NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「半分、青い。」の、全体を通した大まかなあらすじをまとめます。
人気脚本家・北川悦吏子氏書き下ろしのオリジナル作品である「半分、青い。」は、片耳を失聴したヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)が岐阜、東京で奮闘する様子が描かれます。
物語の結末は現時点では不明ですが、この記事には物語の「ネタバレ」が含まれますのでご注意ください。
<岐阜・故郷編>左耳を失聴するヒロイン
物語は、ヒロイン・楡野鈴愛(にれの・すずめ)が1971年(昭和46年)に岐阜県の架空の町、東美濃市梟町で生まれる場面からスタート。同じ日に同じ病院で、後に固い絆で結ばれることになる萩尾律(はぎお・りつ)も生まれています。
楡野家は商店街で小さな食堂を経営する一家で、鈴愛は暖かい家族に囲まれて、絵を描くのが大好きな元気な女の子に育っていきます。
そんな鈴愛の人生に変化が起きるのは、9歳の時のこと。この頃、鈴愛は病気により左耳の聴力を失ってしまうのですが、生来前向きで感受性が豊かだった鈴愛は片耳が聞こえない状態を逆に楽み(もちろん本人なりの辛さはあるものの)、新しい世界の見え方を発見するなど、両親の心配をよそに明るく立ち振る舞っていきます。
▼「半分、青い。」の小説版。ドラマでは演出上泣く泣く削られてしまったセリフも収められた、ファンにはたまらない一冊。
漫画家という夢との出会い
やがて高校三年生になった鈴愛は、確固たる将来の夢を見出せず、何となく安定した地元の就職先を決めてしまいます。しかし、同じ日に生まれた幼馴染みの萩尾律(佐藤健)から少女漫画家・秋風羽織(豊川悦司)のコミックを借りたことをキッカケに、人生が大きく動き始めます。
律の後押しもあり「漫画家になりたい」という自分の夢に気がついた鈴愛は、秋風の講演会に参加した際に秋風から漫画アシスタントへの誘いの言葉をもらったこともあり、バブル全盛期だった東京への上京を決意。夢の実現への第一歩を踏み出します。
<東京・胸騒ぎ編>漫画家アシスタントに
高校卒業後に東京にやってきた鈴愛は、憧れの漫画家・秋風羽織の事務所「オフィス・ティンカーベル」でアシスタントの仕事に就くことになります。
鈴愛は、この仕事を通してアシスタント仲間の小宮裕子(ユーコ=清野菜名)や藤堂誠(ボクテ=志尊淳)など、かけがえのない友人、仲間たちと出会うことになります。
一方で、漫画の「師匠」となる秋風羽織は偏屈で社会性のない、エキセントリックな中年男。鈴愛は憧れていたはずの秋風羽織とたびたび衝突。師匠との「バトル」を繰り広げる中で、鈴愛も漫画家としての素養を身に付けていきそうです。
・【半分、青い。】少女漫画家・秋風羽織 「いつもポケットにショパン」はくらもちふさこの実在作品
・【半分、青い。】東京編 主要登場人物、出演キャスト
<人生・怒涛編>100円ショップでアルバイト
鈴愛は、自身の才能に限界を感じた27歳〜28歳頃、漫画家という職業から離れることになります。夢破れた鈴愛は、故郷に帰るでもなく東京の100円ショップでアルバイト生活を送ることになるのですが、この「空白の日々」を過ごす鈴愛の姿が、<人生・怒涛編>として描かれます。
鈴愛は「100円ショップ・大納言」で「三オバ」と呼ばれるオーナーの藤村三姉妹(キムラ緑子、麻生祐未、須藤理彩)、それに三オバの甥っ子である映画助監督の青年・森山涼次(間宮祥太朗)らと出会い、交流していきます。
正人、律とたて続けに身近な男性にフラれてしまった鈴愛ですが、この森山涼次という男性が鈴愛の人生にとって「重要な人物」になります。
・【半分、青い。】「人生・怒涛編」主要登場人物、キャストまとめ
<終盤は再びの岐阜→東京>
鈴愛は東京で涼次と結婚をし、一人娘・花野を授かります。しかし、鈴愛は夢を追う人生を諦められなかった涼次から離婚を切り出され、シングルマザーになってしまいます。
一人娘を抱えて故郷・岐阜へと戻ってきた鈴愛は、花野を育てながらつくし食堂の2号店「センキチカフェ」を立ち上げるなど、岐阜で生きていく道を模索し始めます。
こうした中、縁あって東京の企画会社「ヒットエンドラン」の社長・津曲雅彦(有田哲平)と出会った鈴愛は、津曲に頼み込んで「ヒットエンドラン」で働きはじめることになります。※鈴愛はこれを機に再び東京へと戻るのですが、娘・花野に大好きなフィギアスケートの練習をさせる環境を与えたいという動機も、再上京の理由となるようです。
鈴愛は、同社が入っている「個人事業主向けのシェアオフィス」で「おひとりさまメーカー」として新しい働き方をする人々を目の当たりにすることになります。
こうした出会いもあり、鈴愛は身近な大切な人(この頃には母・晴がガンを患っている…?)に役立つものをつくる「ひとりメーカー」を立ち上げることになります。
やがて3Dプリンターと出会った鈴愛は、病気の晴のために生み出した革新的なやさしい風を送るそよ風扇風機「マザー」の開発により、家電業界に新しい風を起こすことになり…。
▼「劇中製品開発部分原案」としてバルミューダの創業者・寺尾玄氏が関わることが明らかになっています。
・【半分、青い。】鈴愛が開発する「扇風機」はバルミューダ「Green Fan」がモチーフに
恋愛を超越した二人、そして前向きに生きること
以上、ざっと物語のあらすじをまとめてみました。
長年「ソウルメイト」のような微妙な関係にあった鈴愛と律ですが、律はやがて菱松電気を退職し、鈴愛の扇風機づくりに合流。仕事を通して二人は公私ともに大切な「パートナー」になっていくとのこと。物語終盤のヒロインは40代になっているとのことで、二人の関係性も長いスパンで描かれていくことになります。
※各メディアの記事などを参考にすると、鈴愛と律は「再婚」をすることが濃厚。
「恋愛するタイミングを逃してしまった二人」「恋愛を超越した何かで結ばれた二人」を描きたいと意気込む脚本家・北川悦吏子氏は、「素顔のままで」「あすなろ白書」「ロングバケーション」などのヒットドラマを手がけ、「恋愛の神様」との異名も持つ脚本家であり、鈴愛と律の不思議な関係性もじっくりと描いてくれそうです。
また、片耳を失聴したことで人とは違う目線、思考回路を得ていた鈴愛が、独自の感性を武器に発明家として成功していく姿も描かれていきます。
▼左耳を失聴するエピソードは、自身も片耳を失聴した脚本家・北川氏が実体験から着想を得たもの。ドラマにおいて大きな意味を持つエピソードとなります。
・朝ドラ「半分、青い。」タイトルの意味、由来は?脚本家・北川悦吏子氏が込めた思い