味と見た目で何となく「ウイスキー」とはどんなものかを理解しているつもりでも、「スコッチ」「バーボン」「モルト」「ブランデー」ついには「ホッピー」(←茶色いだけで全然違うw)に至るまで、色んな言葉が出てきて混乱してしまいがち。
この記事では、NHK連続テレビ小説「マッサン」の放映に合わせて、「ウイスキー」とは一体何なのか、その基本中の基本をまとめてみたいと思います。あくまで大雑把な解説であり、レベル1です。
お酒の種類
まずは、酒の分類を。お酒は大きく「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」に分けられます。
▼醸造酒
これはお酒の基本ですね。果実や麦、米などを発酵させてつくるお酒です。日本酒、ワイン、ビールなどがこれに当たります。アルコール度数は低めです。
自然状態で発酵した飲物はアルコール度数が16度以上にならないとか。(一定度数を超えるとアルコールが酵母菌に対し殺菌作用を働かせる)
古代、人類とお酒との出会いも、壷の中などで穀物、果実等が勝手に発酵して出来た「醸造酒」を誤飲したものだと思われます。
▼蒸留酒
「醸造酒」を加熱、気化させ、そのアルコール蒸気を冷やして再び液体にし、濃度を高める工程を経ると「蒸留酒」になります。これにより醸造酒では得られない高いアルコール度数が得られます。「蒸留酒」にはウイスキー、ジン、ブランデー、焼酎、ウォッカなどがあります。
▼混成酒
醸造酒や蒸留酒に果実のエキスや香りなどを混ぜたもの。リキュール類などがこれに相当します。
「ウイスキー」であるための「三つの条件」
基本を学んだ所で、じゃあ一体ウイスキーとは何か?本題です。
ウイスキーの定義は次のようになります。
①「穀物」を原料とする
②「蒸留酒」である
③「樽で熟成」させたものである
以上三つの条件が揃うと、ウイスキーと呼ばれます。以下詳細。
①「穀物」を原料とする
ウイスキーは「大麦」「小麦」「トウモロコシ」「ライ麦」など、必ず穀物を原料としています。
大麦麦芽のみを原料としたもの(モルトウイスキー)、大麦、ライ麦、小麦などの穀類を大麦麦芽で発酵させたもの(グレンウイスキー)、モルトとグレンをブレンドしたもの(ブレンデッドウイスキー)などがあります。
○「バーボン」はトウモロコシを原料としたもので、①「穀物」②「蒸溜」③「樽」の3つの条件を満たすため「ウイスキー」です。
×「ブランデー」は②「蒸留酒」であり、③「樽で熟成」させていますが、原料が果実の「ブドウ」であり穀物ではない(×①)ため、ウイスキーとは呼ばれません。ココは間違えやすい。
②「蒸留酒」である
前述のとおり、ウイスキーの他にジン、ブランデー、焼酎、ウォッカなどがあります。
③「樽で熟成」させる
オーク樽で熟成させると「琥珀色」の液体に変化し、樽の風味や香りが移ります。使われる樽は「シェリー樽」「バーボン樽」など一度ウイスキー以外のものを詰めたもの、それに一度ウイスキーを熟成させた「プレーン樽」などが使われます。ウイスキーの個性を決定付ける大切な工程です。
×「ホワイトスピリッツ」と呼ばれる「ジン」や「ウォッカ」は、②「蒸留酒」であり、①「穀物が原料」ですが、オーク樽で熟成させていない(×③)ので「ウイスキー」ではありません。まあ、透明なので見ればわかりますよね(笑)。
以上三つの条件を満たしたものを「ウイスキー」と呼んでいます。
スコッチは「スコットランド産ウイスキー」、ホッピーはおじさんの友
補足ですが、リード文にある「スコッチ」はスコットランド産のウイスキーを意味します。また、「ホッピー」は東京を中心にローカルで愛されている庶民用の「ビール代用飲料」で、焼酎その他を割るために用いられます。ホッピーの原材料は麦芽とホップです。
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