「虎に翼」寅子と航一は再婚せず「事実婚」に?「佐田姓」「星姓」選択問題で悩む寅子

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NHK連続テレビ小説「虎に翼」第21週(8月19日〜)では、星航一との再婚話を進めていく寅子が「佐田姓」を選ぶべきか「星姓」を選ぶべきか深く悩んでいくことになります。

史実モデルである三淵嘉子は二度目の結婚の際に相手方の名字に変えていますが、「虎に翼」では史実と違う展開が描かれる可能性が出てきています。

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目次

【虎に翼】星姓?佐田姓?再婚でどちらかの名字が変わってしまう問題

星航一(岡田将生)からのプロポーズを受けて再婚を考え始める寅子(伊藤沙莉)ですが、この結婚にあたり、ある重大な問題が発生していくことに気が付きます。

もし再婚をするとなると、法律上の制約により、航一と自分のどちらかが必ず名字を変える必要が生じるのです(夫婦同氏制)。

寅子は、優三と共に生きた日々の証である「佐田姓」を引き続き名乗るべきか、新たに「星姓」を名乗るべきかで深く悩んでいくことになります。

そんな寅子の姿を、優未(毎田暖乃)は心配そうに見つめており…。

▼日本の夫婦の「氏」制度の変遷。夫婦同姓の歴史は意外に浅いです。

※日本の氏の制度の変遷(法務省のホームページより一部引用)

★明治9年・太政官指令
妻の氏は「所生ノ氏」(=実家の氏)を用いることとされる(夫婦別氏制)
※ 明治政府は,妻の氏に関して,実家の氏を名乗らせることとし,「夫婦別氏」を国民すべてに適用することとした。なお,上記指令にもかかわらず,妻が夫の氏を称することが慣習化していったといわれる。

★明治31年・民法(旧法)成立
夫婦は,家を同じくすることにより,同じ氏を称することとされる(夫婦同氏制)
※ 旧民法は「家」の制度を導入し,夫婦の氏について直接規定を置くのではなく,夫婦ともに「家」の氏を称することを通じて同氏になるという考え方を採用した。

★昭和22年・改正民法成立
夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称することとされる(夫婦同氏制)
※ 改正民法は,旧民法以来の夫婦同氏制の原則を維持しつつ,男女平等の理念に沿って,夫婦は,その合意により,夫又は妻のいずれかの氏を称することができるとした。

航一と寅子の再婚話が進むのは1955年(昭和30年)頃のことですから、二人が再婚するのであれば、「改正民法」に従いどちらか一つの姓を選択して名乗ることになります。

【史実】再婚相手の姓を名乗った三淵嘉子 長男は旧姓を貫く

朝ドラ「虎に翼」モデル・三淵嘉子の家系図(武藤家、三淵家)
朝ドラ「虎に翼」モデル・三淵嘉子の家系図(武藤家、三淵家)

寅子のモデル人物である三淵嘉子(出生名・武藤嘉子)は、戦前に書生の和田芳夫と結婚して「和田嘉子」となり、長男の和田芳武を出産。その後に夫の芳夫が戦病死をすると、嘉子は10年近くの時間を(和田姓のまま)シングルマザーとして過ごし、弟夫婦らの協力を得ながら芳武を育てています。

夫を亡くしてから約10年後の1956年(昭和31年)。嘉子(当時41歳)は仕事の関係で知り合った初代最高裁長官の息子で裁判官の三淵乾太郎(当時50歳)と再婚。これにより嘉子は息子の芳武とともに三淵家で暮らすようになり、乾太郎の連れ子たちとの賑やかな共同生活を開始させています。

最初の夫である和田芳夫との死別後、嘉子は旧姓である「武藤」に戻すことはなく、ずっと和田姓を名乗っていました。

しかし乾太郎との再婚にあたり、嘉子は新たに三淵姓を名乗るようになっています。一般的に使われる「三淵嘉子」という名称は、この再婚相手の名字を名乗ったことによるものですね。

なお、息子の芳武は母の再婚後も亡き実父の姓である和田姓を名乗り続けたそうです。

芳武本人は「名前が変わると学校で面倒だ」などと言っていたそうですが、もしかしたら亡き父の名字を捨てたくない、という気遣いもあったのではないかとされます。

【虎に翼】寅子と航一は結婚せずに「夫婦のようなもの」に?

この史実通りのストーリーになるとすれば、寅子は再婚後に「星寅子」を名乗るようになり、優未は亡き父の名字を守るために「佐田優未」のままでいる、という「親子別姓」の選択が行われることになります。

ただし、8月22日放送分のあらすじは以下のようになっており、寅子と航一が再婚しない可能性が出てきています。

【8月22日分・あらすじ】
航一(岡田将生)からそこまで悩むのなら結婚をやめようと告げられた寅子(伊藤沙莉)。それは婚姻届を出す結婚をやめようという意味で、「佐田寅子の夫のようなもの」になるという決意だった。紆余(うよ)曲折あったが、お互いそれぞれの名字を名乗った上で「夫婦のようなもの」になることを決め、百合(余貴美子)とも和解。そして直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の結婚式が盛大に行われる。

どうしてもどちらかの姓を選ぶことが出来ない寅子に対し航一が提案した解決策は、婚姻届を出すという形の結婚をせずに、「お互いそれぞれの名字を名乗った上で夫婦のようなものになること」。

最近増えている、いわゆる「事実婚」という形ですね。

優三との結婚経緯などもそうですが、「虎に翼」では史実モデルの三淵嘉子の人生をたびたび改変しており、このあたりは議論が巻き起こりそうですね。

▼なにやら一癖ありそうな星家の面々。ドラマ終盤を盛り上げてくれそうです。

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