1月10日(金)放送のタモリ倶楽部は「東大くんたちが作った日本列島立体地図を見てみよう!」。
女優には珍しく「地理マニア」であるとよた真帆らをゲストに、東京大学地文研究会地理部の62周年特別展に乱入。東大地理部が作った「立体日本地図」を鑑賞しました。タモリと東大地理部との地理トークはなかなか面白かったです。
この「立体地図」ですが、東大地理部で6年前から製作が開始され、現在も継続的に作業中のもの。現時点で北海道と本州が完成し、現在は四国を作業中。そのサイズは縦7.4m横6.8mに及ぶ巨大な地図です。
東大地理部のホームページの説明によれば、この立体地図は3mmのスチレンボードが使用され、300mごとの等高線を立体的に再現しているようです。
▼東大地文研究会地理部「立体地図特設ページ」
http://www.chiribu.org/map.html
今回の「タモリ倶楽部」では東大地理部の個性的な「精鋭」が集結。代表者の「地理長」のほか、それぞれ鉄道マニアの二人には鉄A、鉄Bくん、道路マニア・ルートくん、山岳マニア・登山くん、歴史マニア・歴史くんとあだ名が即興で付けられ、各メンバーの得意分野を元に、タモリと地理談義をしていきました。以下、番組で登場した地理談義を箇条書きでまとめておきます。
◎胆沢扇状地(登山くん)
日本最大級の扇状地。扇状地としては珍しく河岸段丘が発達している
「おれ扇状地好きなんですよ…」というタモリ。立体地図で見ると扇状地の様子がよくわかる。
◎黒部川扇状地(タモリ)
富山湾に直接、土砂が堆積してできた臨海性扇状地。
タモリ「おれ黒部の扇状地に行きたいんだけど、誰も付き合ってくれない笑」
◎中央構造線(登山くん)
伊奈谷に中央構造線が走っていると思われがちだが、実はもう一本東となりの細い谷に走っている。本州から紀伊半島、四国を通り九州までずっと断層が走っている様子が立体地図で可視化され、一同納得。
◎大鹿村中央構造博物館(タモリ)
長野県大鹿村にある中央構造線のほぼ真上に建っている博物館。
タモリ「あそこに行きたいんだけど、だれも付き合ってくれない笑」
◎丹那断層(タモリ)
静岡県函南町にある天然記念物の断層。横ズレの跡を示す石垣などが保存されている。
タモリ「丹那断層ってのがあって、昔の民家の庭に断層が走っている。そこは友達連れて行った」友人の反応は「ふうん…」と鈍かった模様。
◎小海線 野辺山清里間(鉄Aくん、鉄Bくん)
JR最高地点(標高1,375m)が有名。タモリ「踏み切りンとこだよね」小海線は八ヶ岳高原線とも呼ばれ、等高線の上を走るようなルートを通っている。
◎碓氷峠と長野新幹線(鉄Aくん)
碓氷峠は約10kmに標高差が500m以上ある急峻な片勾配の峠。軽井沢横川間では高低差を克服するためにアプト式など、様々な対策がとられた。
長野新幹線のルートは、その急勾配を避ける形。安中榛名軽井沢間で碓氷峠を大きく迂回するルートをとる。それでも最高勾配30%は新幹線として異例。
◎碓氷峠の浪人塚(歴史くん)
天狗党の乱(1864年・水戸藩尊攘劇派による挙兵事件)は挙兵の意志を伝えるため中山道を使い京都へ進軍したもの。この際に碓氷峠関所において激戦が繰り広げられ、多数の浪人が討ち死にした。その浪人塚が今も残る。この情報にはタモリも「へえー」と発言。地理は強くとも歴史は弱いタモさん?
◎国道308号線(ルートくん)
奈良と大阪を最短で結ぶ。自動車通行可能な国道としては日本一の急勾配といわれる。その道中、暗峠(くらがりとうげ)はヤンキーが走行するスポットとして有名。
◎大和西大寺駅のレール(鉄Bくん)
近鉄奈良線・京都線・橿原線の交差する一大乗換駅。駅構内だけでポイントが28器もある。タモリ「あれがいいんだよ」鉄Aくん「鉄道を眺めるためだけの展望デッキが駅構内に設置された」
◎八木新宮線(地図長)
奈良交通が営業する日本最長の路線バス。奈良県大和八木駅から和歌山県新宮駅まで166.9kmを結ぶ。地図長「奈良県の南半分はだいたい十津川村」ライセンス「それは奈良に対する悪口(笑)」
◎福井・北陸本線 敦賀駅新疋田駅感山を越えるルート(鉄A・鉄Bくん)
巨大な「鳩原ループ線」がある。ループして勾配を稼いでいるところがある(上りのみ)。タモリ「方向感覚を失ったことがある」
◎北陸新幹線ルート(鉄A・鉄Bくん入り乱れて)
親不知駅では山が海に迫っているため、北陸自動車道を通す場所がなく海沿いに高架が。風情も何もなく「絶望した」(鉄Bくん)。
◎富山・長野さらさら越え(タモリ、歴史くんを指名)
1584年、苦戦を強いられていた富山城主・佐々成政が雪深い立山連峰を超え、浜松に向かい家康の援軍を求めた。立体地図で見ると、いかに大変な行軍だったかがわかる。
◎国道12号線(ルートくん)
美唄・滝川間は日本で一番長い直線道路、29.2km。とよだ真帆「眠くならない?」タモリ「男ならエッチなことを想像すると大体眠くならない笑」
番組最後は、タモリの出身地福岡市南区からよく見える「背振山」のパーツを、タモリ自らが立体地図に糊づけ。東大地理部にとっても記念になるパーツとなりました。
番組内で触れられた地理関係の施設メモ。
▼日本地図センター(東京都目黒区青葉台)タモリ曰く、手を合わせるほどの聖地。地形図も大人気
http://www.jmc.or.jp/
▼箱根ジオミュージアム 箱根ジオパーク内に今年の4月に開館。地形のテーマパーク
http://www.hakone-geopark.jp/
▼大鹿村中央構造博物館
http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/
▼鳩原ループ線(交通新聞社のコンテンツより)
http://www.toretabi.jp/history/vol17/01.html
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