NHKよるドラ「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」に登場する阿佐ヶ谷の中華料理店「朝來(ちょうらい)」のモデルになっている店をまとめます。
このモデルとなっている店は実際に阿佐ヶ谷姉妹が通う愛すべき「町中華」。お二人が店で体験した大将との交流やエピソードなどをモチーフに、ドラマの「朝來」夫婦が描かれていきます。
阿佐ヶ谷の中華料理店「朝來」
阿佐ヶ谷北口商店街にあるという設定の中華料理店「朝來」。寡黙な大将・村野英明(宇崎竜童)と優しい女将・村野孝代(いしのようこ)が営む、古き良き町の中華料理屋です。
大将の英明は、「阿佐ヶ谷姉妹」というコンビ名は自分が名付け親だと自負していますが、妻の孝代によればそれは単なる勘違いとのこと。
いずれにしても、夫婦揃って阿佐ヶ谷姉妹のことを応援してくれる温かいお店であり、阿佐ヶ谷姉妹がこの町を長年愛する理由のひとつにもなっています。
モデルは阿佐ヶ谷の「朝陽」か
よるドラ「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」は、阿佐ヶ谷姉妹による同名エッセイが原作。姉の渡辺江里子、妹の木村美穂の温かく平和な筆致により、阿佐ヶ谷でのゆるーい日々が綴られています。
この本を読んだ限り、ドラマに登場する「朝來」は、阿佐ヶ谷の名店「朝陽」がモデルではないかと考えられます。
※「朝來」は阿佐ヶ谷北口商店街にあるという設定ですが、店舗シーンの撮影は愛知県名古屋市中村区にある「中国料理富士」で行われています。
・NHKよるドラ「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」判明しているロケ地まとめ(杉並区、名古屋市)
エリコさんのエッセイ「朝陽のこと」
同著に収録された姉・エリコさんによるエッセイ文「朝陽のこと」には、エリコさんが大学時代から愛してやまないという阿佐ヶ谷の中華の名店「朝陽(ちょうよう)」に関する思い出が綴られています。店名や業種などから、ドラマに登場する「朝來」が「朝陽」をモチーフとしていることは間違いないでしょう。
エッセイ「朝陽のこと」には、結成間もない阿佐ヶ谷姉妹の「後援会長」に名乗り出てくれた大将との交流、長年の付き合いの中で奥様が亡くなられ、その際に悲しみを大将と共有した出来事(※第6話で描かれる?)などが丁寧に書かれています。
・よるドラ「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」第6話 朝來の女将・孝代が亡くなる 実話がモデル
ミホさんのエッセイ「川秀の思い出」
一方、第2話で「朝來」の女将さんが言及した、阿佐ヶ谷姉妹の真の名付け親「鰻屋の市原さん」。
こちらは現在は閉店してしまった鰻屋「川秀」がモチーフになっていると考えられます。「川秀」については妹・ミホさんによるエッセイ「川秀の思い出」に詳細が描かれています。
川秀のご主人が阿佐ヶ谷姉妹の名付け親となった経緯、仲睦まじい川秀のご夫婦との交流などが、ミホさんらしいゆるやかな文体で優しく綴られています。
▼「朝陽」「川秀」のエッセイは、「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」の中でも特に心に残る名文。江里子さん、美穂さんの人柄そのままの温かい文章は、読んでいるだけで幸せな気持ちになります。アマゾンのキンドル版(電子書籍)で購入すればわずか400円で楽しめてしまうのでオススメですよ。また、200万冊以上が読み放題となる Kindle Unlimited(30日間無料期間あり)対象作品でもあります。
阿佐ヶ谷の名店「朝陽」
残念ながら「川秀」はご主人の体調により閉店してしまいましたが(その後も交流は続いているそうです)、「朝陽」は阿佐ヶ谷の歴史を語る名店として健在です。
「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」の中で語られるエリコさんの大好物「にら玉定食」、癖になる「麻婆味の春雨」をはじめ、朝陽には常連に深く愛されるメニューがたくさん。阿佐ヶ谷姉妹は常連さんたちからテレビで朝陽を紹介しないでくれ、と懇願されているとか。
場所は、昔ながらの街路の風情が残る阿佐ケ谷駅北側・松山通り(旧中杉通り)の中程。ドラマに登場する煎餅屋「七万煎餅」のモデルになっている「八幡煎餅」にもほど近い場所にあります。
▼文化遺産に登録したくなるような、朝陽の店構え。阿佐ヶ谷の知る人ぞ知る名店です。