TBS系日曜ドラマ「海に眠るダイヤモンド」に登場している謎の老女・コードネーム「いづみ」(宮本信子)。若き日の鉄平に特別な想いを寄せていたらしい「いづみ」が何者なのか、独自予想をしてみたいと思います。
本作品の監督を務めている塚原あゆ子氏が「海に眠るダイヤモンド」を映画「タイタニック」のような構図にしたいと語っていますので、そのあたりを糸口に予想を展開してみます。
「海に眠るダイヤモンド」は日本版「タイタニック」?
ドラマ「海に眠るダイヤモンド」を語るに当たり、名作映画「タイタニック」の内容は是非知っておくべきでしょう。
監督を務める塚原あゆ子氏は、本作を「過去だけではなく現代のストーリーも取り入れ、映画タイタニックのようにヒロイン(=タイタニック号の生存者である老女・ローズ)が過去の語りをするような構図の物語にしたい」と語っています。
「海に眠るダイヤモンド」では「タイタニック方式」を採用しているため、現代の謎の老女・いづみがローズのような語り部となり、今は廃墟となってしまった端島の過去の出来事を語るという形式で物語が進んでいきます。
「海に眠るダイヤモンド」というドラマタイトルも、映画「タイタニック」が由来の一つと考えられます。
「タイタニック」の主人公で貧乏画家のジャック・ドーソン(レオナルド・ディカプリオ)は、船上で一目惚れをしてしまった資産家令嬢であるヒロイン・ローズ(ケイト・ウィンスレット)の裸体画を船の沈没前に描いています。
この時にローズは政略結婚の相手である婚約者・キャルからもらったブルーダイヤモンドのネックレス(通称:碧石のハート)を身に着けており、船内の金庫に保管されたローズの裸体画はタイタニック号の沈没とともに海の底へと沈んでいます。
「海に眠るダイヤモンド」は、恐らくローズが身につけていた「ブルーダイヤモンドのネックレス(碧石のハート)」を意識したタイトルでしょう。※さらに端島の産物である海底に眠る「黒いダイヤモンド(=石炭)」の意味を掛けていると思われます。
海に浮かぶ端島(軍艦島)と豪華客船「タイタニック」はフォルムも似ていますし、「海に眠るダイヤモンド」は「タイタニック」へのオマージュにあふれる作品になるのではないかと予想します。
タイタニックの簡単なあらすじは?
映画「タイタニック」のあらすじを極めて短くまとめてみます。ご存じの方は読み飛ばしてください。
①現代のトレジャーハンターが「タイタニック号」とともに沈んだという「碧石のハート(ブルーダイヤモンド)」を見つけるために海底調査。海底で「碧石のハート」を身につけた女性の裸体画を発見。
②この件がテレビで大々的に報じられると、その絵画のモデルだという101歳の老女・ローズが名乗り出る。ローズは調査団のもとを訪れて、タイタニック号沈没当日の様子について語り始める。
③ここから老女ローズの語りにより、1912年に乗船したタイタニック号の沈没の回想シーンに突入。
④1912年、破産寸前の名家の娘だったローズは嫌々政略結婚の相手となった男・キャルとともに「タイタニック号」に乗船。そこで貧乏画家の青年・ジャックと出会いすぐに恋に落ちる。
⑤ジャックはローズからの申し出により、船上で彼女の裸体画を描く。ローズの首元にはキャルからもらった「碧石のハート」がかけられていた。完成した裸体画は船内にあったキャルの金庫へ入れられる。
⑥タイタニック号が沈没。上流階級の乗客が優先的に救命ボートに乗る中(キャルもセコイ手を使って生還)、ローズはジャックとともに船内に残り、やがて二人は海に投げ出される。
⑦ローズはジャックの励ましもあり何とか生還するが、ジャックはついに海に沈み、亡くなってしまう。
⑧時が経ち現代へ。生還したローズはジャックの姓である「ドーソン」を名乗り、亡きジャックとともに生涯を生きてきたことを語る。※元婚約者のキャルも生還したがローズとは結婚せずに、その後に世界恐慌により破産して自殺。
⑨全てを語り終えたローズは、キャルから贈られた「碧石のハート」を海に投げ捨てると静かに永遠の眠りにつく。ローズは沈没前にジャックと約束した「タイタニック号の時計前」でジャックと再会し…。
※映画「タイタニック」はAmazon Prime Videoなどで見放題配信中。
いづみ=リナ?百合子?朝子?
