NHK連続テレビ小説「マッサン」の主人公マッサンこと亀山政春（玉山鉄二）の職遍歴（2月放送分まで）をまとめています。
この記事は「マッサンの職歴、経歴まとめ①竹鶴氏略年表も 住吉酒造〜留学〜皿洗い」の続きの記事です。マッサンは無職時代を抜け、鴨居商店、大日本果汁とキャリアアップを重ねていきます。
※追記されている史実は、モデルとなった竹鶴政孝氏の経歴です。文末にはモデルとなった竹鶴政孝氏の略年表もまとめました。
鴨居商店で工場長に
住吉酒造を退社後マッサンのダメ無職時代は長引きますが、住吉酒造時代に取引があった鴨居欣次郎（堤真一）に頭を下げ、鴨居商店（史実では「寿屋」）に入社します。
鴨居商店はウイスキー事業に乗り出すにあたり腕の良い技術者を探しており、マッサンは年俸4千円という破格の待遇で工場長として迎えられています。
鴨居商店での10年間 日本初のウイスキー
結局鴨居商店には10年ほど在籍し、技術者として国産第一号となる「山崎蒸溜所」を建設し、国産第一号ウイスキー「鴨居ウイスキー」の発売にこぎつけるなど、同社のウイスキー事業のスタートアップに大きく貢献します。
併せて、鴨居欣次郎の長男・英一郎（浅香航大）をウイスキー技術者として一人前に育て上げ、後の鴨居商店隆盛の基礎をつくりあげます。
やがて商業主義を優先する大将・鴨居欣次郎と決別すると、マッサンは家族を連れて北海道余市へと渡ります。住吉酒造を退職した時の無計画さとは異なり、今度はしっかりと出資を取り付けてから鴨居商店を退社。すぐに念願だったウイスキー工場建設を開始しています。
余市で北海道果汁設立 リンゴジュースを売る
昭和9年、マッサンは北海道・余市の地に「北海道果汁株式会社」を立ち上げます。この時、マッサンは四十歳を迎えていました。
出資者との約束により、まずは余市の名産であるリンゴを使った林檎汁（リンゴジュース）を売り経営基盤の安定を図ります。（史実では竹鶴は昭和9年に「大日本果汁株式会社（後のニッカウヰスキー）」を設立。）
しかし品質にこだわりすぎる余りその味は酸味が強く、値段も高値に。栄養価が高いため病院への納品などに販路を見出しますが不良品が多発し、売れ行きはなかなか安定しませんでした。
「DOUKAH WHISKY」発売 売れず
そんな折に愛弟子・鴨居英一郎の若すぎる死を知ったマッサンは、ついに出資者に言わないまま前倒しでウイスキー事業に着手します。
昭和15年、ついに原酒の熟成を確認したマッサンは第一号ウイスキー「DOUKAH WHISKY」を発売し、同時に社名も「DOUKAH WHISKY」に変更します。「DOUKAH WHISKY」は本場のスコッチに劣らぬ素晴らしい出来映えでしたが、独特のスモーキーフレーバーゆえに思うように売れません。（史実では竹鶴は昭和15年に「ニッカウヰスキー」ならびに「ニッカブランデー」を発売。）
海軍指定工場に 経営が安定
創業以来赤字に苦しんでいたドウカウヰスキーでしたが、戦争が本格化してくると海軍指定工場に任命されます。これにより経営状態は一挙に改善していきます。
ここまでが、2月半ば放送分までにマッサンが辿った職遍歴です。途中「こひのぼり」での皿洗いなど回り道もしていますが、住吉酒造→スコットランド留学→鴨居商店→北海道果汁と、着実にキャリアを積んでステップアップしていっていることがわかります。
「マッサン」モデル・竹鶴政孝の略年表
1894年（明治27年）6月 広島県賀茂郡竹原町（現・竹原市）に生まれる
1916年（大正5年）3月 大阪高等工業学校卒業 その直前に摂津酒造に入社
1918年（大正7年）6月 スコットランド留学のため神戸港から出航、半年近くかけてリヴァプール港へ
1920年（大正9年）1月 リタと結婚、同年11月に帰国、横浜港へ
1922年（大正11年）早春 摂津酒造退社、その後浪人時代を過ごす
1923年（大正12年）6月 寿屋入社
1924年（大正13年）11月 山崎蒸溜所竣工、所長に就任
1929年（昭和4年）4月 第一号「白札サントリー」発売 この年、横浜・鶴見のビール工場長も兼任
1934年（昭和9年）3月 寿屋を退職
1934年（昭和9年）7月 大日本果汁株式会社（のちのニッカウヰスキー）を設立
1935年（昭和10年）5月 日果リンゴジュース発売
1940年（昭和15年）10月 「ニッカウヰスキー」発売 社名も「ニッカウヰスキー」に変更 海軍監督工場に
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