【陸王】足袋製造会社「こはぜ屋」社名の意味、由来とは?モデル企業は?

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TBSの日曜ドラマ「陸王」に登場する老舗足袋製造会社「こはぜ屋」。

この記事では、社名に用いられている「こはぜ」の意味をまとめるとともに、「こはぜ屋」にモデルとなる実在の企業は存在するのか?についてもまとめます。

老舗足袋業者「こはぜ屋」

「こはぜ屋」は、埼玉県行田市にあるという創業100年超の老舗足袋屋です。社長の宮沢紘一(役所広司)を筆頭に27名の社員・パートが働く零細企業で、従業員の平均年齢は57歳とかなり高齢化が進んでいます。

現代において需要が減りつつある足袋、地下足袋を扱う「こはぜ屋」。気になるのがその意味有りげな社名の意味、由来ですね。

「ハゼ?魚の仲間?」などと勘違いしてしまう人もいるかも知れませんが、「こはぜ」というのは足袋を構成する大切な部品のひとつです。以下、広辞苑第六版(岩波書店)から「こはぜ」の意味を引用します。

「こはぜ」とは?

こはぜ【小鉤・鞐】
①真鍮・角・象牙などでつくった爪形の具で、書物の帙や足袋、脚絆などの合せ目をとめるもの。「こはぜかけ」にかけてとめる。
②屋根葺きなどで、金属板の端を互いに一回折り曲げてひっかける形のこと。

こはぜかけ【小鉤掛け】
こはぜを掛けてとめるために取り付けたもの。また、こはぜを掛けるようにした仕立て。 

以上、広辞苑第六版(岩波書店)より引用。

屋根葺きの際にも使われる言葉ですが、足袋において小鉤(こはぜ)といえば、足袋の足首部分を留める金属製の留め金(ホック)のこと。現代的なブーツなどでも足首部分が開閉式チャックになっているものがありますが、これが留め金(ホック)になっていると考えればわかりやすいでしょうか。

明治頃までは金や象牙、鯨の骨などが主な材料だった小鉤ですが、現在では真鍮などの金属が用いられることがほとんど。小鉤の枚数によって使用感が変わってきたり、ちょっとしたオシャレ心をくすぐるデザインが施されていたりと、小鉤は足袋のデザインの中でもこだわりを感じる部分でもあり、「こはぜ屋」という社名も、そうした「こだわり」の象徴として付けられたのかも知れません。

▼池井戸氏も取材した行田市の「きねや足袋」が発売している「7枚コハゼ」の地下足袋。足首からアキレス腱部に見られる留め金のようなものが、「コハゼ」です。

「こはぜ屋」は実在?モデルは「きねや足袋」?

「陸王」はフィクションの物語であり、作者の池井戸潤氏が得た着想からストーリーがつくられています。そのため、劇中に登場する企業・団体もほとんどがフィクションの存在であり、「こはぜ屋」も実在しない架空の企業ということになります。

ただし、この物語を執筆するにあたり池井戸氏は埼玉県行田市(←かつて足袋製造日本一の町だった)の足袋屋「きねや足袋」、羽生市の「小島染織工業」を工場見学しており、「きねや足袋」が「こはぜ屋」のイメージ形成に影響を与えていると言えそうです。

実際、きねや足袋では「陸王」のコンセプトに良く似たランニング足袋「KINEYA MUTEKI」(きねや無敵)をつくっており、恐らく池井戸氏もこの商品を参考にしたものと考えられます。

また、小説にも実際に名称が登場しているイタリア・ビブラム社のランニングシューズ「ファイブフィンガーズ」シリーズもまた、「陸王」の開発コンセプトと似ています。この「ファイブフィンガーズ」は、池井戸氏が小説執筆を始めるインスピレーションになったと言及しています。

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