NHK連続テレビ小説「虎に翼」第21週、8月21日（水）の第103回に、シンガーソングライターの中村中（なかむら・あたる）が登場するようです。
現在のところ中村中が演じる役柄は公表されていませんが、事前公表されているあらすじから役どころなどを予想してみたいと思います。
轟太一の恋人が紹介される第21週
「虎に翼」第21週（8月19日〜）では、轟太一（戸塚純貴）が同性の恋人である遠藤時雄（和田正人）を寅子（伊藤沙莉）に紹介することに。
星航一（岡田将生）と結婚するべきか悩んでいた寅子は、轟と遠藤の前で配慮のない自身の結婚観（子供を作らないのに結婚する意味はあるのか等）を語ってしまい、反省することになります。
8月21日（水）の第103回放送ではこうした流れを受けてのものと思われる、轟のある行動が描かれます。NHK番組表に公表されている同日のあらすじは以下の通り。
星家にやってきた寅子（伊藤沙莉）と優未（毎田暖乃）。団らんの食事が進む中、航一（岡田将生）は家族にある提案をする。航一の継母・百合（余貴美子）は大反対する。航一の長男・朋一（井上祐貴）、長女・のどか（尾碕真花）はそれでも構わないと言うが―。そんな中、轟（戸塚純貴）の提案で、寅子は優未と航一と、轟の仲間たちの集まりに参加することになる。
【出演】伊藤沙莉，岡田将生，森田望智，土居志央梨，平岩紙，戸塚純貴，和田正人，毎田暖乃，井上祐貴，尾碕真花，中村中，余貴美子，松山ケンイチ
中村中が出演 轟の仲間・山田役
この日のあらすじを読む限り、轟は自身と同様に性自認、ジェンダー問題に悩む人達が集まるグループに、寅子、優未、航一を招待するのではないかと予想します。
そして注目は、この日の放送の出演者欄にシンガーソングライターの中村中（なかむら・あたる）の名前があることでしょう。
【8月21日追記】その後、中村中の役柄が判明。中村中が演じたのは、轟や遠藤たちが継続的に孤児たちにおにぎりを配るなどの活動をしているグループの仲間「山田さん」役。山田さんは上野でバーを経営している人で、男性の体に生まれて女性に性転換手術を受けた経験を持ちます。
中村中といえば、「友達の詩」「リンゴ売り」「風立ちぬ」などの曲で知られる39歳の人気シンガーソングライター。
男性の体に生まれ（戸籍上は男性）性自認が女性であるといういわゆる「トランスジェンダー」当事者でもあり、自身の性自認が商売の宣伝のタネに使われたりと苦悩（※）を持ち続けてきた人でもあります。
※中村中の苦悩 具体的には？
・新曲を発売する際に売れるための手段としてトランスジェンダーのカミングアウトを周囲から説得され公表。結果的につらい思いをした。
・カミングアウト後は「お風呂やトイレはどっち入るの？」といった興味本位の言動を浴び続けた。
・初出場となった2007年の「NHK紅白歌合戦」では、戸籍上男性であるソロシンガーとして紅白史上初めて「紅組」として出場。この時も番組の話題作りに利用されたという思いがあり、紅白の舞台上で「どうか早く終わって」と願ったという。結果的に深く心に傷を負うことに。
「虎に翼」出演のタイミング的に、おそらく中村中は轟太一の仲間の一人として出演するのではないかと予想します。
今とは時代が違うとはいえ、2007年に「NHK紅白歌合戦」への出演で心に傷を負わされたという中村中。その同じNHKの作品である「虎に翼」ですが、おそらく脚本家の吉田恵里香氏としっかりと打ち合わせを行い、メッセージ性をこめた役柄を演じるのではないかと思います。
なお、中村中は俳優としての活動を見せており、舞台「Radiogenic リーディング・スペクタクル」「ライ王のテラス」「中島みゆき 夜会」やテレビドラマ「音女」「帰ってきたらいっぱいして。」などに出演。
2006年に放送された性同一性障害をテーマに扱った日本テレビ系ドラマ「私が私であるために」では、性同一性障害を抱える蓮見凛という役柄を演じています。同作は中村中のほか、相沢咲姫楽ら性同一性障害の当事者が出演した作品として話題になり、中村中が歌ったこのドラマの主題歌「友達の詩」もロングヒットを記録しています。
