NHK連続テレビ小説「ばけばけ」でレフカダ・ヘブン先生が英語を教えることになる松江中学校。
その校舎外観のロケ地と、松江中学校のモデルになっている島根県尋常中学校(現在の県立松江北高校)についてまとめます。
校舎外観ロケ地は滋賀県・近江八幡市立八幡小学校
第26話では、ヘブン先生(トミー・バストウ)が緊張の面持ちで勤務先となる松江中学校に初出勤する姿が描かれています。
世話役である錦織友一(吉沢亮)とともに初出勤したヘブン先生は、松江中学校の校舎の前で「とても緊張しています」と錦織に語っています。
白い瀟洒な外観が印象的な松江中学校の校舎外観シーンは、滋賀県近江八幡市にある市立八幡小学校(滋賀県近江八幡市本町5丁目5)で撮影されています。
1873年(明治6年)に開校した八幡東小学校と八幡西小学校にルーツを持つ八幡小学校。八幡尋常小学校、宇津呂尋常高等小学校、八幡国民学校などと改称を重ねながら、戦後には現在の市立八幡小学校になっています。
「ばけばけ」のロケ地となった八幡小学校の古い洋風の校舎は、1917年(大正6年)に田中松三郎によって設計されたもの。
滋賀県内に多く見られるヴォーリズ建築(アメリカの建築家 ウィリアム・メレル・ヴォーリズ。近江八幡を拠点に活動しコロニアル・スタイル、スパニッシュ・スタイルなど様々な様式の建築物を設計。関西を中心に多くの作品を残した)の一つであり、現在も現役の校舎として使われています。
八幡小学校は、1987年(昭和62年)に放送された朝ドラ「はっさい先生」でもヒロインが英語教師として働く「上本町中学」の校舎ロケ地として登場しています。


松江中学校のモデルは島根県尋常中学校(現在の県立松江北高)
「ばけばけ」に登場する松江中学校は、ヘブンのモデルであるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が1890年(明治23年)に教鞭をとった島根県尋常中学校(現在の島根県立松江北高校)がモデルになっています。
1876年(明治9年)に開設された「教員伝習校内変則中学科」(旧制中学校)をルーツとし、「松江中学」「島根県第一中学校」と改称された後に1886年(明治19年)の中学校令により「島根県尋常中学校」と改称されていた同学校。
当時40歳だったハーンはこの島根県尋常中学校と島根県尋常師範学校(現・島根大学)の英語教師として迎えられると、西洋的な先入観にとらわれない人柄もあり、生徒たちから「ヘルン先生」と呼ばれて親しまれたそうです。
当時この島根県尋常中学校の教頭だったのが、同校の教育改革や経営改善などを手掛けていた教育者・西田千太郎(「ばけばけ」錦織友一のモデル)でした。
西田千太郎はハーンを同校の英語教師として迎えると、ハーンと友好を深めるとともに、ハーンとセツ夫人(「ばけばけ」松野トキのモデル)との結婚を仲介したとされます。
島根県尋常中学校は今も島根県立松江北高校(島根県松江市奥谷町164)としてその歴史が受け継がれています。松江北高校は旧制中学校時代を含めれば島根県内で一番長い歴史を持つ公立の高等学校であり、「文武両道」「質実剛健」の理念のもとに教育が行われています。
