2018年秋放送のTBSドラマ(日曜劇場)「下町ロケット(続編)」に登場する企業「ギアゴースト」社についてまとめます。
佃製作所は、新たに手がけたトランスミッション開発事業を通じてギアゴーストと取引関係となります。やがて悪徳弁護士一味が仕掛ける特許侵害騒動にギアゴーストが巻き込まると、佃製作所は救いの手を差し伸べることになりますが…。
トランスミッションメーカー・ギアゴースト
ギアゴースト社は、トランスミッション(変速機)を開発、製造する下町のベンチャー企業です。
創業5年、社員は30名ほどの若く小さな会社で、トランスミッションの企画、設計、営業、材料調達のみを自社で担当し、実際の試作や量産はマレーシアなど海外の大規模工場に委託するという、いわゆる「ファブレス企業」(原作による。ドラマでは海外工場とは言及していない)。
社屋は社長・伊丹の父が経営していた古い町工場の建物をそのまま使っています。
・【下町ロケット・撮影ロケ地】ギアゴースト社屋 行田市の「イサミ足袋工場」
社長・伊丹大と、天才エンジニア・島津裕
ギアゴーストを立ち上げた社長・伊丹大(尾上菊之助)は、元帝国重工のエリート部署、機械事業部で事業企画を担当していたやり手のアイディアマンです。革新的なビジネスプランを生み出して低価格高品質の製品納入を実現し、ギアゴーストは業界に新しい風を巻き起こしています。
一方、業界トップレベルと言われるギアゴーストの技術部門を支えるのは、同じ帝国重工で開発部門に所属し「天才エンジニア」として名を轟かせた島津裕(イモトアヤコ)です。島津は、圧倒的な基礎技術力はもちろんのこと、実際に車を運転する際のギアチェンジの滑らかさや手応えなど、数値やスペックだけでは表せない使い心地の良さを、トランスミッションの命として吹き込みます。
伊丹と島津は、ともに古い体質が残る帝国重工社内で自らの才能を持て余し、組織の軋轢により居場所を失ってしまった身。そうした苦い体験を経た二人が意気投合して創業したのが「ギアゴースト」なのです。
ちなみに社名である「ギアゴースト」とは、伊丹と島津がかつて(帝国重工時代)に「墓場の住人」だったからとのこと。大企業で一度は死んだも同然となった二人が「トランスミッションをつくるために、幽霊として墓から出てきた」というジョークが由来となっています。
ケーマシナリーが特許侵害を指摘 背後には中川弁護士が
「下町ロケット(続編)」のストーリーが大きく動いていくのは、ギアゴスート製のトランスミッション「T2」が、大手トランスミッションメーカー・ケーマシナリーから特許侵害の指摘をされて以降のこと。
文字通り寝耳に水であるケーマシナリーの特許侵害の訴えに対し、ギアゴーストの顧問弁護士・末長孝明(中村梅雀)は、どうにも頼りない応対を繰り返します。一方、ケーマシナリー側にはあの敏腕悪徳弁護士・中川京一(池畑慎之介)が付いているらしく、何やら背後でうごめく数多の悪のニオイが…。
▼ドラマ「下町ロケット(2018年)」前半の原作となる「下町ロケット ゴースト」。表題である「ゴースト(幽霊)」の意味ですが、ギアゴースト社長・伊丹が帝国重工時代に残してしまったある遺恨が、時を経て蘇り伊丹を襲う…。そんなところでしょうか。