産經新聞の記事によれば、2014年3月2日に放送されたNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」第9話「官兵衛試される」において、セットの仏像を取り違えるミスがあったようです。皆さん気が付きましたでしょうか。
ミスがあったのは、織田信長(江口洋介)の宿敵として登場する本願寺の僧侶・顕如(眞島秀和)の登場シーン。
本願寺は一向宗、つまり浄土真宗なのですが、この場面で浄土真宗の本尊・阿弥陀如来像ではなく、釈迦如来像がセットに置かれていたとのことです。視聴者からの指摘でNHKが「間違えた!」とミスを認めたようです。
さすがに詳しい人が居るものだと関心しましたが、「釈迦如来像」と「阿弥陀如来像」には区別するコツがあるようですね。
▲この記事は「やさしくわかる仏像入門」(ナツメ社)を参考に書きました。この本は初心者向けにわかりやすく書かれているのでおススメです。
「阿弥陀如来」と「釈迦如来」見分け方は
わかりやすいのが仏像の手の組み方の形、「印相」(いんそう)です。阿弥陀如来像は両手の指で丸く輪っかをつくているのが特徴です。多くの阿弥陀如来は「定印」(じょういん)と「来迎印」(らいごういん)と呼ばれる形。
そしてもう一つ。脇に従える脇侍の違いも区別の際に目安となります。阿弥陀如来像は単独像の場合も多いですが、脇侍を従える時は両脇に観音菩薩と勢至菩薩が入ります。これに対して釈迦如来像は文殊菩薩と普賢菩薩(薬王菩薩、薬上菩薩のパターンもあり)が入ります。
とはいえ、そもそも菩薩の区別が付かない(笑)という根本的な問題もありますが…。
素人レベルでは、釈迦如来像はお釈迦様の様々な姿、阿弥陀如来像は「南無阿弥陀仏〜」と念仏を唱えることで救われる浄土教の本尊、ということくらい理解していればいいのではないかと思います。
法隆寺でボランティアが仏像基礎知識を教えてくれた
戦国時代とは少し時代が違いますが、奈良の法隆寺あたりに行けば、仏像に詳しいボランティアスタッフのおじさまたちが仏像の基本的な見分け方、特徴を懇切丁寧に説明してくれます。僕も以前みっちり教えて貰いましたが、ほとんど忘れてしまいました(笑)。