2017年4月3日(月)から放送が始まるテレビ朝日系昼の “帯ドラマ劇場” 「やすらぎの郷」。
このドラマの舞台となるのが、芸能に貢献した人だけが入所出来るという老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada(ラ・ストラーダ)」です。
この記事では「やすらぎの郷 La Strada」という施設の概要と、施設名につけられたイタリア語「La Strada」の持つ意味をまとめます。
会員制老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada」
「やすらぎの郷 La Strada」は、海が見える山の斜面に建つ会員制の老人ホームです。
元大手芸能プロダクション「加納グループ」総帥・加納英吉によって建設されたこの老人ホームは、テレビや映画業界などに多大な貢献をしたフリーの立場の人物(俳優、歌手、監督など)でなければ入所出来ない「芸能人専用老人ホーム」。現在は加納英吉の娘・みどり(草刈民代)らが中心となって運営しており、入所者は費用無料の上、万全の設備、サービスを享受出来ます。
妻を亡くした主人公・菊村栄(石坂浩二)はこの老人ホームに入所すると、個性豊かな入居者たちが引き起こす騒動に巻き込まれていきます。
ラ・ストラーダの意味は?
「やすらぎの郷」はよくある老人ホームの施設名という感じですが、気になるのが、それに続く「La Strada(ラ・ストラーダ)」という言葉。
「La Strada」はイタリア語で「道」を意味することから(※Laは女性名詞の定冠詞で、英語のTheに相当。Stradaは英語でRoadと同じニュアンス)、人生という長い道を暗示しているのでしょうか。
フェリーニの「道(La Strada)」
さて、この「La Strada」という単語ですが、芸能、映像業界に携わる人にとっては単なる「道」という意味以上の響きを有していると考えられます。
「道(La Strada)」といえば、1954年にイタリアの巨匠・フェデリコ・フェリーニ監督が公開した映画作品のタイトルとして有名。「道」はフェリーニの作品の中でも「最後のネオリアリズム作品」と呼ばれ、文字通り彼の代表作として知られます。
物語は、粗暴で傲慢な旅芸人・ザンバノ(アンソニー・クイン)と、彼に二束三文で買われた忠実な女性アシスタント・ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)との間で起こる、敗戦後の貧困生活の中の人間模様を描きます。
ジェルソミーナのことを粗末に扱い続けたザンバノですが、やがて彼女が死んでしまうと、言いようのない無常観を覚え、取り戻すことの出来ない人生の悲劇に嘆くことになります。
「やすらぎの郷」の脚本を担当している倉本聰も、当然このフェリーニの作品は熟知していることでしょう。「やすらぎの郷 La Strada」という名前は、少なからずフェリーニの「道」を意識して名付けられているのではないかと推測します。
「やすらぎの郷」の入居者はいずれもエンターテイメント、芸術の分野で一時代を築いた人々。入居者たちが老いや死の苦悩と直面し、「芸術への未練」を抱える様子なども劇中で描かれるとのことで、何かしらフェリーニの名作とリンクする場面が登場するかも知れません。
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