朝ドラ「あんぱん」ラジオドラマ「やさしいライオン」 やなせたかしの名作絵本 手塚治虫がアニメ映画化

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NHK連続テレビ小説「あんぱん」第22週では、嵩がある出来事をキッカケに着想を得た「やさしいライオン」というラジオドラマを書き上げることになります。

この「やさしいライオン」はやなせたかしの絵本の中でも名作とされ、手塚治虫によりアニメ映画化されて高い評価を得た実在の作品です。代表作「アンパンマン」誕生の伏線になったともされます。

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【あんぱん】嵩、ラジオドラマ「やさしいライオン」を創作

著:やなせ たかし
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2025年08月27日(金)放送予定の「あんぱん」第110回(第22週)の内容紹介文(NHK番組表)には、嵩(北村匠海)がラジオドラマ「やさしいライオン」を書き上げることが予告されています。

のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は引っ越しをして羽多子(江口のりこ)と同居生活を始める。そんな中、電話に出た羽多子が、嵩に来たラジオドラマの脚本の大至急の依頼を受けてしまう。焦る嵩にのぶが謝ると、嵩は何かを思い出し、ある絵を取り出す。嵩が語るストーリーに引き込まれたのぶは、子どもとお母さんの話だからと書くことをためらう嵩の背中を押す。翌日、嵩が書き上げた『やさしいライオン』がラジオから流れる。

第22週では、嵩が八木(妻夫木聡)の後押しを受けて初の詩集を出版。これをキッカケに嵩はファンだという小学生の女の子・佳保と交流を持つなど、嵩の仕事は新たな展開を見せていきます。

同居を始めた義母・羽多子(江口のりこ)がうっかり受けてしまったラジオドラマの緊急脚本執筆も、嵩の新たな才能を開花させるキッカケになりそうです。

後述しますが、この「やさしいライオン」は嵩のモデル・やなせたかしが描きあげた絵本の中でも名作として愛され続けている作品であり、この作品が絵本「あんぱんまん」(後の「アンパンマン」)誕生に繋がったとされます。

ドラマ「あんぱん」でも、いよいよ「アンパンマン」誕生のカウントダウンが始まっているようです。

【史実】やなせたかしの名作絵本「やさしいライオン」 手塚治虫がアニメ映画化

「やさしいライオン」は、1967年(昭和42年)にやなせたかしが手掛けたラジオドラマ「やさしいライオン」が初出です。

このラジオドラマ「やさしいライオン」は、もともとは緊急の脚本執筆依頼を受けたやなせたかしが「ドイツの動物園で犬がライオンを育てた」という話題から着想を得て、一日で書きあげたという即興の作品でした。

この放送が好評を博すと、やなせたかしにより同名の絵本として出版されたほか、やなせたかしの絵柄を高く評価していた手塚治虫が自身のアニメスタジオ「虫プロダクション」でアニメ映画化(第12回児童福祉文化奨励賞、第24回毎日映画コンクール・大藤信郎賞を受賞)するなど、広くマルチメディアで親しまれる作品へと展開されています。

★「やさしいライオン」のストーリーは?

母親を亡くした赤ん坊ライオン・ブルブルと、赤ん坊を亡くしたメス犬・ムクムクの親子物語。ブルブルの母親になったムクムクは、ブルブルを「犬の子ども」として大切に育てていき、ブルブルも自分が犬だと疑わずに元気に成長していきます。

立派な大人ライオンへと成長したブルブルはある日、水たまりに映った自分の姿を見て自分が犬ではなくライオンだと気がついてしまいます。それでもムクムクから「私とあなたは見た目は違うけど心は同じよ」と聞かされたブルブルはそれを受け入れ、親子楽しく暮らしていました。

やがてブルブルが他の動物園に転園されることが決まると、ブルブルとムクムクは離れ離れに。ブルブルは数年後にはサーカスの人気者になっていました。今や森の中ですっかり年老いてしまった懐かしい「母」ムクムクを思い出したブルブルは、サーカスの檻から脱走してムクムクに会いに行ってしまうと、兵隊たちが出動する大騒動となり…。

【史実】「やさしいライオン」が「アンパンマン」誕生の伏線に

やなせたかしにとって、この「やさしいライオン」は絵本作家としてのデビュー作でもありました。

ラジオドラマ「やさしいライオン」が好評になると、児童書を中心とした出版社・フレーベル館から「トッパンのおはなしえほん」シリーズの一作品として、やなせたかし自身が同名で絵本化。

この絵本版「やさしいライオン」がヒットしたことで、やなせたかしは児童向けの絵本の仕事が急増しています。そして、フレーベル館から「もう一冊」と頼まれてやなせたかしが描いた絵本が、「キンダーおはなしえほん」シリーズの一つ「あんぱんまん」(1973年・昭和48年)でした。後の「アンパンマン」の原型ですね。

※やなせたかしはこれより前から、人間のおじさんの姿をした「アンパンマン」を自身の絵本やメルヘン短編作品に登場させていました。ドラマ「あんぱん」でも嵩がおじさん型の「アンパンマン」を描いてのぶが喜ぶ姿が描かれていましたね。

やなせたかしは後年に「やさしいライオン」がなければ「アンパンマン」も絵本化されなかったと語っていますので、ドラマ「あんぱん」でも「やさしいライオン」をキッカケに嵩が「アンパンマン」を生み出す展開がありそうです。

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