NHK連続テレビ小説「あんぱん」第51回(2025年6月9日放送)より。小倉連隊に入営した嵩は、そこで学生時代からの親友・辛島健太郎と再会することになります。
健太郎は炊事班に所属しているとのことで、嵩やコン太が食べた夕食のライスカレーは、健太郎が作ったものかも知れません。
嵩よりも一足先に出征 いつもより辛いカレーでお別れした辛島健太郎

嵩の東京高等芸術学校時代からの親友で、長らくルームメイトとして苦楽をともにしてきた「健ちゃん」こと辛島健太郎(高橋文哉)。
学校卒業後は嵩が製薬会社の宣伝部、健太郎が広告事業社で働き始め、相変わらずルームメイトとして平和な日々を過ごしていました。
就職から一年以上が過ぎた1941年(昭和16年)12月。真珠湾攻撃が行われて太平洋戦争が開戦すると、健太郎のもとにも召集令状が届いています(第47回)。
健太郎は会社の取引先の食堂に食材を分けてもらい特製のカレーライスを作ると、それを嵩に振る舞っています。
「今日、なんか変じゃない?健ちゃん。カレーも辛いし」
疑問を呈する嵩に対し、健太郎は「文句言わんで食いい。今日で最後っちゃけん…」「赤紙が来たとよ。やけん、明日福岡帰るったい」と出征の事実を伝えています。
翌日、慣れ親しんだ銀座で「生きて…また会おう」と誓いあった二人。
嵩「夕べのカレー、辛かったけど美味しかった。また作ってくれよ!」
健太郎「よかばい!」
そんな約束をして、二人は別れています。
▼「アンパンマン」の人気キャラクター・カレーパンマンをモチーフとする人物では?と噂される辛島健太郎。カレーパンマンには「空腹の者にはカレーライスを提供する」「カレーが辛いとテンションが上がる」といったキャラクター設定があります

小倉連隊で健太郎と再会 一等兵の階級章をつける健太郎
健太郎の出征から半年後の1942年(昭和17年)6月。
嵩は小倉連隊に入営すると、そこで健太郎とまさかの再会を果たすことになります(第51回)。
健太郎「新兵!たるんどるぞ!立て!」
嵩「はい!申し訳ありません!…健ちゃん?」
健太郎「お前、何だと!?」
嵩「どうしちゃったんだよ…?」
靴磨きをしていた時に上官らしき人物から声を掛けられ、それが健太郎であることに気がついた嵩。しかし健太郎にあの頃のような無邪気さはなく、嵩はショックを受けることになります。
それもそのはずで、健太郎の襟元には「赤地に二つ星」の階級章があり、一等兵に昇格していることがうかがえます。入営したばかりの嵩はまだ一番下の階級である二等兵であり、二人は階級が違うのです。
【6月10日追記】この直後、嵩がワッサワッサワッサリンノ〜♪と思い出の歌である「図案科の歌」を歌うと、健太郎もそれに続けて歌唱。健太郎は軍人から友人の表情に戻り、何も変わっていないことが判明しています。


炊事班所属の健太郎 夕食のライスカレーは健太郎作か
事前公表のあらすじによれば、健太郎は小倉連隊の炊事班に所属し、隊の食事作りの任務を担っているようです。
第51回放送では、小倉連隊の夕食として「ライスカレー」が登場。嵩はよそったカレーの芋の数が違うとして古参兵の馬場(板橋駿谷)と甲田(萩原涼介)からボコボコに殴られています。
この小倉連隊のライスカレーは、見た目が第47回に登場した健太郎特製のカレーライスにそっくり。炊事班に所属する健太郎が作った可能性がありそうです。
嵩は慣れない軍隊生活のストレスでほとんどライスカレーを食べられませんでしたが、同僚の幼なじみ・今野康太(櫻井健人)は「軍隊は天国や。ライスカレーはうまいにゃ。」と爆食。よほど美味しいライスカレーなのでしょうね。
ここからは独自予想となりますが、健太郎の内面は何も変わっておらず、表面的に軍人として振る舞っているだけだと思われます。健太郎は一等兵、嵩は二等兵で階級に差があり、表立って仲良くするわけにはいきませんからね。
今後、嵩は健太郎のライスカレーの味に励まされ、辛い軍隊生活を乗り越えていくのではないかと予想します。
また、後に小倉連隊には中国・福建省への出動命令が出ますが、この遠征先で嵩と健太郎は広報部隊である「宣撫班」(現地民に占領の正当性を宣伝するため、紙芝居などの娯楽を提供する)に所属。
二人は紙芝居づくりなどを通して、芸術学校時代を思わせるクリエイティビティを発揮していくはずです。
