2017年4月から放送が始まる連続テレビ小説「ひよっこ」の、物語の最初の舞台となる茨城県の「奥茨城村(おくいばらきむら)」についてまとめます。
「奥茨城村」自体は架空の村ということになりますが、撮影地、ロケ地として実際に茨城・県北地域が登場しますので、あわせてこの地域の概要をまとめておきます。
ヒロインは奥茨城村から東京へ
「ひよっこ」は、東京五輪が開催された1964年(昭和39年)から物語が始まります。
ヒロイン・谷田部みね子(有村架純)は雄大な自然に囲まれた故郷・奥茨城村から集団就職により東京下町に上京。出稼ぎに出たまま行方不明になってしまった父・実(沢村一樹)を東京で探しながら、やがて都会に根ざして生きていくことになります。
奥茨城村は架空の自治体
この「奥茨城村」ですが、実在の自治体ではありません。NHKによれば、奥茨城村は「茨城県北西部にある山あいの村」とのこと。実在の市町村でいうと、茨城県高萩市を中心に、久慈郡大子町、常陸太田市など周辺一帯(福島、栃木県に接する県境地域)がモチーフです。
※みね子の家の住所は茨城県久那郡奥茨城村上賀宮岡 145。「久那郡(くなぐん?)」は茨城県北部に実在する「久慈郡」と「那珂郡」から創作した合成地名(架空)と思われます。
奥茨城村の撮影地
ひよっこの撮影地ですが、高萩市、大子町、それに少し南の常陸太田市などで行なわれているとの情報があります。
第一週放送で見られる谷田部家の朝の農作業シーンや、みね子が自転車で駆け抜けるシーンは高萩市内の山里で、「聖火リレー」のシーンは大子町で撮影がされたとの情報があります。ほかにも、大子町小生瀬の諏訪神社が撮影に使われたとの情報も。
また、県北地域の自治体や観光団体が「茨城県北ひよっこ推進協議会」(日立市、常陸太田市、高萩市、北茨城市、常陸大宮市、大子町)を立ち上げており、広域で観光客誘致や地域振興を行なっていくとのこと。こうしたことから、上記広域6市町が「奥茨城村」該当地域といえそうです。
▼大雑把なイメージ地図をつくってみました。実際の奥茨城村の村域は下図ほど広くないとは思いますが、おおよそ緑で囲った地域が該当地域にあたります。
▼劇中に登場した村内略図をもとに地図を作成してみました。みね子たちが住むのは、一番内陸側(西側)の「上賀」地区です。みね子の家は「上賀」の中でも奥地にあるようで、時子の家までは自転車で20分。時子の家から5分歩くと「上賀口」のバス停があります。バス停から高校(村外か?)までは「大郷駅行き」バスで40分の距離。
▼昭和の茨城、東京を舞台に、人情味あふれるストーリーが展開されそうな「ひよっこ」。
関東随一の農業県・茨城
茨城県といえば、関東でも有数の農業県として知られます。特に、栗(笠間市・かすみがうら市・石岡市など)、メロン、レンコン(霞ヶ浦周辺)、ピーマン(鹿行地区)、白菜、レタス、水菜などは日本一の生産量を誇り、首都圏のスーパーでは多くの茨城県産野菜が流通しています。
「ひよっこ」は、製作にあたり茨城県内の農家を丹念に取材。チーフプロデューザーによれば、そうした過程の中で「土とともに生きる」茨城の人々の強さや誇りを強く感じたとのことで、こうした土地の空気が、ヒロイン・みね子の人格設定に大きな影響を与えていきそうです。
また、架空の村・奥茨城村は関東地方に属するものの交通の便が悪く、東京は遠い別世界とのこと(東京都心からロケ地の高萩周辺までは、直線距離で130〜140kmほどの距離)。ヒロインの父・実は不作の年に作った借金を返すために東京に出稼ぎに出たきりになっており、オリンピックと高度経済成長に沸く1960年代の東京と、昔ながらの生活が残る奥茨城村とのコントラストも描かれていきそうです。