「花子とアン」6週目では、厳かな「葉山伯爵邸」が登場。葉山蓮子が兄からとても重い内容の懇願をされています。
この記事ではこの「葉山伯爵邸」が撮影されたロケ地「音羽御殿」についてご紹介します。
葉山伯爵邸は「音羽御殿」だった!
兄・晶貴(飯田基祐)から葉山邸に呼び出され、九州の石炭王・嘉納伝助との見合いを懇願される蓮子(仲間由紀恵)。
その現場となった厳かな雰囲気の葉山邸ですが、この外観などの撮影にはなんとあの「鳩山会館」(東京都文京区・通称「音羽御殿」)が使用されているそうです。道理で風格のある建築だと思いました(笑)。
▲戦後政治の舞台となった「鳩山会館」。宇宙人・鳩山由紀夫氏でもお馴染み
Photo by : Yasuyuki HIRATA
昭和戦後史の舞台となった歴史的建築物
「音羽御殿」と言えば第52~54代内閣総理大臣・鳩山一郎の私邸として建設され、自由党(現・自由民主党)の創設など数々の戦後政治史の舞台となった場所。鳩山一郎の孫にあたる鳩山由紀夫が首相だった数年前にも、「音羽御殿」の名前はテレビ等でしばしば聞かれました。
Photo by : 塩崎伊知朗(Wikipediaより転載)
「音羽御殿」の設計は大正から昭和初期にかけて活躍した建築家・岡田信一郎。関東大震災直後の1924年(大正13年)に建てられました。鳩山一郎の死後、老朽化が進んでいた「音羽御殿」でしたが、1995年に大規模な修復工事が行なわれ「鳩山会館」として一般に公開されるようになりました。
当時としては珍しい鉄筋コンクリート造りで、「鳩山」にちなんだ「ハト」「ミミズク」などの鳥をモチーフにした装飾で知られます。現在は1階の食堂、応接室、サンルーム、2階の大広間(元寝室)、鳩山一郎記念室、それにイギリス風の庭園などが一般に公開され、日本の政治を動かしていた現場の、往時の雰囲気を追体験できます。
▲ディテールにもこだわりが。
Photo by: wakanmuri
ドラマロケ地、写真愛好家撮影スポットとしても
この「鳩山会館」。スチール撮影やドラマ撮影などに利用できることから、しばしばメディアにも登場している模様です。最近ではTBS系ドラマ「花より男子」、フジテレビ系ドラマ「リッチマン、プアウーマン」、それにアニメの「アイドルマスター」などにロケ地(聖地?)として登場しています。
一般見学者も、「鳩山一郎記念室」など一部の部屋を除けば気軽に写真撮影が出来ることから、撮影散歩スポットとして人気があります。
「花子とアン」ロケ地・明治期の建築、街並み巡り
朝ドラの題材として明治~大正時代は人気のある時代ですが、何かと困るのが当時の雰囲気を再現できるロケ地の確保。
「花子とアン」においても愛知県の「博物館明治村」や茨城県の「ワープステーション江戸」、「千葉県立房総のむら」、それに廃校になった茨城県の小学校などなど、さまざまな場所がロケ地として登場しています。どの場所も魅力的な建築物や街並みが見られるので、「花子とアン」の聖地巡りも兼ねてロケ地を訪ねてみると楽しいと思われます。
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鳩山会館DATA
住所:東京都文京区音羽1丁目7番1号
アクセス:東京メトロ有楽町線「護国寺駅」「江戸川橋駅」からそれぞれ徒歩7〜8分
休館日:月曜日(祝日の月曜は開館し、翌日は休館)、1~2月と7~8月は休館し、資料整理、修繕を行う
入館料:一般500円 学生300円 小中学生200円など(団体は20名以上で10%割引)