月給20円
・新米教師サワの給金…月給4円
・ウメ(花田旅館の女中)の給金…月給90銭
・事業に成功した銀二郎の稼ぎ…月収200円
・司之介がウサギの転売で大儲けした金額…200円(その後、調子に乗って莫大な借金を抱える)

当時の総理大臣が月給換算で800円、東京都知事が月給換算で333円もらっていたとのことなので、八雲が熊本時代にもらっていた月給200円はかなりの高額だったことがわかります。

また、当時の東京の公立小学校教員の初任給は5円であり、これは八雲の月給200円の40分の1です。

単純な比較となりますが、令和現在の公立小学校教員の初任給が20万円ちょっとですので、その40倍と考えると八雲の熊本時代の月給は現在の800万円超といった感覚でしょうか。これは年収に換算すると1億円近いわけですから、とんでもない高給取りですね。

「ばけばけ」でも月給4円の新米教師として頑張っている野津サワ(円井わん)を横目に、ヘブンと結婚することになるであろうトキは熊本に移り、月200円での裕福な生活を送ることになりそうです。史実を参考にすれば、ヘブンはトキの両親を熊本に呼び寄せて松野一家を養う大黒柱になることが予想されます。

司之介(岡部たかし)がウサギの転売で背負った莫大な借金(金額不明。数百円以上か)も、ヘブンのおかげで返却する目処が立ちそうですね。

【補足】消費者物価指数からも計算

筆者が各種指標からざっと計算したところによれば、明治24年当時の物価指数と比較すると令和現在の物価指数はおよそ8,000倍になっているようです。

ここから単純計算すると、明治24年当時の200円×8,000倍=1,600,000(160万円)となります。小泉八雲の熊本時代の月給200円は、現在の物価感覚で月給160万円、年俸換算で1,920万円とも計算できます。いずれにしても当時の月給200円はかなりの高給取りですね。

消費者物価指数はあくまで市中の物価を参考にした値であり万能の指標ではありませんが、参考までに。

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