NHK連続テレビ小説「あんぱん」に登場する、柳井家女中の宇戸しん(うと・しん)。ドラマのご当地である高知県出身の俳優・瞳水ひまりが演じます。
宇戸しんは、やなせたかしが幼少期お世話になった柳瀬家のお手伝いさん「朝や」がモデルになっているかもしれません。
【あんぱん】柳井家の女中・おしんちゃん
幼少期に父を亡くし、弟の千尋とともに伯父夫婦の家に預けられる柳井嵩。伯父は高知・御免与町で柳井診療所を開業している町医者で、嵩は親代わりとなった伯父から大きな影響を受けることになります。
嵩と千尋が預けられた御免与町の柳井家には、献身的に働く女中の宇戸しん(瞳水ひまり)がいます。
しんは柳井家の面々を敬愛し、常に誰かのために動く健気な女性。大きな愛情を持って柳井家の人々と接するしんは、自然と周囲からも愛される人間性を持っているようです。
しんは嵩や千尋がまだ少年である第1週から登場するようなので、母親と離れ離れになって暮らす嵩・千尋兄弟にとって良きお姉さん的な立ち位置になっていくのかも知れません。「しんさん」「おしんちゃん」といった呼び名で人気のキャラクターになっていきそうですね。
▼宇戸しんを演じるのは、高知県出身の俳優・瞳水ひまり(ひとみ・ひまり)。2002年生まれの22歳で、「ジャストプロ」に所属。これまで、ドラマ「しょせん他人事ですから」「夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2」や映画「地獄のSE」などに出演。役者活動は2023年から開始しており、これからの活躍が期待されます。
🏃♀️#あんぱんのなかま🖌
— 朝ドラ「あんぱん」公式 (@asadora_nhk) March 17, 2025
宇戸しん 🖊 #瞳水ひまり
高知で柳井医院を営む柳井家を献身的に支える。
柳井家の面々からも慕われている。
働き者で、柳井家を見守り続けるしんさんです✨#朝ドラあんぱん
📅3月31日(月)スタート🏃 pic.twitter.com/kw2pHwq0xY
🍞3月末は高知で沢山のイベントに参加させていただきます🍞
— 瞳水ひまり【公式】 (@hitomihimari) March 23, 2025
あんぱん放送に向けて高知を盛り上げられる
一員になれることが本当に嬉しいです🏃♀️
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【史実モデル?】柳瀬家のお手伝いさん「朝や」
女中・宇戸しんのキャラクター設定などは基本的にフィクションの要素が多いかと思いますが、柳井嵩のモデルである漫画家・やなせたかしの「やなせたかし全詩集」の一篇には「朝やの星」という詩があり、そこに登場するお手伝いさんの「朝や」という若い女性が宇戸しんのモチーフになっている可能性があります。
詩「朝やの星」は、亡き弟・千尋との思い出や幼少期に暮らした高知・後免町の伯父夫婦の家での日々の記憶などがまとめられた「おとうとものがたり」の章に収められています。
「伯父の家にひとりの若いおてつだいさんがいた」
で始まる詩「朝やの星」は、柳瀬家(柳瀬医院)で働いていたお手伝いさん「朝や」について綴ったもの。
早くに父を亡くし兄弟で伯父夫婦の家に預けられていたやなせたかし。しかし、弟は子供がいなかった伯父夫婦の養子として一足先に大切に迎え入れられていたのに対し、やなせたかしは母の再婚により行き場を失い、少し後から伯父夫婦の家に転がり込んできた身。
そのため、やなせたかし少年は「坊っちゃんの兄」という微妙な立ち場であり、伯父夫婦から冷遇されたそうです。
伯父の家のお手伝いさんだった「朝や」は、不遇なやなせたかし少年を同情し「お兄さんなのにあんまりです おかわいそうです」などと涙ぐみ、やなせたかし少年を抱きしめたそうです。
しかし、頭が良く物事を俯瞰的に見ることができたやなせたかし少年は、そんな朝やの同情的な行動を「なんだかかなしいような気がした」「頭の中でかわいそうな話をつくりあげて感傷的になっているのだ」と冷静に見ていたようです。
朝やは、夜に皆が寝静まった頃にやなせたかし少年を連れ出し近所の駄菓子屋に連れて行ってあげるなど、やなせたかし少年をずいぶんと可愛がったようです。詩「朝やの星」では、寝ぼけ眼の少年が朝やに背負われて駄菓子屋に行った思い出、朝やの背中のぬくもりを感じながら見た満天の星の美しさなどが綴られています。
朝ドラ「あんぱん」に登場する女中・宇戸しんも、柳井嵩・千尋兄弟を温かく見守ってくれる存在になると予想します。