NHK連続テレビ小説「マッサン」に芸人・西川きよしが登場します。西川きよしが演じるのは、亀山政春(玉山鉄二)が最初に就職する大阪・住吉酒造の社長さん。政春にウイスキーづくりの基礎を学ぶ機会与えてくれる大恩人です。
※住吉酒造は実在した「摂津酒造」が、田中大作社長は「阿部喜兵衛」社長がモデルになっていると思われます。
下請け工場の社長・田中大作
「住吉酒造」は大阪の下請け酒造工場で、当時まだ少なかった洋酒(といってもアルコールに風味付け、色づけを施した模造品)を生産していました。
夢のプロジェクト 国産ウイスキー
そんな住吉酒造が社運を賭けて取り組んでいたのが、国産初となるウイスキー生産販売の事業化。当時、ウイスキーの製造技術はイギリスの国家機密であり、ウイスキー製造技術を取得した日本人技術者は存在しませんでした。
社長・田中大作は社費で亀山政春をスコットランドへと留学させ、ウイスキー製造技術を学ばせます。
住吉酒造は洋酒製造の分野で確固たる地位を確立していました。しかし、所詮「模造(イミテーション)洋酒」の域を出ないため、田中社長は本場の洋酒が広く日本人に普及することへの危機感を常々抱いていました。
先行きが見えない下請けの町工場から脱却する「夢のプロジェクト」として、政春は社の期待を背負ってスコットランドへと渡ったのです。
結婚を待っていた娘・優子(相武紗季)
社長は、政春が帰国した暁には娘の優子(相武紗季)と結婚させ、自身の後継者にしようと考えていました。
そのため、花嫁修業をして政春の帰りを待っていた優子、それに現地で結婚して帰国した政春・エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)夫妻を巻き込み、ひと騒動起こすことになります。
中小企業の悲哀 不況に苦しむ住吉酒造
住吉酒造は折りからの不況もあり(ちょうど第一次世界大戦の国内”特需”が終わった時期)、次第に経営が悪化していきます。やがてウイスキーづくりに邁進する資金的体力を失った住吉酒造。マッサンはウイスキーづくりが出来ない環境を悩み、社長に大きな恩義を感じながらも、住吉酒造を去ることになります。
大阪の中小企業社長が背負う悲哀、それに持ち前の明るさ。西川きよしのキャラクターを活かした田中大作社長の存在が、ドラマの前半を盛り上げることになりそうです。
なお、昨年NHK大阪が制作した朝ドラ「ごちそうさん」では西川きよしの長男・忠志も市場の魚屋・銀次として出演しており、親子での朝ドラ連続出演と言うことになります。
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