2015年4月11日(土)から新シリーズの放送が開始されるNHK「ブラタモリ」。「笑っていいとも!」の放送終了により全国各地でのロケが可能になったタモリの、新たなライフワークとなっていきそうです。
ロケ候補地の拡大とともに新シリーズから大きな変更点となるのが、司会であり散歩相手であるNHK女子アナウンサーの交代です。これまで久保田祐佳アナが務めてきたパートナー役を、桑子真帆アナが引き継ぎます。
「ブラタモリ」といえば、大人が楽しめる良質な街歩き番組。例え「アナウンス能力」や「仕切り能力」があったとしても街歩きの能力はそれとは別物、ということで、タモリは桑子真帆アナにブラタモリ「ロケの心得・三ヶ条」を伝授しています。この三ヶ条がなかなか面白いのでご紹介します。
「ブラタモリ」ロケの心得・三ヶ条
1.高低差を見逃すな
2.上を向くな、下を向け!
3.スタッフに頼るべからず
以下、一つずつ「三ヶ条」を見ていきます。
1. 高低差を見逃すな
一部からダンサー(段差)などと呼ばれているらしいタモリ。タモリの地形に対する好奇心は並々ならぬものがあり、番組スタッフが「そっち(地形)」に行きすぎないようにと制御するほどだそうです。
タモリがダンサーとして高低差にここまでこだわるのには、それなりの理由があります。すっかり都市化した街の足元を「足の裏」で感じながら歩いていると、様々な起伏や断層などが体感出来ます。
古の人々はこうした「人間以前」の元来の地形条件を受け、その土地に見合う生活を大地の上に創造していったわけで、改めて地形を丹念に掘り起こすことで、土地の成り立ちや歴史、人々がどう生きてきたのかが浮き上がってくるわけです。
「マニアック」という言葉で片付けられがちな「地形の探求」ですが、今を生きる我々の生活の「原点」を見据えるヒントになるのです。
2. 上を向くな、下を向け!
これは街歩きに慣れていない若い女性には非常に的確なアドバイスです(笑)。一般的に街歩きは空の美しさ、町並みの楽しさ、季節の花の美しさといった「上」(表層)のものを愛でることが多いと思います。
しかし、タモリは前述(1.高低差を見逃すな)の理由もあり「下」に隠された痕跡やヒントを重視し、「上を向いて歩くな、下を向いて歩け。そして涙をこぼせ。」と説きます。
さらにタモリ曰く、下を向くということは人に頭を下げる事になる(そのぶん後で返ってくる)し、落ちているお金を拾える(笑)ので、お金持ちになれる!との事。「下を向く」という行為は、ネガティブな意味だけではないのです。
3. スタッフに頼るべからず
「ブラタモリ」のスタッフは、タモリにその日の番組ロケ内容を伝えないそうです。
そもそも街を歩くということは、能動的に考え、「何もない」ところから新しい発見を見出すことに一番の喜びがあります。タモリは長年の経験から、好奇心のままに「横道に逸れる」ことの大切さを感じているようで、桑子アナにも指示待ちではなく自由に動き回ってもらいたいようです。
タモリは「番組の流れをまったく無視して結構です。自分はアナウンサーであるということを忘れていただきたい。 」との要望を桑子アナに伝えています。
タモリの「地形愛」は桑子アナに届く?
こうしたタモリの「アツい想い」「地形愛」が果たして桑子アナに届くのかどうかはわかりませんが、相手が変われば歩き方も変わる、ということで新しいパートナーとの街歩きも楽しみです。
新生「ブラタモリ」の第一回は、坂と出島と中華街と…「異国の風」と「起伏に富んだ地形」が渦巻く、九州・長崎が舞台です。
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