2015年放送のTBSドラマ「下町ロケット」では、物語後半は「ガウディ計画編」と題され、心臓弁膜症患者向けの「人工弁」の開発プロジェクトの様子が描かれました。
この記事では、ドラマに登場する架空のプロジェクト「ガウディ計画」について、ネーミングの由来などについてまとめます。
「ガウディ計画」は心臓弁膜症患者向けのプロジェクト
「下町ロケット」(2015年)は第5話までの「ロケット編」からうってかわり、第6話からは三年後の佃製作所の新たな挑戦を描く「ガウディ計画編」が始まります。
「ガウディ計画」とは、佃製作所が新たなチャレンジとして取り組むことになる心臓弁膜症患者向けの「人工弁」の開発プロジェクトの名称、コードネームです。
佃製作所を退社して大学の先端医療研究所の研究員として働く真野賢作(山崎育三郎)から、「ガウディ計画」の成功のために協力して欲しいと依頼された佃製作所は、新しい挑戦として同プロジェクトに参画することになります。
▼参考オススメ記事:心臓弁膜症の症状の一つ、「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべん・へいさふぜんしょう)」を体験したとあるマンガ家の体験ブログ。病気のわかりやすい説明、突然に降りかかった病気に恐怖する患者の心境などが、コミカルに読みやすくまとめられています。
リンク:僧帽弁閉鎖不全症とは?【ハツ手術 / 心臓手術体験マンガ】
株式会社サクラダによる発案
原作「下町ロケット2」によれば、「ガウディ計画」の名称は、同プロジェクトの研究開発に協力している株式会社サクラダの桜田章(石倉三郎)による発案です。
桜田章はかつて心臓の病気で17歳の娘・ユイを亡くしており、小さな子供にも適用できる新しい人工弁の開発に情熱のすべてを注いでいます。
サクラダは桜田経編(たてあみ)を親会社に持ち、同プロジェクト推進のために立ち上げられた福井の会社です。サクラダ並びに親会社である桜田経編は、車のシート素材など特殊繊維を中心とした「編み物」が得意。新型の人工弁に必要となる、医療用の「特殊繊維」を編む技術を持っている企業なのです。
アントニ・ガウディの教会建築「サグラダ・ファミリア」
Photo by: Serge Melki
「ガウディ計画」は、「株式会社サクラダ」の名前から連想されるスペイン・バルセロナの教会建築「サグラダ・ファミリア」(建築家 アントニ・ガウディ作)を元に、桜田章が命名しています。新しい人工弁が完成した暁に稼働を始める同社の「編み機」には「GAUDI」の文字が貼られており、桜田章のこの計画への決意が見てとれます。
十九世紀から建築が始まり、今現在も建築が続いている世界遺産「サグラダ・ファミリア」は、桜田章いわく「斬新なアイディアでコツコツと理想に向かう姿が、我々が目指す究極の研究の形と合致している」とのこと。
完成は300年後とも言われ、永遠の「未完成建築」と思われていた「サグラダ・ファミリア」ですが、現在では2026年に完成予定であるとの発表がなされています。