【おちょやん】芝居茶屋「岡安」 モデルは道頓堀の芝居茶屋「岡島」

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NHK連続テレビ小説「おちょやん」に登場する芝居茶屋・岡安(おかやす)についてまとめます。

岡安は、ヒロインのモデル・浪花千栄子が居候兼女中として働いた芝居茶屋・岡島(岡嶋)がモデルとなっています。ただし、浪花千栄子が芝居茶屋に関わった時期などはドラマの時系列と多少異なりますので、そのあたりも含めてまとめます。

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目次

千代が奉公する芝居茶屋「岡安」

ヒロイン・竹井千代(杉咲花)は早くに実母を亡くし、ダメ親父・テルヲ(トータス松本)に振り回されるままに9歳で大阪・道頓堀の芝居茶屋・岡安に女中奉公に出されます。

当時の道頓堀といえば、多くの劇場や芝居茶屋が立ち並ぶ芝居の街。千代は岡安の女将・岡田シズ(篠原涼子)や主人・岡田宗助(名倉潤)、女中頭・かめ(楠見薫)らに厳しくも温かく見守られながら、少しずつ成長していきます。

千代は岡安で働く日々の中で、華やかな芝居の世界に魅了されていきます。やがて千代は奉公先を飛び出して京都へと向かうと、カフェー女給仲間の誘いもあり女優の道へと進み…。

※芝居茶屋は、芝居の街に立ち並ぶ劇場とセットのように存在するお茶屋。観客の席の確保、食事やお茶出しのサービスなどを行うほか、幕前や幕間に観客が一休みする場所として賑わいました。17世紀以降に芝居町として発展してきた大阪・道頓堀では芝居茶屋の歴史も古く、江戸時代末期には俗に「いろは茶屋」と呼ばれる四十八軒の芝居茶屋があったとか。各芝居茶屋には出入りの役者がおり、茶屋は彼らを贔屓・後援。これを茶屋の売り物とし、客を惹きつけました。

モデルは芝居茶屋「岡島」

劇中に登場する「岡安」は、ヒロインのモデルである実在の女優・浪花千栄子が(成人後に)居候兼女中として働き、喜劇役者の二代目・渋谷天外(本名・渋谷一雄。天海一平のモデル人物)が長年居候していた道頓堀の芝居茶屋「岡島」がモデルになっています。

天外が子供の頃、道頓堀には約二十軒の芝居茶屋があったそうで、浪花座の向かいにあったという岡島もそのひとつでした。

※「おちょやん」では千代の最初の奉公先として芝居茶屋「岡安」が登場しますが、史実では経緯が異なります。芝居茶屋「岡島」は、千栄子が京都の撮影所で女優デビューした後にフリーランス女優となった当時、アルバイト的に働いた職場。千栄子が少女時代に最初に奉公したのは仕出し屋「浪花料理」でした。

二代目・天外を食客(居候)として長年預かる

岡島は、喜劇役者だった天外の父、初代・渋谷天外の時代からの贔屓筋でした。

大正5年に初代が急死すると、岡島の主人や贔屓筋、劇団員らが話し合い、まだ幼かった初代の息子・一雄(後の二代目・渋谷天外。以下、天外と表記)を岡島の食客として預かることを決めています。

天外は初代の大切なボンボン、一人息子でしたから、初代の馴染みだった岡島が預かり、三味線や踊りなど役者・芸人としての稽古を与えながら丁寧に扱ったわけです。天外は、この岡島で主人や女将さんにうまく取り入ったり、台所の女中たちに言葉巧みに飯をたくさん食べさせてもらうなど、居候としての処世術を身につけています。

その後、天外はなんやかんやと長年居候の立場で岡島の世話になり、最初の妻となる浪花千栄子と結婚して新居(※)を構えるまで、岡島に寄宿していたそうです。※岡島のツテにより、二人は大阪・住吉に新居を構えたとか。

浪花千栄子は居候兼女中で岡島へ

一方、天外の最初の妻となる女優・浪花千栄子(本名・南口キクノ)。9歳で道頓堀の仕出し屋「浪花料理」に奉公に出され、その後も父親の借金のために様々な年季奉公を強いられた末に、17歳で京都へと逃亡しています。

千栄子は逃亡先の京都で「カフェ・オリエンタル」の女給として働くうちに、女給仲間の推薦を受けて、女優としてのキャリアをスタートさせています。

村田栄子一座、東亜キネマ(等持院撮影所)、帝国キネマと移り映画作品に出演するうちに、ちょっとした人気女優となっていた千栄子。しかし帝国キネマで給料の未払いを経験しフリーランス女優に転じると、不安定だった収入を補うために、かつて奉公した浪花料理の親戚筋に当たる芝居茶屋・岡島で居候兼女中として働きはじめます。

千栄子は、この頃に岡島の居候としてブラブラしていた天外と出会っています。やがて若い二人は親密になり、岡島の主人らが親代わりとなって結婚に至っています。

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