大河ドラマ「軍師官兵衛」第三回に登場・室津城はココ おたつ殺害は実在の悲劇がもとに

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1月19日放送NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」では、官兵衛の初恋の相手・おたつの非業の死が描かれます。この記事では、その現場となった室津城(現・兵庫県揖保郡御津町)と、室津で実際にあった花嫁の悲劇についてご紹介します。

室津城は室山城といわれ(以下、室山城で統一)、古くから栄えた瀬戸内屈指の良港・室津に築かれた城です。室津は天然の良港であるとともに海上交通の要衝であり、戦国時代には戦略的にも重要な城と位置づけられていました。姫路城からは西南西に20km弱の距離。

▼室津は、瀬戸内海に飛び出した小さな半島の漁村。室山城趾はこのへん。

室山城を語る上で欠かせない悲劇が、「軍師官兵衛」第三回で描かれる「おたつ」のエピソードの元になった史実。

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室津であった実話・花嫁の悲劇

播磨一帯で龍野の赤松村秀・政秀父子の勢力が台頭していた永禄9年(1566年)、室山城を居城とする浦上正宗は子・清宗の嫁に姫路・黒田職隆(官兵衛の父)の娘を迎え、黒田(小寺)氏と手を結ぼうとします。

ところが、それを知った赤松村秀・政秀父子はこれをチャンスと捉え、祝言の真っ最中だった室山城の浦上氏を急襲します。この戦により浦上父子、それに嫁いで来たばかりの嫁(黒田職隆の娘)が殺害されてしまいます。嫁いだばかりの可憐な花嫁も応戦し共に戦ったそうですが、無念の討ち死に。結局落城した室山城はそのまま廃城となります。

▼官兵衛を想いながらも、嫁ぎ先で無念の死を遂げる薄幸の「おたつ」を南沢奈央が好演。

おたつはドラマ上の架空人物?

「軍師官兵衛」第三回のおたつの悲劇は、この実話を元に描かれています。史実では嫁入りした黒田職隆の娘というのは職隆の養女、つまり官兵衛の妹に当たるようです。この「妹」がドラマ上では「おたつ」として描かれています。

江戸時代の室津は宿場として大発展

「悲劇の城」である室山城は現在、室津の港を見下ろす小山にわずかに石碑、土塁らしき遺構などの面影を残しています。観光用に大々的に整備されているわけではなさそうなので、あまり往時の雰囲気を期待しないほうがいいかも知れません。

室津は江戸時代になると、日本最大級の宿場として栄えます。西国大名の参勤交代の際に、海路で室津までやってきて上陸し、ここから陸路をゆくルートが一般的だったそう。その後、鉄道が内陸部に通されるなど室津の衰退は進みましたが、現在でも風光明媚な港町として、また旧市街地は景観形成地区として、良好な景観を保っています。

▼豪商の建物・回船問屋「嶋屋」を修復した廻船、参勤交代等の資料館、市立室津海駅館も見どころ。

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