NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の第4週、5週で描かれる「香川編」では、スズ子の生まれ故郷である香川の風景が登場しそうです。
この記事では、スズ子が法事に出席することになる「白壁」こと香川の大地主・次郎丸家や、ツヤの実家である大西家のお屋敷のロケ地、撮影場所をまとめます。
ツヤの実家の得意先「白壁」次郎丸家
叔母の大西タカ(西村亜矢子)からの手紙により、香川の大地主・次郎丸家の法事に出席することになったスズ子(趣里)。
スズ子は次郎丸家とは面識がありませんでしたが、次郎丸家の爺さん・次郎丸和一(石倉三郎)が梅丸少女歌劇団(USK)の大ファンであり、ぜひスズ子に法事に出席してほしいとのこと。
次郎丸家は、スズ子の母・ツヤ(水川あさみ)の生家である大西家が営む手袋工場の大切な得意先です。白壁の豪華なお屋敷に住む次郎丸家は地元の人に広く知られる旧家であり、周囲の人たちは次郎丸家を「白壁」の愛称で呼んでいます。
▼「香川編」の主要メンバー。スズ子(下段中央)は祖母の大西トシ(下段左から二人目・三林京子)、叔母の大西タカ(上段左から二人目・西村亜矢子)、次郎丸和一(下段右から二人目・石倉三郎)、次郎丸家の元女中・西野キヌ(下段左端・中越典子)らと交流し、自身のルーツを知ることになります。
今日は「香川編」に登場するキヌさん、治郎丸さん、トシさんと、ある事情で銭湯「はな湯」にやってくる女性・光子さんをご紹介しました。
— 朝ドラ「ブギウギ」10月2日スタート (@asadora_bk_nhk) September 7, 2023
香川編はモデルの笠置シズ子さんの出生地、香川県東かがわ市と丸亀市でロケを行いました。美しい風景をどうぞお楽しみに💃#ブギウギ pic.twitter.com/X5WJk8CCXM
白壁の家 ロケ地は東かがわ市「猪熊邸」
白壁が印象的な次郎丸家の外観などの撮影は、香川県東かがわ市松原にある史跡(お屋敷)「猪熊邸」で行われたようです。
「猪熊邸」は、隣接する白鳥神社の初代宮司・猪熊兼古の住まいとして1664年(寛文4年)に立てられた歴史ある建築物(神官住居)です。
猪熊兼古は、讃岐国高松藩の初代藩主・松平頼重が白鳥神社の社殿を再建する際に、宮司として京都から招かれた公卿でした。
猪熊兼古は松平頼重の弟である水戸藩2代藩主・徳川光圀(水戸黄門)に神道・国学で尊崇された人物だったこともあり、この地に三千坪に及ぶ邸宅を与えられるなどの厚遇を受けています。
「猪熊邸」は香川県有形文化財に指定されており、国宝である水戸黄門書状、大名駕籠、狩野派杉戸絵など秘蔵品を多数所蔵しています。
※一時期は一般公開が行われていたようですが、現在は所有者の方が居住されているためか、一般公開は行われていません。民間所有の住宅となりますので、くれぐれもご注意ください。
▼猪熊邸の敷地に隣接する白鳥神社。白鳥神社の宮司は代々猪熊家が継いでいます。
ツヤの実家・大西家は丸亀市の笠島で撮影
一方、ツヤの実家である大西家と周辺の古い町並みは、香川県丸亀市の笠島まち並保存地区で撮影が行われています。
大西家も古くから手袋工場を営む旧家、商家という設定のようです。
▼笠島・本島町のマッチョ通り。スズ子と六郎が大西家を探して歩いたのはちょうどこのあたり。民間の住宅だと思われるため詳細は明記しませんが、大西家の外観もこの近辺にある住宅で撮影されています。
香川県東かがわ市は笠置シヅ子の生まれ故郷
「ブギウギ」香川編は、ヒロインのモデルである歌手・笠置シヅ子が香川県大川郡相生村(旧引田町、現在の香川県東かがわ市)で生まれたことをモチーフとして描かれています。
香川で生まれた後に、大阪で銭湯を営む亀井音吉・うめ夫妻の娘として育ったシヅ子。17歳の頃に突然「親戚の法事」に出席するように言われると、香川県大川郡相生村黒羽(現在の東かがわ市黒羽)の大地主・三谷家のお屋敷を訪ねています。
この大地主・三谷家が、「ブギウギ」に登場する次郎丸家のモデルとなっています。
シヅ子はこの三谷家の一人息子・三谷陳平(シヅ子誕生後すぐに死去)と、三谷家で住み込みで和裁を習いつつ家事見習いをしていた若い女性・谷口鳴尾との間に生まれています。
しかし二人の結婚が三谷家から認められず、母の鳴尾は実家である隣町の引田に戻ると、シングルマザーとしてシヅ子を育てています。その後、シヅ子はたまたま近所に里帰り出産をしていた亀井うめに養女として引き取られています。
※笠置シヅ子の生い立ちの詳細は以下の記事で。
「ブギウギ」次郎丸家の外観の撮影が行われた「猪熊邸」は、JR高徳線・讃岐白鳥駅が最寄りであり、すぐ裏手には瀬戸内海の海岸線が広がる風光明媚な土地です。
讃岐白鳥駅から東に数キロの場所にある隣駅は引田駅、その東隣は讃岐相生駅であり、まさにこのあたりが笠置シヅ子のルーツとなる場所。笠置シヅ子ゆかりの地で撮影が行われたということですね。
戦後に「ブギの女王」として国民的スターとなった笠置シヅ子は、1949年(昭和24年)に故郷・引田の朝日座で「ふるさと凱旋公演」を行うと、地元の熱烈すぎる歓迎を受けています。その様子も「ブギウギ」で描かれるものと予想します。
▼次郎丸家のモデル・三谷家は豪農であり製糖業を代々営んでいたそうです。黒羽地区には今も「糖業感謝碑」があり、この地で製糖業が栄えたことを伝えています。