NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」8月11日(木)放送回で、「花子とアン」でも話題となった甲州弁が登場しました。
この記事では、「とと姉ちゃん」「花子とアン」で登場した甲州弁についてまとめます。
「こぴっと」「て!」水田両親の甲州弁
息子の正平(伊藤淳史)と鞠子(相楽樹)との結婚報告を受けて、嬉しさのあまり甲府から上京し、東京の小橋家を突撃訪問した水田國彦(筧利夫)とムメ(高橋ひとみ)。
二人の口から飛び出した「甲州弁」は、2014年に放送された朝ドラ「花子とアン」で繰り返し登場したものであり、朝ドラファンにとっては聞き慣れたものでした。
以下、水田の両親が発した甲州弁をピックアップします。
・悪いじゃんねー、はちみつ忘れてきちまっとー
・わしゃあ本心からほう思ってるですよ
・立派ですなあ 会社を興してこぴっと生計を立ててらっしゃる
・おまんにわしのかわりは無理ずらー
・て!正平がですか!
・正平の嫁になってくれるなんて、ふんとに嬉しくてー
・うちなんかはただの田舎の百姓でごいすから
以上のように、「じゃんねー」「こぴっと(しっかりと)」「て!(驚いた時に使う)」「ごいす(=ございます)」など、「花子とアン」でもお馴染みの言い回しが登場しました。
「とと姉ちゃん」も「花子とアン」も同じNHK東京製作により作品ですから、オマージュ的に同じような方言を登場させたのかも知れませんね。
※ちなみに、父・國彦役の筧利夫は「とと姉ちゃん」の物語スタートの地である静岡県浜松市出身、母・ムメ役の高橋ひとみは東京都出身。筧利夫は遠州弁を熟知しているでしょうから、少し似た傾向を持つ甲州弁も話しやすかったかも知れません。
・「とと姉ちゃん」で話される方言・遠州弁とは 口癖は「どうしたもんじゃろのう」
「花子とアン」に登場 山梨県の方言とは
甲府を中心とした山梨県西部は国中地方(くになかちほう)と呼ばれます。山梨県内でも県東部の郡内地方(ぐんないちほう)では「西関東方言」が、「花子とアン」や「とと姉ちゃん」に登場した甲府を含む県西部では「東海東山方言」の一種が話されています。いずれもアクセントは東京式です。
西部の国中地方は富士川や諸街道の影響で南の静岡方面の言葉と似ており、「ずら」「じゃんねー」といった言葉が多く出てきます。
参考までに、「花子とアン」に登場した甲州弁には以下のようなものがありました。
・お早うごいす(=ございます)
・おまえらも早起きじゃんねー・待ってくりょう!(=待ってください!)
・行ってこいす
・おっかあ早くいっけし(行きなよ)
・おらのことは花子と呼んでくりょう!
・仲良くしろし(=しなさい)
・て!
・はなの気持ち、こぴっと受け止めてやってくりょう!
・あんたじゃなきゃだめど!