NHKドラマ10「育休刑事」の第5話が放送され、これまで語られなかった春風（金子大地）の妻・秋月沙樹（北乃きい）の職業が明かされました。
また、春風と姉の吉野涼子（独身）の名字が違うことが気になっている方も多かったと思いますが、二人の両親が登場したことで家族構成の輪郭が見えてきました。
沙樹の衝撃の職業 埼川県警本部・捜査一課長
第5話では、春風の姉・吉野涼子（前田敦子）に再三結婚を迫っていた病理学者の村上（濱津隆之）が何者かに殺されるという事件が発生。その直前に村上の家に居た涼子が、殺人容疑で逮捕されてしまいます。
これを受けて、春風と涼子の母・吉野雪江（浅野温子）と父・吉野宗典（佐戸井けん太）が春風の家に駆けつけ、家族ぐるみで真犯人探しが行われる様子が描かれています。
やがて育児休業中の春風と捜査一課の面々の地道な捜査により、事件の背後に医療過誤事件が関係していることが判明すると、春風は真犯人を確信。すぐに妻の沙樹のもとへと電話をかけ、「仕事中にごめん。だけど、それ（今沙樹が手掛けている仕事）全部ひっくり返っちゃうかも。」と沙樹に対して謎の謝罪をしています。
衝撃の展開はその直後のことでした。
涼子の誤認逮捕を謝罪する埼川県警のマスコミ向け記者会見の場に、警察官の制服を着た沙樹が颯爽と登壇。沙樹は「埼川県警本部・捜査一課長」を名乗り、事件の全容を語りだしたのです。
※会見の中で、記者から「誤認逮捕された女性が一課長の身内だという情報がありますが」と質問された沙樹は、「はい。私は吉野准教授の義理の妹ということで、本件の捜査に関わることは出来ませんでしたが、部下たちの粘り強い捜査のおかげで基礎直前に真犯人の逮捕に至ることが出来ました。」と語っています。
上司と部下の関係が垣間見える過去回
沙樹が県警の捜査一課長であり、春風だけでなく捜査一課の係長・石蕗聡（鶴見辰吾）らにとっても上司にあたることが判明したことで、過去回にひっそりと張られていた伏線も見えるようになりました。
例えば、
【伏線①】（各話共通）石蕗係長ら捜査一課の同僚たちは、なぜか沙樹が居ない時に春風に捜査協力を依頼してくる。第5話まで捜査一課の面々と沙樹が居合わせた場面はない。
【伏線②】（第2話）石蕗係長からの依頼で自宅マンションの窓に捜査用監視カメラを設置し、被疑者のアパートを見張っていた春風。それが沙樹に見つかりそうになると、春風は「聞いてない？」と沙樹に対して不思議な質問をしている。この会話は、捜査一課内での捜査情報の共有、捜査許可の有無を沙樹に確認していたことになる。
【伏線③】（第2話）沙樹が「また私に黙って捜査の手伝いをしていたんだ」などと春風に詰め寄っている。このほかにも沙樹は繰り返し春風に仕事をしないように忠告をしており、妻というよりは上司として、春風の育休中の仕事を制限しているようにも見える。
【伏線④】（第3話）春風が捜査協力をしていた殺人事件に詐欺被害者が関わっている可能性が浮上すると、石蕗係長は春風に捜査から外れるように電話。その際に石蕗係長が「我らが捜査一課長が気がついたんだよ。さすがだよな」と話すと、春風は「ああ、課長が…」と含みを持った微妙な返事をしている。
【伏線⑤】（第5話）涼子の冤罪を晴らすために翔天館大学で捜査をしていた春風が、キャンパス内で学生相手に必死に聞き込みを行う沙樹を発見。その際に春風は「ちょっとダメだよ、沙樹さんまでこんなところに来たら」と発言している。これは「捜査一課長（しかも被疑者の身内警察官）がこんなところに来て捜査したらダメ」という意味にもとれる。また、一緒にいた母の雪江が沙樹に対して「ご苦労さまです！」と敬礼をすると、沙樹もビシッと捜査一課長らしい敬礼を返している。
などなど、改めて過去回を見返してみるとなかなか面白いです。
これまで、沙樹は「産後すぐに職場復帰したキャリアウーマン」としか紹介されておらず、なぜ産後で身体に負担がかかる状態で仕事に復帰したのか、なぜ春風の方が育休をとっているのか、といった経緯は語られてきませんでした。
若くして重責を担う沙樹の負担を減らすために、春風が率先して家のこと、育児を預かっているという夫婦の関係性が見えてきましたね。
▼「育休刑事」は似鳥鶏氏の同名ミステリ小説（角川文庫）が原作。Amazon・Kindle版では最初の数十ページが無料サンプルとして読み放題です。物語の雰囲気や設定などがわかるのでオススメです。
秋月姓を名乗る春風 名門警察一家に婿入りか
春風一家は、姉の涼子、父の宗典、母の雪江が「吉野姓」を名乗り、弟の春風と妻の沙樹が「秋月姓」を名乗っています。
独身の涼子と弟の春風がなぜ名字が違うのかという疑問がありましたが、第5話で吉野家の両親が登場したこと、沙樹が警察のお偉いさんであることが判明したことで、両家の家族関係が少し見えてきました。
（原作を最後まで読んでいないのであくまで予想になりますが）今後、沙樹が警察の名門一家の出であること、それゆえに若くして捜査一課長にまでのぼり詰めたことなどが明かされていくと予想します。
警察の名門一家・秋月家の名を残すために春風が婿入りするという形をとり、その息子として生まれた秋月蓮は秋月家期待のエリート警察官候補…。そんな家庭事情がありそうですが、果たして…。
