TBS・日曜劇場版ドラマ「下町ロケット」とよく比較されるのが、2011年に製作されたWOWOW版ドラマ「下町ロケット」です。WOWOW版は全5回とコンパクトな作りながら高い評価を得ており、いまだに根強い人気を誇ります。この記事では、TBS版とWOWOW版との間の相違点についてまとめます。
※下町ロケット(WOWOW版)はAmazonプライムビデオで見放題作品となっています(2022年12月現在)。
①出演者がまったく違う
TBS版では阿部寛が主役佃社長役を演じていますが、WOWOW版では三上博史が主演。TBS版ではいかにも日曜劇場らしい暑苦しい(?)佃製作所の姿が社長を中心に描かれましたが、WOWOW版はもう少しクールな印象を与えるかと思います。
もちろん他のキャラクターも演じている俳優が異なりますので、両作品を見比べるのも楽しいです。
※参考記事
・WOWOW版ドラマ「下町ロケット」(2011年)俳優、主要キャスト一覧
②内容、放送回数が違う
WOWOW版は全5回(1話60分)で、TBS版は全10回の放送となります。
両者の最大の相違点といえるのが、WOWOW版は小説「下町ロケット」を原作にしているのに対し、TBS版は小説「下町ロケット」「下町ロケット2」という二つの作品を原作としていることです。
WOWOW版はロケットエンジン部品に関するストーリーで完結するのに対し、TBS版の後半5回は「下町ロケット2」を原作にした「人工心臓のパーツ開発(ガウディ計画)」のストーリーが展開されます。
③神谷弁護士が女性
次に目につくのが、TBS版では恵俊彰が演じた「神谷修一弁護士」の存在。WOWOW版では神谷涼子と名前を変え、女性である寺島しのぶが演じています。神谷涼子は佃の元妻・沙耶の同級生という設定です。
※原作ではTBS版と同じ「神谷修一」として登場。
④神谷が倒産させた会社社長の存在
WOWOW版では、神谷弁護士が大川事務所時代に裁判で倒産に追い込ませた中小企業社長・岩崎(螢雪次朗)が登場します。
寺島しのぶ演じる神谷涼子はそうした過去に苦しみながら、やがて岩崎に対し罪滅ぼしを行なうことになります。
※原作、TBS版に岩崎は登場しません。
⑤財前の妻・冬美の存在
WOWOW版では、財前道生(渡部篤郎)の妻・冬美(奥田恵梨華)がたびたび登場します。冬美は心臓が悪く入院中で、いつ命が消えるかわからない身。一刻も早く財前が成し遂げるロケットの打ち上げを見たいと願います。
この病身の冬美の存在が、最終回で暗示される「人工心臓パーツの開発」という未来への布石になります。※原作、TBS版に冬美は登場しません。
⑥江原の恋人・智美の存在
WOWOW版では、池内博之が演じる営業部若手リーダー・江原春樹の存在に多くのスポットが当てられています。
江原には恋人・鈴木智美(原田夏希)がおり、智美は帝国重工広報部に所属しています。智美は弱小企業で苦悩する江原を時に励まし時に突き放します。※原作、TBS版に智美は登場しません。
⑦娘・利菜が中学生 家出をする
TBS版では演じる土屋太鳳との兼ね合いからか、娘・利菜は高校生という設定ですが、WOWOW版では中学生として登場します(演じるのは美山加恋)。
WOWOW版で利菜は佃家から家出し、母・沙耶(水野真紀)のもとへ行っています。※原作に家出のシーンはありません。