【とと姉ちゃん】雑誌「スタアの装ひ」 モデル誌は「スタイルブック」か

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NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」第14週(2016年7月4日〜)より。この週に登場する雑誌「スタアの装ひ」についてまとめます。

この「スタアの装ひ」は常子たち三姉妹が初めて創りあげた雑誌であり、後の雑誌「あなたの暮し」へと繋がる重要な出発点となります。

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目次

庶民の娯楽への欲求

戦争が終わると、都内各地の闇市では雑誌が飛ぶように売れるようになります。

これは、娯楽に飢えた庶民たちが我先にと雑誌を買い求めたからであり、出版という業種の未来に大きな可能性があることを示唆していました。

常子、雑誌創刊を決意

甲東出版の谷(山口智充)や五反田(及川光博)らが復員し、再び雑誌「新世界」の制作に携われることを喜んでいた常子でしたが、女学校時代の親友・綾(阿部純子)と再会すると、その心境に変化が訪れます。

結婚後に苦労を重ねた綾から、辛い時に雑誌「青鞜」が自分を支えてくれたという話を聞いた常子は、「女性のための雑誌をつくろう!」という強い気持ちを持ち始めるのです。

心が決まれば猪突猛進。常子は甲東出版を退職する決意を固め、家族に協力を要請し、自らの手による雑誌づくりをスタートさせます。

一流ファッションを紹介「スタアの装ひ」

文才がある鞠子(相楽樹)、裁縫や絵が得意な美子(杉咲花)の強みを活かし、何とか紙を工面し、ついに完成したのが雑誌「スタアの装ひ」でした。(「KT出版」初の刊行物)。

当時の一流ファッションを掲載した三姉妹渾身の一冊「スタアの装ひ」は、当初は闇市では飛ぶように売れ、強気に増刷をかけるのですが、その後は売りさばけず、常子たちは在庫の山を抱えてしまいます。

この後に常子と再会することになる花山伊佐次(唐沢寿明)の指摘によれば、「スタアの装ひ」は外国人や富裕層向けのファッションばかりを扱っており、布地など満足に手に入らない時代において、テーマが「現実離れ」しているとのこと。

花山の的確な指摘に感銘を受けた常子は、花山に編集長になってもらうように懇願。いよいよ、常子と花山がタッグを組む日がやって来るのです。

雑誌「スタイルブック」がモチーフか

この「スタアの装ひ」ですが、時系列的に考えて、昭和21年5月に創刊され大反響を呼んだ実在の雑誌「スタイルブック」(「暮しの手帖」の前身誌)がモチーフになっていると思われます。

「スタイルブック」は、大橋鎭子が立ち上げた出版社「衣裳研究所」が出した最初の雑誌(全18ページ)であり、生地が満足に手に入らない中でもオシャレを楽しめる創意工夫、知恵などがまとめられていました。

「スタイルブック・創刊号」は瞬く間に大反響となり、鎭子ら三姉妹はこの時初めて、ヒット雑誌を手掛けるという「成功体験」を得ることになります。ただし、すぐに類似雑誌が大量に出回るようになり売り上げが落ち、そのままトントン拍子に大成功の道を辿るというわけにはいきませんでしたが…。

なお、ドラマに登場する雑誌「スタアの装ひ」は三姉妹だけで第一号を創刊した後に花山が合流、その後に改良版である第二号を発刊するという流れですが、史実の花森安治は「衣裳研究所」に立ち上げ当初から参加しており、「スタイルブック・創刊号」には花森安治の才能、経験(編集、広告戦略など)が大きく活かされていました。

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