ドラマ「海に眠るダイヤモンド」において大きなキーとなりそうなのが、現代で歌舞伎町のホスト・玲央(神木隆之介)に近づき「私と結婚しない?」と迫る謎の老女・いづみ(宮本信子)の素性でしょう。
第1話では、「いづみ」が事業に成功したらしい資産家であること、長崎・端島に辛い思い出を持つこと、「いづみ」という名前が「コードネーム」であるらしいことなどが明かされています。また、「いづみ」はかつて端島で働いていた鉄平(神木隆之介)に強い想いを寄せていた人物であることもわかっています。
第1話では「いづみ」の正体が1955年の端島にいた謎の歌手・リナ(池田エライザ)、食堂の看板娘・朝子(杉咲花)、炭鉱職員の娘・百合子(土屋太鳳)のいずれかであるかのような描写が行われています。
【参考】
それぞれの役を演じる演者の身長は?
・宮本信子(いづみ役)=157cm
・池田エライザ(リナ役)=170cm
・杉咲花(朝子役)=153cm
・土屋太鳳(百合子役)=153cm
これを見ると、宮本信子=池田エライザは同一人物としては無理がありそう??
①いづみ=百合子説
第2話の放送終了後時点で、鉄平と幼なじみの女性・百合子(土屋太鳳)が「いづみ」である可能性が高まっています。
※百合子と「いづみ」は、ネックレス姿(第1話ラスト)や水を飲む姿(第2話ラスト)がシンクロするかのような映像が流されています。ミスリードの可能性も。
もともとタイタニックの語り部「ローズ」と同様に「百合子」という花の名前がつけられているのが怪しいという声や、事業に成功しているらしい「いずみ」と大卒のインテリである百合子のキャラクターが合致するという声がネット上ではあがっていました。
これに加え第2話では、鉄平が大学時代に百合子のことをずっと好きだったという事実が判明。百合子は鉄平の真摯な気持ちに気が付いていましたが、逆にいい加減な気持ちでは交際出来ないという理由で、「安全牌」の賢将(清水尋也)とお気軽な交際を開始しています。
こうした百合子の恋愛状況は、映画「タイタニック」の語り部・ローズが本命ではない婚約者・キャルと政略結婚をしそうになっていた状況とどこか重なるようにも思えます。
【追記】第2話では台風の中でも祈りを続ける母に怒った百合子が自身のネックレスを海に投げ捨てる描写があり、これもまた「タイタニック」のラストでローズが海に向かって「碧石のハート」を投げ捨てたシーンと重なります。
②いづみ=朝子説
第3話で「いづみ」である可能性が一気に高まったのが、鉄平への好意を見せ続けている銀座食堂の看板娘・朝子(杉咲花)です。朝子は幼少期から鉄平のことが好きですが、なかなかその想いを伝えられずにいます。
第3話では鉄平で朝子にとっての初恋の相手「鞍馬天狗」であることが判明したほか、鉄平と朝子が中ノ島で見た山桜を現代の玲央と「いづみ」も同じような構図で見るというシーンが描かれています。
また、第3話のラストシーンでは、鉄平自身が朝子にとっての「鞍馬天狗」であることに気が付き満更でもない表情を見せるシーンも登場。今後、鉄平と朝子が恋仲になっていく可能性が浮上しています。
鉄平と朝子が結ばれ、映画「タイタニック」のように二人に悲運の別れが訪れる可能性もありそうですね。
▼なんだか朝子と鉄平が両思いである可能性が出てきた第3話。朝子の初恋の相手「鞍馬天狗」、そして食堂で大切に飾られている古いガラス瓶の正体は…。
③いづみ=リナ説
島外から端島にやって来た謎の美人歌手・リナ(池田エライザ)もまた、「いづみ」である可能性があります。
福岡出身で進駐軍のクラブで歌っていた過去を持つリナですが、なかなか居場所が見つからずに各地を転々としてきた流浪の人でもあります。何らかの事情により心を閉ざしているように見えるリナですが、自分に好意を持って積極的に声をかけてくる鉄平との出会いにより、人生が変わっていく予感があります。
今後、心に闇を抱えていそうなリナが鉄平との出会いにより救われ、鉄平を熱烈に愛するようになる(その後二人は引き裂かれる?)という展開があるかも知れません。
また、「タイタニック」のヒロイン・ローズは先進的な芸術家だったベアトリス・ウッドという女性がモデルともされ、芸術家肌のリナとキャラクターイメージが重なります。
ただし、第2話ではリナが鉄平の兄・進平(斎藤工)と恋に落ちそうな場面が描かれており、リナ=「いづみ」説の可能性が少し低くなっています。