朝ドラ「ばけばけ」雨清水家のモデルは小泉家 タエが傳を呼び捨てにする理由、トキの出生の秘密とは?

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NHK連続テレビ小説「ばけばけ」に登場する松野家の親戚・雨清水家(うしみずけ)。物語上重要な意味を持つ雨清水家は、小泉八雲の妻・セツに深い関わりがあった小泉家がモデルになっています。

この記事では、雨清水家の家格や松野家やトキとの関係性、妻のタエが夫の傳を呼び捨てにする理由などをまとめるとともに、モデルになっている小泉家についてまとめます。文章の後半はトキの出生に関するネタバレも含みますのでご注意ください。

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目次

【ばけばけ】松野家の親戚(遠縁)雨清水家とは?

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松江藩の元上級武士の家柄である松野家で育ったヒロインのトキ(福地美晴→髙石あかり)は、幼少期から親戚(遠縁)にあたる雨清水家に通い、雨清水家当主・雨清水傳(堤真一)の妻であるタエ(北川景子)からお茶などのお稽古をつけてもらっています。

雨清水家は、松江藩にその名を轟かせた上級武士の家柄で、松野家よりも家格はだいぶ上。当主の傳は文武両道のエリートで、そのシュッとした出で立ちや聡明な姿にトキは憧れの気持ちを持っています。第1週でも描かれますが、傳は元武士のプライドを捨てて髷を落とし、織物工場の商いを始めることになります。

一方の妻・タエは、雨清水家よりもさらに格上の家老の家の出身。

タエは「お姫様育ち」で家事は一切出来ませんが、茶の湯や三味線などの芸事に長けています。タエは雨清水家を守る武家の妻としてのプライドは非常に高く、お稽古ごとに通うトキに対しても武士の娘としての矜持を説いていきます。

※公式ガイドブックの北川景子のインタビュー記事には「タエの実家の方が格上だったので呼び捨てのシーンがある」と書かれていることから、傳は婿養子ではなく、タエが家老の家から雨清水家に嫁入りしたと考えられます。タエが傳を呼び捨てにし、傳がタエに頭が上がらないのも、育った家柄の上下が関係しているということでしょう。

※タエは雨清水家を継いでいくであろう3人の男子を産んでいます。しかし長男は後に失踪(次男は早世?)。残された三男の雨清水三之丞(板垣李光人)が没落していく雨清水家を背負っていくことになります。

ドラマ序盤から何かとトキを気にかけて優しく接してくれる傳と、まるで母かのようにトキを見守るタエ。やがてトキは傳が経営する織物工場で女工として働いて松野家の借金を返すなど、トキは雨清水家と深い関係を保ち続けていきます。

遠い親戚のはずの雨清水夫妻がなぜそんなにトキを気にかけているのか。そこにはある理由があり…。

以下、雨清水家のモデルである小泉家のご紹介をします。雨清水家の設定は小泉家を参考にしていると考えられ、ドラマのネタバレ(トキの出生の秘密)になるとも考えられますのでご注意ください。

【史実モデル】小泉セツと「親戚」の小泉家

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「ばけばけ」の主人公・松野トキのモデルである小泉セツ(小泉八雲の妻)は、1868年(慶応4年)に松江藩士の小泉湊・チエ夫妻の次女として島根県松江市で生まれています。

子供が居なかった小泉家の遠戚の稲垣家との間で「次に小泉家で子供が生まれたら稲垣家の養子とする」という取り決めがなされていたため、セツはお七夜の頃に稲垣家に連れて行かれ、稲垣金五郎・トミ夫妻の養女となり大切に育てられています。

この史実を参考にすると、「ばけばけ」に登場している雨清水傳・タエ夫妻小泉セツの実の両親である小泉湊・チエ夫妻がモデル

「トキの両親」である松野司之介・フミ夫妻は、小泉セツの養父母である稲垣金五郎・トミ夫妻がモデルということになります。

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小泉セツが夫・小泉八雲との思い出を語った「思ひ出の記」によれば、生家の小泉家は松江藩のお番頭(警護職の頭)で禄は五百石ほど。

対する妻のチエは、禄千五百石の江戸家老・塩見増右ェ門の一人娘(兄が4人)。父の6代目・塩見増右ェ門は江戸詰の役家老で、瑶光院を説得した末に切腹をした「えらい人」なんだとか。チエは松江藩中でもよく知られた美しいお嬢様で、音楽の才があり草双紙に精通するなど教養深い人物だったようです。

こうした史実の小泉湊・チエ夫婦の関係性や人物像などから、「ばけばけ」の雨清水傳・タエ夫婦のキャラクターが生み出されています。

小泉湊・チエ夫妻には以下の6人の子供がいたようです。三男(セツの弟)の小泉藤三郎が雨清水三之丞のモデルですね。

【長男】氏太郎(失踪)
【長女】スエ
【次男】武松(早世)
【次女】セツ(稲垣家養女に)
【三男】藤三郎
【四男】千代之助

【史実モデル】生家小泉家よりも、育ての稲垣家を愛したセツ

「思ひ出の記」によると、小泉セツは自分が「もらい子」であることは3歳くらいの頃から知っており、この事実に不愉快な思いを持っていたようです。

セツは、生家の小泉家と親戚として接点はあったようですが(セツは小泉を家格が高く尊敬される「えらい人」と認識)、小泉の実父母よりも育ての稲垣の祖父、父母を心から大切に思い、それは大人になってからも変わらなかったとのこと。

「思ひ出の記」には「(小泉の)姉と弟はその後絶交し、実母にさえもやや反感を持っている。実父は男らしい好い人であったと今になつかしさをそそられる」と書かれており、この記述からも生家小泉家へのセツの複雑な思いが見てとれます。

なお、セツが「稲垣セツ」ではなく「小泉セツ」と名乗っているのは、後に稲垣家養女から小泉家に復籍したという経緯があるようですね。夫となる小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)も、この小泉家の名字を名乗ったというわけです。

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