NHK連続テレビ小説「あんぱん」第9回(4月10日)放送より。母・登美子からのハガキをもらった嵩は、母に会いたい気持ちをつのらせた末に母がいる高知市内まで一人で歩いて行っています。
この嵩の突飛な行動に対し、ネット上では子供が御免与町から高知まで歩けるのかという疑問の声があがっていましたので、御免与町にモデルである後免町から高知市内までの距離を考えてみます。
登美子のハガキの住所は「高知県高知市片倉新町」
「用事がある」と言って寛(竹野内豊)の家を出ていって以来、音信不通になっていた嵩と千尋の母・登美子(松嶋菜々子)。
第9回放送では嵩(木村優来)のもとに登美子からハガキが届くと、嵩と千尋は母に会いたい気持ちをつのらせ、ついに嵩は一人で登美子に会いに行く決意をします。登美子がくれたハガキの宛名と差出人は以下のようになっていました。登美子の名字が書かれていないのが切ないですね。
(宛先)高知縣長岡郡御免与町十番地 柳井嵩様
(差出人)高知縣高知市片倉新町二十九番地 登美子
嵩は食事中(朝食?)に突然家を抜け出すと、御免与町の商店街を抜けて高知市内へと歩き出します。
家から出発した直後、嵩は御免与町の商店で草吉(阿部サダヲ)に遭遇すると「おじちゃん、高知の町なかって歩いていける?」と草吉に質問。「ああ、汽車に乗っていけばすぐだぞ。まっ、歩きでも線路沿いに行けば着くだろうがよ」とアドバイスを受けています。
結局嵩は歩いて高知市内までたどり着いたようで、独力で登美子が住む「高知市片倉新町」の民家までたどり着いています。
【追記】翌日の第10回放送では、嵩が高知市内から御免与町への帰路の途中に海岸(太平洋)に立ち寄っています。後述しますが御免与町と海岸はまったくの別方向です。
▼高知市と後免町(柳瀬医院があったやなせたかし・ごめん駅前公園)の位置関係はこんな感じ。嵩は帰路に海(太平洋)に立ち寄っていますので、とんでもない距離を歩いたことになります。
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後免町から高知市内までの距離は10km以上
果たして都会育ちの8歳児・嵩が歩いて御免与町から高知市内までたどり着けるのか?とツッコみたくなる第9回の展開。
マピオンによる距離計測サイト「キョリ測」で後免町から高知市内までの距離を計測してみました。
起点はやなせたかしが暮らした旧柳瀬医院の跡地を整備した「やなせたかし・ごめん駅前公園」、終点は仮に高知市内の中心部「はりまや橋」付近にしておきましょうか。
それによれば、後免町から高知市中心部までは直線距離でちょうど10kmほど。
ヤムおんちゃんがアドバイスしたように線路沿い(というか線路上)を歩いた場合(JR土讃線、後免駅→高知駅)は、片道約11.5kmくらい。途中で国分川と久万川という大きな川を超えなくてはならず、なかなか危険なルートです。
ChatGPT(生成AI)に「8歳児が11.5km歩くのにどれくらいの時間がかかる?」と質問してみたところ、「8歳児が11.5kmの距離を歩いた場合、かかる時間はおおよそ 3〜4時間 くらいが目安です。ただしこれは休憩を含めた現実的な所要時間です」との返答を得ました。
嵩は8歳児にしては小柄であり、都会育ちで絵ばかり描いているので体力はなさそう。そう考えると片道5時間くらいはかかりそうですね。
朝食(または昼食?)を抜け出して高知へ歩き出したであろう嵩。往復10時間近くをかけ、一日がかりで登美子に会いに行ったことになります。
前作「おむすび」では大阪の結の家と神戸の実家・米田家のマンションがまるで徒歩5分の距離かのように描かれており視聴者から多くのツッコミが見られましたが、町同士の距離感がバグるのは朝ドラあるあると言えるでしょう。
【追記】嵩は帰路に海岸に立ち寄っています。高知市中心部から海岸までは直線距離で7kmくらい、そこから後免町へは直線距離で9kmほど。実際には直線で行けるわけではありませんから、嵩は20km以上の道のりを歩いて海岸経由で御免与町に帰ったことになります。