【マッサン】国産第一号ウイスキー「白札サントリー」その広告コピーとは

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NHK連続テレビ小説「マッサン」に登場する鴨居商店は、日本初の国産ウイスキーを発売した寿屋(後のサントリー)がモデルになっています。寿屋は人々を魅了する巧みな広告宣伝で知られ、その遺伝子は現在のサントリーへと引き継がれています。

この記事では、日本初の国産ウイスキー「白札サントリー」発売時の、寿屋による華々しい宣伝広告の内容をまとめます。ドラマでは「鴨居ウヰスキー」というブランド名で登場します。

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目次

国産第一号ウイスキー「白札サントリー」

昭和4年(1929年)に寿屋から “日本初の国産ウイスキー” として発売された「白札サントリー」。ドラマ「マッサン」でもいよいよ第13週(12月22日~27日放送)に、「白札サントリー」がモデルと思われる「鴨居商店・第一号ウイスキー」が発売されます。

寿屋の「白札サントリー」は、明治維新以降「舶来盲信」が続いていた当時の日本人に挑戦状を叩き付けるが如く、華々しいコピーを駆使した新聞広告をぶち上げました。

白札の広告コピー「醒めよ人!」

「醒めよ人!舶来盲信の時代は去れり 酔はずや人 吾(われ)に国産 至高の美酒 サントリーウヰスキーはあり!」
(「ヒゲのウヰスキー誕生す」より引用)

当時、「本物」である輸入物の「ジョニー・ウォーカー(赤)」が五円であったところへ、「白札」は四円五十銭の強気な価格設定。舶来信仰が強かった当時の日本の市場に割って入るには、この決して安くない「白札」が舶来品に負けていないという、強い主張が必要だったのです。

寿屋の自信を前面に出したコピー

さらに、広告コピーは続きます。

「サントリーウヰスキーは本場 蘇格蘭(スコットランド)の風土を凌ぐ山崎在 天王山谷の大洋酒工場で内地移植の大麦を原料に 彼地(かのち)仕込み出藍(しゅつらん)の技師が 精根傾けて造り上げ 空気清澄な酒庫で まる七年貯蔵した生(き)一本! 恐らく舶来陶酔の虚栄は やがてもう昔譚(むかしばなし)となるでせう!」
(「ヒゲのウヰスキー誕生す」より引用)

天王山に抱かれる清冽な山崎の地で、最高の原料と技術を注ぎ込んで製造したウイスキーが、スコットランド産のモノに劣るわけがない。鳥井信治郎がこの製品に社運を懸けていた強い気持ちが見て取れます。

コピーライター・片岡敏郎

▼鳥井信治郎や片岡敏郎が生み出した寿屋の広告手法、遺伝子は、開高健らが在籍した後年の宣伝部へと受け継がれていきます。

この広告はコピーライター(当時は「アドライター」と呼ばれた)の片岡敏郎によってコピーライト、ならびに企画立案が行なわれました。片岡は鳥井に才能を買われ寿屋の広告部長に移籍。大ヒットした「赤玉ポートワイン」の広告も手がけるなど、当時の寿屋の広告宣伝部隊に欠かせない存在でした。

▼片岡敏郎が携わった「赤玉ポートワイン」のポスター。ドラマ「マッサン」でも「太陽ワイン」の衝撃ポスターが登場。
画像はWikipediaより転載(パブリックドメイン)

時代が追いつかなかった?

しかし、残念ながら「白札サントリー」はさっぱり売れませんでした。竹鶴政孝(マッサン)がこだわったスモークト・フレーバーの薫りが「煙臭い」「焦げ臭い」として、当時の日本人たちの舌に拒絶されたのです。

寿屋が日本人の舌に合うウイスキーを生み出すまでには、そこからさらに歳月が必要になります。鳥井信治郎の長きに渡る「トライ&エラー」の末に、ジャパニーズウイスキーは誕生するのです。

ドラマ「マッサン」では「目覚めよ日本人!」

ドラマ「マッサン」で登場する国産第一号「鴨居ウヰスキー」にも、不況に負けないための宣伝文句が付けられます。鴨居欣次郎(堤真一)の要請により、宣伝部の紺野(成河)らがいくつものコピーを考案。

「いざ天王山 ! ジャパンウイスキー 」
「利休が愛した鴨居のウイスキー」

といった案は却下されますが、

「目覚めよ日本人、
舶来品の時代は去りぬ!
メイドインジャパン
ここに極まれり!」

というフレーズが鴨居の琴線に触れたようで、金魚占いの後押しにより、採用されるようです。

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