NHK連続テレビ小説「あんぱん」2025年6月11日(水)放送の第11週・第53回より。
この日の放送では、嵩と千尋の3年ぶりの再会のシーンのロケ地として、東京都国分寺市の「お鷹の道」が登場しています。
嵩と千尋、3年ぶりに小倉で再会

嵩が小倉連隊に入営してから2年が過ぎた1944年(昭和19年)の夏。
小倉の嵩のもとに、海軍少尉となり長崎・佐世保にいるという千尋から手紙が届き、二人は3年ぶりに小倉で再会することになります。
二人が再会したのは、小倉にあるという設定の小川が流れる小道。嵩はすっかり軍人らしい出で立ちとなった千尋に対し「えらく仰々しい肩章だな」と声を掛けています。
京都帝国大学で法律を学んでいたはずの千尋がなぜ海軍少尉になっているのか。次回以降の放送でその経緯が語られていきます。
※弟が海軍の軍人になるというストーリーは、やなせたかしの弟・柳瀬千尋の史実がもとになっています。
▼陸軍で下士官である伍長に昇進していた嵩ですが、エリート学生の千尋はいきなり士官(尉官)である海軍少尉に。軍隊における階級や上下関係が分かりづらいかと思いますので、記事にまとめています。

撮影ロケ地は東京都国分寺市「お鷹の道」
第53回のラストシーン。嵩と千尋が再会した小川のシーンの引きの映像が、お鷹の道・真姿の池湧水群付近の風景と完全一致しています。
嵩と千尋の再会のシーンは、東京都国分寺市にある観光名所「お鷹の道」の真姿の池湧水群付近で撮影されたようです。
「お鷹の道」といえば、国分寺崖線(こくぶんじ がいせん)と呼ばれる「武蔵野台地を古多摩川が削り取ってできた約30kmにわたる河岸段丘の連なり(崖地・ハケ)」の崖下に広がる緑の小道です。
東京都西部の立川市から都内の世田谷区、大田区方面まで線状に崖の連なりが続く国分寺崖線。崖沿いには豊かな緑地帯が残されており、大都会において貴重なオアシスとなっています。
「あんぱん」で撮影が行われた国分寺市の「お鷹の道(おたかのみち)」は、そんな国分寺崖線の中でも特に緑が色濃い一帯。
歴史ある武蔵国分寺や崖から水が湧き出る湧水群・真姿の池周辺などを中心に、小川に沿った遊歩道が整備されており、ちょっとした観光スポットになっています。
嵩と千尋が再会した趣のある道は、真姿の池湧水群・真姿弁財天付近の小道でしょう。この一帯は特に雰囲気が良く、戦前の小倉の田舎道の風景といわれても違和感がないものとなっています。
▼お鷹の道・真姿の池湧水群(東京都国分寺市東元町など)は、JR中央線の国分寺駅、西国分寺駅が最寄り。
お鷹の道、東京農工大で「あんぱん」聖地巡り
「あんぱん」では栃木、茨城など北関東で多くの屋外ロケが行われていますが、一部東京都内でも撮影が行われています。
この「お鷹の道」からもほど近い、東京都府中市幸町の「国立東京農工大学・農学部本館」では嵩の母校・東京高等芸術学校の校舎外観のシーンが撮影されています(伯父の寛とともに合格発表を見に行ったシーンなど)。
お鷹の道、東京農工大学農学部本館は歩いて15分〜20分程度の距離ですので、「あんぱん」の聖地巡りとしてブラブラと散歩してみるのも楽しいでしょう。

