NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」に濱田岳が出演し、味わい深い演技を披露しています。
若手俳優の中でも個性派として知られる濱田岳が、黒田官兵衛(岡田准一)に弟子入りし側近として官兵衛と行動を共にする青年・栗山善助を演じています。
この善助は実在の人物。後に官兵衛を一番近くで支える側近、しかも知恵者の筆頭家老として活躍します。
善助を演じる濱田岳は東京都出身の25歳(※出演当時)の俳優で、9歳の頃から芸能事務所に所属していた子役上がり。2004年に「3年B組金八先生」に出演したことで本格的に俳優の道へ進みます。
3年B組金八先生、アヒルと鴨のコインロッカー
彼が一躍脚光を浴びたのは映画「アヒルと鴨のコインロッカー」の、冴えない青年役。
仙台で一人暮らしを始めた気が弱い青年を見事に演じ、映画界ではすっかり有名になりました。この役で高崎映画祭最優秀主演男優賞を受賞、以後様々なドラマや映画において、特に気が弱いちょっとダメな青年役などを中心に、各方面から引っ張りだこの俳優です。
今回はコミカルな若者役
そんな濱田岳が演じているのは姫路の近隣、栗山村の善助という男。ボロ着をまとい、いかにも貧乏な出で立ちの善助は、ある日、突然官兵衛に対し棒切れで襲いかかります。しかしあっさりと官兵衛は身をかわし、善助はあっけなく池の中へ。
呆然とする官兵衛に対し、善助は「ご無礼お許しください。栗山村の善助と申します。黒田の若様はお知恵のある方だと聞きましたが、武芸の腕はいかがなものかと試させて頂きました。どうかわしを家来としてつこうてくだされ!」と大胆にも頼み込みます。
善助曰く、黒田家は身分が卑しい者でも武芸才覚次第で家来に取り立てるらしく、どうやら善助は己の才覚になぜか自信を持っているようです。さらに「わしがいれば若様はもはや百人力です!」と図々しいまでの押しの一手で迫る善助。
その場に居合わせていた官兵衛の祖父・重隆(竜雷太)はそれを見て大喜び。「面白い男ではないか。家来にしてやったらどうだ」と進言します。官兵衛は戸惑いながらも善助を家来として取り立てることにしました。
母里武兵衛と善助
官兵衛にはすでに母里武兵衛(永井大)というガタイの良い世話役の男がいます。武兵衛は、小寺家で官兵衛が小馬鹿にされると相手に食って掛かろうとするなど官兵衛には忠義がある様子。
しかし、この人がいい武兵衛は戦場で討ち死にしてしまいます。この時、間近に居た善助は武兵衛から黒田家、官兵衛を守るよう託されます。戦友の死を目の当たりにして以降、善助は徐々に知恵者としての才を発揮していくことになります。
母里太兵衛と善助
武兵衛の死後姫路城にやってきたのが、母里の姓を継ぐ荒くれ者の太兵衛(速水もこみち)。当初は気性が荒く、他の家臣たちと諍いを起こしていた太兵衛でしたが、官兵衛により善助と義兄弟の契りを結ばれると、善助だけには忠実な義弟となります。
善助は、太兵衛を見守るうちにリーダーシップの才にも目覚めていきます。
善助は官兵衛の家臣として活躍
初登場時は弱そうに描かれていた濱田岳演じる善助ですが、官兵衛の側近として大活躍をします。官兵衛が有岡城に幽閉された時には官兵衛を救出。その後も多くの武功を挙げ、黒田家家臣の序列の第一位となり、「黒田二十四騎」「黒田八虎」の一人として名前を挙げられる武将へと成長します。